conference war 2
週末のオフィスはみんなのきもちが少し軽い気がする。
決戦は金曜日なんて、ドリカムが大昔言ってたり
宇多田ヒカルもノリノリでタクシーに飛び乗らせたりするからだと思いながら
男は1人健康増進法に逆行する行為をする
「やっぱりここだったか、○○」
喫煙室に入ってくる、黒のスリーピースを着こなし
髪をきっちりセットした男。
○○:お疲れ様です。齋藤次長
上司兼自身の教育係であった齋藤□□に挨拶する。
齋藤:お疲れ様、普段どうり□□でいいよ。
○○:さすがに社内ですし流石にそれは…
齋藤:真面目だね、衛藤課長は
○○:あはは
吸っていたたばこの灰を落とし
空虚な笑みで返す。
齋藤:昨日、なんかあったか?急に俺らと飲みに行きてぇって
○○:まぁ、そんな日もあるってことですよ
用件はそれかと、軽く受け流す。
齋藤:しかも、メンツに久保がいないじゃん
○○:まぁ、あいつに振られたんで次点の人達誘ったんですけどね
齋藤:麻衣も喜んでたよ
○○:じゃあ姐さんも来れるんですね
齋藤:営業部の次長代理を姐さん呼びするのはお前らだけだよ笑
○○:それより、齋藤さんタバコやめたんですか?
○○唯一の喫煙所仲間に問いかける。
齋藤:ん?あぁ。まぁな今日お前と山下には伝えるつもりだが結婚するんだわ。久保ちゃんに言えないのは残念だが・・・。
○○:おめでとうございます!
半分残っているタバコを消して2人で出ようとする
齋藤:気遣いはいらねぇよ笑
もう1本吸えと促す。
○○:急でしたね、□□さん。…もしかして
言葉に甘えて、火を付ける
齋藤:あー、おめでたってやつだな
○○:まじですか?
齋藤:大真面目だ
○○:相手は姐さんで合ってますよね…?
齋藤:てめぇ、俺をなんだと思ってんだよ!
○○:何回おれを出汁に浮気したか覚えてますか?笑
齋藤:言い訳のしようがございません笑
○○:じゃあもう□□さんと徹マンもキャバクラ行くのもなくなりますね笑
齋藤:嬉しそうなの腹立つなぁ
○○:おれの感想置いておいても
○○:□□さんと姐さんの結婚聞いて嬉しくねぇやつうちの課に居ないですよ
齋藤:まぁ、嬉しくねぇのは部長位かもな
○○:あのジジィ姐さんへのセクハラ異常でしたからね
齋藤:あと、○○お前にだけ伝えておく。あのジジィ異動だ。
○○:驚きもしないっすよ、次は□□の兄さんですか?
2人きりの時しか言わない呼び方で、誰もいないことを告げる。
齋藤:内々定って感じだわ。そうなったら次の次長は○○に任せたい。
○○:承知しました。
齋藤:やけに素直だな、課長の時はあんなに嫌がったのによ
○○:心境の変化ってやつですよ
齋藤:…久保か?
○○:そうかもしれないですね笑
1つ笑みを浮かべて、頭を下げて○○は喫煙所から出ていった
齋藤:…ガキだった2人が1歩進むか
成長を見守った男が巣立つ顔を齋藤は嬉しさ半分、悲しさ半分で見送った。
齋藤:あぁ、禁煙辞めてえなぁ・・・。
〜営業部〜
久保T:はい!では、週明け火曜日の15時にお伺いさせていただきますね。よろしくお願いします。
岩本:史緒里さんすご、今日何個アポとんだろ?
阪口:まじ神って感じ
久保:(ふふふ、○○から教わったテレアポ技術なんて絶対言わないから)
2人に向けてピースサインする久保
岩本:可愛すぎる♡
阪口:しかも彼氏○○さんなんでしょ、羨ましい…
2人が羨望の眼差しを向けていると
「ただいま戻りましたー!いぇい!!」
久保:おつかれー山下!
