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ヘルパースケルター 1章

白石:んじゃあ、みんな集まった?2月の定例会始めるよー!
ぱふぱふ

白石さん以外の皆さんは緊張の面持ちって感じで座っているのに1番緊張感の無い方が司会かぁと寺田はまじまじと末席に座る。

白石:じゃあ、○○お願い

○○:承知致しました。

○○:今回の議題は、依頼料未納の件だ。事務部どうなってる?」

張り詰めた仕事モードで話す○○を秀一が止める

秀一:○○、まずは家族の紹介からだろ?

○○:そうだな…。すまん。悠樹!

悠樹:はいはーい!あ、寺田さん来てきて
小さく手招きをする

寺田:はい、寺田蘭世です。事務とお伺いしております。頑張ります

白石:事務員だからねー笑
てか、悠樹ー、あんな末席じゃなくて事務部のところ座らせてあげなよ

??:○○いいのか?史緒里ちゃんの後釜があれで

 ○○:知らん、だがお嬢が決めたことだ俺は従うまでよ

??:そうか、まぁ無理させんなよ
寺田への拍手がなっている際、2人は下を向き話していた。

白石:じゃあ、蘭ちゃんはあっちに座ってね
女の子が数人座っている所を指さす。

白石:○○もーいーよ笑

○○:では、本題に戻ろう。事務部久保!…いや梅澤

すごい言い間違えでしょ、寺田は吹きそうになったが空気感が許さなかった。 梅澤と呼ばれた女性は身長が高く、事務というより企画とか営業でバリバリしてそうな雰囲気を持っていた。

梅澤:はい

○○:なぜ、1月入金分が約2割3億程が入金されていない?

はぁ?2割で3億?寺田は計算をする。 嘘でしょ1ヶ月15億?何してんの?この会社と不安になる。

梅澤:奥宮さんのクライアント3社の粉飾決算を出したため回収が困難に…。

○○:で、どう回収する?

梅澤:事務部の総力を上げて回収致します!

○○:…違う。そうじゃない無理そうならこっちに振れ。無理をするな。

○○:寺田、初仕事だ未入金金額を回収しろ。

梅澤:○○さん!未入金回収を最初に行う額として…かなり多いかと…。
勢い小さく反論する

 ○○:悠樹!お前らの班もサポートしろいいな。

悠樹:あーい!
悠樹くんの返事した途端周りがざわついたけど、初仕事は3億の回収ってほんっとこの会社何してるの?

○○:なので、事務部と悠樹達は定例会後おれのとこまで

○○:議題は以上だ、誰か他の議題はあるか?

○○さんの問に関して、勢いよく手を上げる白石さん
白石:はいはーい!最近みんなピリピリしすぎてますのでBBQやろ!

みんな、何言ってんだこいつって目で見てたのは可愛かった。

秀一:そうだな、寺田さんが回収しきったらな

白石:やーだー!BBQしたい!

秀一:わかった、わかった今日の晩飯焼肉なこれでいいだろ

白石:致し方がないなぁ、○○!蘭ちゃんいくよー!

秀一さんがすまんと手を合してこちらを見ていた。

○○:わかりました
低い声で答える○○さんが怖かった

 正直、○○さんがまだ掴めない。白石さんや秀一さんとの関係性も含めてそして時より見せる暗い顔がそこは私の場所じゃないと言ってきてるみたいだった。

○○:寺田何をしている。はやくこい。

またあの暗い顔で呼びかける。 私は背筋を伸ばして駆け寄り、呼ばれたメンバーを見た。

呼ばれたメンバーは悠樹くん、悠里くん、あとは梅澤さんと可愛らしい女の子だった。

○○:渡さんのクライアントを引き継いだのは誰だ?

??:私です。

悠樹:りりちゃん、やっちゃったねぇ
悠樹くんはずっと明るい。この話が事実なら社会人的にはかなりやばいのに

 りりちゃんと呼ばれた人は、○○さんの顔を見れず俯いていた。

○○:伊藤、粉飾のクライアントは依頼費を決算にあげてなかったのか?

伊藤:はい…。奥宮さんはその上に追加費用を請求していたようで各社の請求書と実際の請求書が合わなくて…。

○○:梅澤、これをどう見る?

梅澤:奥宮さんが横領している…可能性があります。

○○:そうだな…。考えたくはないが。悠樹!

