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海外学振の面接を乗り越えて -濃密な10分間-

こんばんは、いまいです。

【学振DCに3回不採用通告された件について】という記事を書きました。涙なしには語れない僕の辛く悲しいDC不採用の経験を多くの人が閲覧して下さいました。
これまでにない閲覧数で非常に驚いています。大学院時代に所属してい教授から事前に公開許可をいただいておいて本当によかったです(笑)。

Twitterでも最近、『やれ学振が~』、『今年は学振が○○』と学振の内容にはみなさん興味関心が強いようですね。わかります。

学振の申請書の様式は年によって変更されることがありますが、今年も例に漏れず大きな変更があったようですね。
枠の撤廃・業績欄消失・これまでの研究内容が一括消去などの変更があり、自己アピールや理想の研究者像の記載が加わったようですね。『なんだか就活みたいだね』という印象をうけ、友人との話が盛り上がりました。

なかでも大きな変更点として、二次審査の面接が撤廃され1次・2次ともに書類選考になったらしいですね。

面接が話題なので、この機会に海外学振の面接の思い出を書き綴ります。

今後はもう面接はないため、何の役にも立たないですが、読み物としてご覧ください。

*筆者はDC1・2において1次(書類選考)で3連続不採用というハットトリックを決めたので、DC面接は履修範囲外です。

結果通知~事前準備 -初めて見る面接の二文字-

8月初旬の某日、日本学術振興会から1年ぶり4回目の結果通知メールが届く。
毎度毎度のごとく背中に冷や汗をかきながら震えとともに結果を開示すると、4年目にして見慣れない文字を確認しました。

【二次採用候補者のため面接を受けてください】

ん?面接?、、不採用じゃない??、、、、1次通ったやんけ!!!!
キターーーーーー(゜∀゜)ーーーーーー!!っと勝利の舞を行う。(まだ勝ってない)

上がったテンションをクールダウンし、1カ月後の面接に備えて準備することに。
驚くことに、発表時間4分+質疑応答6分というドチャクソ短い発表時間であり、スライド作成は非常に困難を強いられた。
『卒論・学会よりも2~3分短いとか正気か??何が伝わるねん!!』と思ったのはここだけの話。

指導教官の先生方+博士課程の同期1人に3回くらい発表を見てもらい、疾患の詳細・着目因子の役割・新規性・ラボの選定理由・展望など申請書に書いたことをおさらいして、質問対策を行う。

教授からは『とにかく研究の意欲とこの研究の有用性やその後の夢を語れ!』っとアドバイスをもらい、いかに役に立つか、ということを軸にスライドを作成し、当日に備えた。

前日~当日の道中~会場入り-優秀な後輩は時として毒-

何か不運が発生することを恐れ、東京のホテルに前泊し、スライドチェックと発表練習を行う。

同様に二次審査を受けることになった1個下の部活の後輩から連絡が来て、四谷駅で合流し、会場に一緒に行くことになる。
(麴町ビジネスセンター 〒102-0083 東京都千代田区麹町5丁目3−1)

後輩は有機系研究室のDC2であり、非常に優秀。

二人で会場に向かう最中、大学から1通のメールが届く。

〈内藤記念科学振興財団の申請において学内選考に漏れました〉

そして、隣を歩く後輩が推薦枠を獲得したとのこと。
今井氏、勝負に向かう途中で、一つの勝負に決着がつき、敗北。(タイミングってのがあるじゃん、、、今かよ、、、)
なお、後輩は上原・PD・海外学振などに採用されており、PDを選択した模様。(天は二物も三物も与える、富は集中する)

面接会場である麴町ビジネスセンターの近くのタリーズでコーヒー☕を飲みながら、最終チェックを行う(1時間以上時間をつぶす)

指定時間が近づいたため、会場に向かう。
案内のスタッフさんに促され、控室へ行き、パソコンの動作確認や注意事項を確認する。案内のスタッフさんは親切だが、パソコンの充電はさせてもらえない。なんてこったい。