山下:お疲れ様です!やったりましたわ
久保の前のデスクに座る。ニコニコ顔の女は
山下美月、○○達の1年後輩にあたり。
○○が教育係だった。
久保:その顔は決めてきたね〜美月!
山下:当たり前でしょ!○○さんなら絶対に決めますもん。今日の商談
久保:凄いなぁ、今週のノルマクリア?
山下:いや、今月クリアでここからは来月の数字ですね!
久保:…ほんっと○○みたいね笑
山下:ありがとうございます…//
山下にとって最大の賛辞に顔を赤くする。
久保:□□さん達には報告した?
山下:白石さんがまだだった!
久保:もう…、私も行くから一緒に行こ
2人はデスクを立ち、次長代理である白石の席を目指す
久保:白石さん、今お時間いいですか?
元教育係時代の癖が抜けない話し方で告げる。
白石:固すぎ笑いい報告でしょ聞こえてたよ
山下:山下美月、決めました!
久保:来週のアポ4件設定してます!
白石:美月!よくやった笑
白石:史緒里の方は決まりそう?
久保:はい、先方決裁者と話はつけており後は実物判断になります。
白石:真面目か!□□と○○もそうだけどもっと砕けていいのに笑
久保:仕事中ですから笑
白石:ほんっと、真面目笑
山下:…あっ!皆さんお昼行きました?私まだで…。
白石:私も11時からのミーティング伸びて行けてなかった。
久保:私もだ、多分2人も行けてないかもです。
岩本と阪口を指さす。
白石:じゃあみんなで行こっか笑
立ち上がり、岩本、阪口と共に社員食堂に移動する
○○がデスクに帰るころ、自分の課のメンバーは誰もいなかった。
○○:飯か…。じゃあその間にっと
パソコンを開き、雑務をこなしていく。
〜社員食堂〜
岩本:史緒里さん!今日はお願いしますね
久保:まっかせなさーい笑
阪口:凄い笑私めちゃくちゃ緊張しちゃいます
岩本:あの…○○さんからOK出たんですか?
久保:うん!対策講座までしてもらったよ笑
阪口:え?彼氏ですよね…?
山下:待って!聞いてないよ!!
久保の首にヘッドロックをかける
久保:え?付き合ってないよ!
岩本:嘘、いつも金曜日は2人で飲んでらっしゃいますよね…?
山下:あんなの同期の交流会でしょ、この女の意図は知らないけど!!
白石:はいはい、○○は今フリーだよ笑
岩本:えー!ホントなんだ…。
阪口:めちゃくちゃ意外笑
山下:まぁ、もうすぐ私と付き合うけどね笑
勝ち誇った顔で言い切る
久保:え?嘘…
山下:今日、○○さんと飲みに行くのだ!!
久保:あー笑
白石:デート気分のとこ申し訳ないけどそれ私と□□もいるよ笑
山下:え?…聞いてないよ!
白石:予約されたところ4人になってたでしょうが
久保:残念でしたー笑
山下:で、今日は3人で何するの?
岩本と阪口に問いかける
岩本:合コンなんです笑
山下:まじで?笑
手を叩いて、久保を見つめる
久保:何よ?
山下:いやー私が誘っても来なかったのに、あれですか?アラサー突入して物件探しですか?
久保:もう!そんなんじゃないから
山下:頑張ってくださいね、久保先輩♡
久保:きっついわぁ笑
白石:はーい、じゃあそろそろ戻るよ笑
全員:はーい!
岩本:このあとコーヒー買ってきますけど皆さんどうしますか?
阪口:一緒に行く!
久保:私も欲しい!!・・・あと○○の分お願い
と言いながら、札を3枚岩本に渡す
久保:姐さんどうされますか?
白石:私は大丈夫!美月は?
山下:期間限定見に行きたいから一緒に行こー!
