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【計算】複利の力

ニュースなどで,
日銀マイナス金利解除,
さらに,大手銀行の普通預金の金利が20倍になって,年利が0.02%になるなど,
話題になっていますね.

ここでは,複利について,
その凄さを一緒に勉強しましょう!

後半は少し難しくなるかも知れませんが,
理解するために,
具体的な数字を代入したり,
グラフを書いてみることをお勧めします!

単利とか、複利って?

単利や複利は,ある時期ごとに,積み重ねされていくものです.
(元々あるものから生まれたものがさらに再投資されていきます!)

例えば,毎日の食事を単利や複利の視点で見てみましょう.

食事を朝昼晩,毎日3食摂っているとします.
すると,1ヶ月後には大体100食くらい,1年後には大体1000食くらい食べてますね.
さて,10年後は大体何食になるでしょうか?

このように,積み重ねによって,大きな値を作ります.
食事では,毎日3食ずつの習慣的な積み重ねが,年単位とかでみると,トータルでたくさんの回数になることを見ました.
これは,勉強でも,スポーツでも,お金でも,同じことが考えられるでしょう.

それはそうだろう,毎日やっているんだから.当たり前じゃないか.
そんな風に思う人もいることでしょう.

しかし,何か初めてすることに感動したり,成長,経験が残った思い出はありませんか?

例えば,
初めて食べる料理を食べたとき,感動した思い出,
初めてするスポーツをしたとき,1回目や2回目などが最も成長を感じた思い出,
勉強した内容が,なるほど!そうだったのか!と見方が変わった思い出,

初めてしたことが後々の経験にずっと残る.
その経験を活かして,ますます成長していく.
その初めてした経験が大きく後にも残って,成長することこそが,「複利」です.

有名なムーアの法則(Moore's law)も,まさにこの複利を表現したものですね.
今後はAIの発展であらゆるものにムーアの法則に従う発展,コストダウンなどが起こることが期待されています.

[参考]

これに対して,「単利」があります.
それは元のものから生まれたものが,再投資されることなく進みます.
つまり,先ほどの食事の例や,ある時期ごとに一定の値しかもらえないものですね.
(例えば,労働の給料はとてもわかりやすいですね.ある時間ごとに大体一定の額でしょう.)

めちゃくちゃアバウトなイメージでわからなかったと思います.

ここから,単利や複利をより具体的に説明したいと思います.そのためには,数式を使って,この話を明確にしましょう.
そこで,次からはお金を題材に「複利」の凄さを説明しますね.

複利の定式化

さて,ここからは数式を使って説明します.
(もし,計算ミスがあればご指摘ください.)

より直感的に理解するために,ぜひ具体的な数字を入れてみてくださいね. 例えば,$${M_0=100}$$万円,$${c = 0.05}$$ (5%) とか.

元本を $${M_0}$$ として, 年利を $${c}$$ とします.

1年後の増加分は,$${cM_0}$$と表されます.
つまり,1年後の新たな元本(口座にある総額)は
$${M_{1} = (1+c) M_{0}}$$
となります.

2年後の増加分は,$${cM_1}$$と同様に表されます.
2年後の新たな元本は,$${M_2 = (1+c) M_1 = (1+c)^2 M_0}$$ となります.

これを繰り返すと, $${n>1}$$年後の増加分は $${cM_{n-1}}$$ と表され, $${n}$$年後の新たな元本は,$${M_n = (1+c)^n M_0}$$ となります.

複利の定式をさらに一般化

さて,ここからさらに実用的な式にしていきます.
そのために,もっと一般化しましょう.
私たちは普通,月々いくら貯金するとかしますよね.
これを考慮します.

1年ごとに追加で金額を投入していくことにします.
そこで,投資を始めてから$${k}$$年目に$${M^{k}_{0}}$$の元本を貯蓄に入れると考えましょう.
数字について,上付きは投資を始めてからの年数($${0}$$から$${n}$$まで),下付きは経過年数($${0}$$から$${n-k}$$まで)です. (混乱しますね.ごめんなさい.より良い表現が見つかったらアプデします.)

さて,$${0}$$年目にあった元本を $${M^{0}{0}}$$とすると,
それは,$${n}$$年後に $${M^{0}{n} = (1+c)^{n} M^{0}_{0}}$$ になりました.
ここに,$${1}$$年後から$${n}$$年後までに入れた貯蓄を考慮してみましょう.

投資開始後,
1年後に入れた元本$${M^{1}_{0}}$$は $${n}$$ 年後には $${M^{1}_{n-1} = (1+c)^{n-1} M^{1}_{0}}$$ になります.
2年後に入れた元本$${M^{2}_{0}}$$は $${n}$$ 年後には $${M^{2}_{n-2} = (1+c)^{n-2} M^{2}_{0}}$$ になります.
したがって,$${k}$$ 年後に入れた元本 $${M^{k}_{0}}$$ は
$${n}$$ 年後には $${M^{k}_{n-k} = (1+c)^{n-k} M^{k}_{0}}$$ になりますね.

これより,$${0}$$から$${n}$$年までに年毎に元本$${M^{0}_{0}, M^{1}_{0}, ..., M^{k}_{0}, ..., M^{n}_{0}}$$を投資した場合にトータルで口座にある金額は,
$${ M_{0}^{n+1} = \sum_{k = 0}^{n} M^{k}_{n-k} = \sum_{k = 0}^{n} (1+c)^{n-k} M^{k}_{0} }$$
となります.

簡単のために,毎年同じ金額を入れることにしましょう. つまり,全ての$${k}$$について,$${M^{k}_{0} = M}$$としましょう.

この時,トータルで口座に$${n}$$年後ある金額は,
$${\sum_{k = 0}^{n} (1+c)^{n-k} M = \frac{(1+c)^{n+1} - 1}{c} M}$$
のようになります.
(初項$${1}$$, 公比 $${(1+c)}$$, 項数 $${(n+1)}$$ の等比級数である.)

NOTE(注意):
もちろん,実際は,年利$${c}$$も,年々変動するので,年利$${c}^{k}$$ のように記述するべきでしょうが,これは問題をより複雑にしてしまい,複利を理解しづらくしてしまう.平均化された年利として一定の$${c}$$を採用するのがいい.

あなたがもし,月々 $${m}$$ だけ投資するとしましょう. $${M = 12 m }$$ が成り立ちますね. 今何歳ですか? これから,$${n}$$年後まで平均年利$${c}$$で投資を続けて,どうなるでしょうか?

恐ろしい,早いうちに堅実な投資をするといいとわかりますね.

これはもちろん,お金だけではありませんね, 習慣として何か行なっていくことが,将来に大きな結果を生むだろうことが想像できます!

複利と単利の比較

複利と単利について扱いました.
(単利の計算方法は下記の付録,Appendixを参照してください.)

実際にどのように違いが生まれるのか, グラフで見てみましょう.
(このシミュレーションもいつか公開したいです.)

元本$${M}$$ を投入した場合に年利$${c}$$で運用された場合, $${n}$$年後にどうなるかプロットしています.
(グラフでは,$${M = 100}$$(万円),年利$${c = 5}$$(%)です.)

Appendix:単利

単利の場合にも簡単に数式で触れておきます.
複利は時間に対して,指数関数的な増大が起こりますが,
これは単純な線形的な関数です.
$${M_{n} = M_{0} + n S = (1+cn) M_{0}}$$
のようなものですね.
解釈としては,$${S = c M_{0}}$$ は年収,$${M_0}$$ は元本(元々持っている金額),$${n}$$ は経過年数.


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