先に面接を行った後輩が浮かない顔でこちらを一瞥し会場を後にする。フルボッコにされた模様。炎上してマウンドを去るピッチャーのごとく。

こうして恐怖を無事に刷り込まれ、自身の順番を迎える。

面接 -圧を感じる-

ドアを開けるとそこには多くの人が。
大きな声で『失礼します!』といい、入室。スクリーンの前を通っていいのか躊躇するが、スタッフの方に促され、以下のような配置につきスタート。

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緊張とともに4分間の発表を行う。時間はきっちりと枠におさまり一安心する。
そして6分間の質疑応答の始まりを知らせるアラームが鳴る。
手前の先生が奥の先生(偉い人なのか?)を一瞥した後に、火ぶたが切って落とされた。

ーーーー以下、攻防戦ーーーー

先生① (手前の先生)
『君が着目した因子は昔からいろいろ検討されてるけど、どうゆう経緯で着目することになったの』
『この疾患ではどうかはわかんないけど、この因子の役割とかもう結論出てない?』
『遺伝子改変とかもう結構いるよね?』

先生② (奥の先生)
『申請書も練られてるし、有用性も高いし面白い。よくできてると思うし、かっちりした内容だから多分結果も出るとは思う。でも君自身によるオリジナリティーを感じない』
『これ君自身は面白いって言える?』
『留学先の論文とかをもっとアピールしてほしい』(これはコメント)

先生③ (奥の先生其の二) *滑り込みでぎりぎりに質問
『これまでどんな動物でどんなモデルやってきた?』
『病態の時期を分けて検討するらしいけど、後半の時期はやる意味あるの?』

ーーーー攻防戦終結ーーーー

具体的な質問にはおそらくすべて回答でき、先生方の顔を見る感じは御納得していただけたようだが、、、

『面白いか?』

この質問が一番心に来た.....Orz
一生忘れない心に刺さる言葉いなるだろう。

これ新しいか?俺にしかできないのか?海外じゃないとできないのか?

などの自問自答は度々していた。
そこを申請書から見透かされたのかもしれないと思って焦った。
一応、『○○な点で、少なくとも僕は面白いと思います!!きっと○○な波及効果があります!』っ的な返しをしたが、細かい内容は忘れまた

後輩と合流し、ラーメンを食べ、新幹線を使ってその日のうちにトボトボと岐阜まで帰った。(この時使った交通費が採択されて何倍にも増えるとは!)
『あんなん圧迫だよ、ブラックだよ、常人は耐えられないよ!』っ的なことをぶつくさ二人して言ってた。
(ラーメンは美味かった🍜)

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まとめ

僕は注目されるのは好きですが、面接が嫌いです。人前も嫌いです。
群馬県での高校入試も面接がある前期試験はあえて受けず、後期の筆記試験のみで戦いました。(担任の先生には機会を一回失うことになるので普通に怒られました)

いくら質疑応答の練習をしても、学会などではだいたい予想外の質問が飛んでくるのが世の常です。人の心や頭の中はわからないから仕方ないことですげ、特に面接や発表の際は顕著にわかりません。(王じゃないけど人の心はわからない)
その分、海外学振の面接でされた研究に関する具体的な質問はこちらの予想範囲内でした。

ですが、『面白いか?』ということに関しては完全に予想外でした。やはり漠然とした答えのない質問ほど厄介なものはありません。

『面白いって具体的になんなんや、、、』『面白い研究ってなんなんや、、、、』としばらくは夜も眠れず苦悩しました。(これ面白いな!って思える論文や研究に出会えるのはぶっちゃけ稀である)

日々自分の行っている実験や日常の一挙手一投足の中にも面白さを見出し、如何にその面白さを他者に伝えることができるかを考えていきたいところです。研究者のアウトリーチ活動的にも重要ですね。

以上、今はなき面接審査に関する思い出でした。(復活したら役に立つかな?)
結果として補欠採用されたので、万事OK。ありがとう審査員の皆様!

次の面接は、職探しの際だろうか、、、。

では!
(^▽^)ノシ


追伸

最近、概日リズム=日内変動=サーカディアンリズム(circadian rhythm)の論文にハマってる。
日内変動を考慮すると、いろんな事象を再検証する必要があるのでは?っと最近思っている。

研究生活の糧にさせていただきます。