白石:じゃあ、よろしくね笑
~~
岩本、阪口、山下で近くのコーヒーチェーンに並ぶ
山下:今月のはぱっとしないなぁ笑
メニューを見ながらつぶやく
岩本:山下さん、前から聞きたかったんですけど。なんで白石さんのこと○○さんと史緒里さんは姐さんって呼ぶんですか?
山下:齋藤さんと白石さんが2人の教育係だったからだよ、○○さん齋藤さんのこと2人きりなら兄さんって呼んでるし笑
岩本:へぇ、なんかかっこいいです笑
阪口:どさくさに紛れて呼びたいんですよね笑
山下:タイミング良ければ全然行けると思う笑
山下:久保ちゃんのこともお姉ちゃんとか言っちゃえ~笑
3人は、和気あいあいと並びコーヒー片手に会社に戻った
〜〜
白石:お昼戻りました
○○:おかえりなさい
白石:おー、○○。今日はアポないの?
○○:姐さん、今日は会議だらけで入れれないっすよ
久保:○○、お疲れー!
○○:お疲れ、今日は定時行けそうか?
久保:余裕!あと先方とzoom打ち合わせだけだから1時間ほどおしゃべりタイムある
○○:さすがだな、頑張れよ今日の合コン笑
合コンの部分を強調する
白石:ねぇ、○○、16時からの打ち合わせの資料ってできてる?
○○:はい、齋藤次長と白石さんのデスクに置いてます
白石:ありがとう、でその件で○○ちょっと来て欲しいの
○○:かしこまりました
白石と共に、部屋を出て非常階段で話し始める。
○○:何がありましたか?
白石:今日の打ち合わせ資料見た?
○○:ええ、☆☆商事の社内コンペの件ですね
白石:ぶっちゃけ勝てる?
○○:あそこ、多分経営状況悪いんで避けた方がいいかと…。
白石:だよね、□□もそう言うの
○○:上層部ですか?
白石:まぁね、伊藤くんのチームにやらせろって話が出てるの
○○:伊藤…ですか
山下の同期であり、元久保の指導係だった男である
白石:嫌いだっけ?
○○:アイツにやらすくらいならおれがやりますよ笑
白石:それは、ダメだぞ笑
○○をつつく
○○:まぁ、久保を追い抜いて課長ですから実力は認めますよ。
○○:けど、あいつは成長してないから…。
白石:○○の評価ってことね
○○:そんなとこです
白石:○○は、今回のコンペは参加しない方がいいってことが聞ければ充分よ
○○:☆☆商事…懐かしいですけどね笑
白石:元々、○○が開けたんだっけ?
○○:初めて商談行ったのが☆☆でした。ほとんど齋藤さんに巻いて貰いましたけど。
白石:そんなこともあったね笑
○○:経営不振で、速攻切られましたけど笑
白石:あはは、あの時は荒れてたねぇ笑
2人は、過去を思い出しながら営業部へと戻って行った
〜
久保:遅かったね、○○
○○:仕事の話だ笑
山下:コーヒーいります?
○○:あんの?!
テンションの上がる○○、仕事中ほとんどずっとコーヒーを飲むほどカフェイン中毒なのだ
山下:そう言うだろうなって思って同期があなたの分も買って来いってパしらされました笑
買ってきた、アイスコーヒーを手渡す
○○:悪ぃな
久保の方を見て、頭を下げる。
久保:まぁいいってことよ笑
○○:あ、あと山下よく決めたな笑
山下:褒めんの遅いですー!
○○:山下ならできるって知ってるから笑
山下:伊藤くんにも、久保さんにも負けたくないので
○○:頑張れよ笑
優しい微笑みを向ける
山下:最後はその席、私のものなので♡
小悪魔の雰囲気を持って○○に告げて仕事に戻っていく山下
久保:…すっごいね
○○:まぁ、な。合コンであれ出来れば最強だぞ笑
久保:そうかもね笑
○○:さぁ、仕事すっかー笑
皆それぞれに野心を持って週末のパーティタイムに駆け出して行く
To Be Continued
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?