悠樹:はーい、とりあえず疑わしきは罰すね笑

○○:寺田を連れてけ、うちの仕事を理解させろ

うちの仕事、私はこの言葉に引っかかった。高額の依頼費、なんでも屋。そして悠樹くんの疑わしきは罰すということ この会社、犯罪組織なんじゃ…

悠樹:何してんの?こっち来てー!

寺田:はいっ!

悠樹は、寺田が合致すると紙に情報を書出した。

悠樹:今回の仕事は、依頼費の回収。お仕事としては結構簡単だよ笑

金額は何もなしか!って突っ込みたいが悠樹くんの隣の悠里くんが何も言わないのでスルー。ごめんよ勝手にツッコミキャラにして…。

寺田:伊藤さんの話だと、決算書にうちの依頼費がなかったからって

悠樹:そうだよ、でもおかしいんだよね。今回の粉飾クライアントは既存クライアントなんだ

寺田:だから、奥宮さん?の横領が疑われてる。

悠樹:そゆこと!とりあえずまずは渡さんかな?

悠里:…その仕事は俺がやる。もし事実なら…。

悠樹:元上司のケツは拭くって部下の鏡すぎー
ヘラヘラしたあの感じを悠里くんはイライラしながら見てた。

寺田:手伝えることがあったらなんでもしますので

悠里:…ありがとう、悠樹が走らないように止めてくれ」
意味が分からず、できなかったできなかった。

悠樹:チッ、今回はさすがに先代組だから○○さんも見張りでこんな雑魚よこしやがって…好き勝手にできねぇ

悠里くんとのやり取り中こぼした悠樹くんの一言を私は聴き逃した

悠樹:てか、寺田さんあれ時間大丈夫?お嬢のやつ

気がつけば16時を少し回ったくらい、まだ行けるだろう

ドタドタドタドタ
白石:蘭ちゃん!行くよー!!

○○:悠樹、すまん借りるぞ

悠樹:えぇ、ごゆっくり。今度は俺たちも

秀一:何時でも変わるぞ

悠樹:遠慮しマース笑

白石:何言ってんの?行くよー!

右腕にヘッドロックされてる寺田と共に連行されて行った

カチカチカチカチ…
網いっぱいの半生の肉相手にそんなトングカチカチできるものなのか…。
しかも両手である。

寺田:あの…白石さんまだひっくり返すには早いかと

白石:…肉っ…肉っ

秀一:寺田ちゃん、こいつは無視でいいよ。とりあえず○○は顔怖ぇよ

○○:ありえない、なんで網1面に肉を敷き詰める。だから麻衣とは焼肉に来たくないんだ!

秀一:だから、悪かったって取り敢えず飲めって

そう言いながら○○さんのグラスにビールを注ぐ秀一さん、この人になら聞いてもいいかもしれないこの会社のこと、そして私の疑問を

寺田:あの…中元さん。

秀一:秀一でいいよ、どーした?

寺田:教えてください。この会社のこと、何をしている会社なのか…。皆さんのこと、あと…史緒里さんのこと

史緒里さんという単語に○○さん、白石さんも止まったのでやってしまったと後悔したがもう引けなかった。

秀一:いいよ、今回はそういう会だしね。まずは会社のメンバーから説明しようか

頷く寺田に秀一はカバンからメモを取りだして書き出した。

秀一:まずは、こいつ白石麻衣。うちの社長だ。

白石:社長でーす!

この人だけはずっとヘラヘラしてる。

秀一:まぁ、いいや置いといて次は鈴木○○。うちの副社長だ。

○○:よろしく。一応営業部長を兼務してる

めちゃくちゃ偉い人じゃん! しかも、麻衣さんも○○さんも秀一さんも私と年齢変わらないのに…。

寺田:じゃあ秀一さんは?

○○:秀は俺が説明しようか

 ○○:中元秀一、うちの専務。

白石:あと、私の彼氏♡
♡じゃないですよ、社長…と思うがここで突っ込むのは早いと引っ込む。

秀一:あれ、俺の紹介雑すぎね?とまぁ俺ら3人はこんな感じだよ

寺田:皆さんはお幾つなんですか?

私は気になる疑問をぶつけた

白石:えー、うちら27だよ?蘭ちゃんは?

寺田:25です

○○:じゃあ、梅澤とかとタメか

寺田:そうなんですか?なんか意外です。

○○:事務部はみんなタメだから、打ち解けやすいかもな

秀一:そう言っても梅澤くらいしか知らんだろ

寺田:いや、伊藤さんという方も

白石:あー、りりちゃん!可愛いよねぇ

秀一:伊藤理々杏ちゃん、事務部では梅澤に次ぐ2番手だよ。かなりやり手で何度も未入金を回収をしてきた子だから今回の件は災難だったね

○○:今回の件、伊藤は関係ないから気にするな

寺田:関係ないって…。

○○:読んで字のごとくと言うやつだ。あいつは今回の件に関わりはない。

寺田:じゃあ、なんで…。

あんなにみんなの前で怒られたのか。自身も身に覚えのないことでの詰めを経験しているだけに辛かった。

○○:目を逸らすためだな、お前にそう思わせた時点で今回の件MVPは伊藤かもしれんぞ

秀一:あはは、寺田ちゃんお肉食べな

焼けた肉を貪り食ってる麻衣さんを尻目に2〜3枚取り皿に置いてくれた秀一さん。

秀一:メンツはこの辺でいいか、おいおい他の連中は話すよ

その通りだ、人を一度にいっぱい覚えるなど難しいおいおい皆さんに聞こう。

○○:あと、うちの仕事内容が気になるって言ってたな

寺田:はい

○○:うちは何でも屋だからなんでもやる

寺田:それって…犯罪でもですか?

○○:クライアントが望むのであれば

秀一:思ってるのと違うと思うよ笑明日朝9時にうちにおいで

○○:悠樹からの指示はあるならそちらを優先しろよ

寺田:まずは、悠里くんが調べると言ってました。

秀一:じゃあ、まずはうちの事色々知っていこうな!

正直、恐怖が無いと言えば嘘になる。でも寺田自身信じたかった。ボロボロの時に声をかけてくれた悠樹をこんなにも暖かい顔をする秀一をそして、ずっと明るい麻衣のことを。

○○:…そろそろあの馬鹿止めろよ

私たちの会話に入らずずっと食べてる麻衣さんに対して○○さんの冷たい言葉に同じ感情を持っているのだと安心した。

それから、約2時間肝心の史緒里さんの話は聞けないまま店員さんにお会計の話をされてしまいお開きになった。

○○:1人で帰るのは危ない、麻衣と一緒に乗って帰れ

秀一さんがお会計を払っている間に、タクシーを捕まえて言ってくれる○○さんにキャラ合わないなぁと思ったが、お言葉に甘えた。

秀一さんと○○さんは2人でラーメン屋に行くそうだ。麻衣さんのせいでほとんどお肉食べれてないから当然かも

○○:2人とも気をつけてな

秀一:また、明日な

白石:私もラーメンいきたいー!

秀一:だめ

寺田:今日はありがとうございました!

○秀:おう!またな

○○と秀一は2人と別れた後路地裏の奥、客も来ないような場末のバーに居た。 奥のBOX席を2人で貸切それぞれハイライトメンソール赤マルに火をつける

秀一:やっぱり今回、奥宮さんは消すのか?

○○:事が事だ、渡さんだけ特別はできない

秀一:先代組か…

秀一:なんで、こうなった…!
テーブルを殴りつけグラスのビールを飲みきる

○○:知らねぇよ、ただ俺たちの道は間違ってないって盲信的に走ってきたからここまで来たんだ。邪魔はさせない。…それがかつて俺たちと共にいた家族でも…。
グラスのジンフィズをあおる。

行き場を無くしたグラスを見つめながら
○○:まだ飲むだろ?貰ってくる

秀一:あぁ、すまねぇ…。

○○:弱さは麻衣には見せんなよ。あいつは俺らの動揺に敏感だから

秀一:わかってる。惚れた女に心配させるほど落ちてねぇよ

○○:あぁ、そうだな。ビールでいいか?

秀一は解答替わりに頷いた

2杯目を持ってくる頃、2人の顔は未来を見据えたものに変わっていた。

○○:今回の鍵はあいつなんだろなぁ

秀一:違いない、あの人たちも今の俺たちと同じきもちだったのかな

2人は、笑いながら夜が明けるまで泣き笑った。
過去の思い出と、未来への希望に挟まれ現実を受け止めきれなかったからだ

To Be Continued

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