学びの瞬間をつかまえる
私の勉強法について話す前に、まず言っておきたいことがある。勉強というのは、何も机に向かって教科書を読んだり、問題集を解いたりするだけではない。もちろん、それも大切なことではあるけれど、それが全てだと思うとどこかで行き詰まる。私にとって、勉強はもっと広いものであり、もっと日常に溶け込んだ活動だ。たとえば、朝の散歩中にふと思いついたことや、会話の中で感じた違和感――それらがすべて、私にとっての勉強の一部になっている。
私は、物事に対して好奇心を持ち続けることが最も重要だと考えている。そして、その好奇心を活かすためには、日々の生活を学びの場として捉えることが鍵だ。私の場合、最初にやることは、「どうしてこれがこうなっているのか?」という問いを常に心に留めることだ。たとえば、料理をしているとき、なぜある食材とある調味料が相性が良いのか考える。あるいは、道端で見かけた草花がなぜそこに生えているのか、不意に興味を抱く。こうした些細な疑問を持つことが、私の勉強の出発点になる。
具体的な手法として、私は「インプット」と「アウトプット」をバランスよく行うよう心がけている。インプットというのは、本を読んだり、ドキュメンタリーを観たり、人の話を聞いたりすることだ。このとき、ただ情報を受け取るだけではなく、常に自分の頭で「なぜ?」を考える。それによって、知識が単なる情報の羅列としてではなく、実感を伴ったものとして自分の中に定着していく。
しかし、インプットだけでは不十分だ。アウトプット、つまり自分の考えを整理して人に話すことや、書くことで初めて、自分の中にある知識がしっかりと結びつく。だから私は、何か新しいことを学んだら、なるべく早く誰かにその内容を説明してみる。これは、友人や家族でなくても構わない。SNSに簡単に書き込むこともあれば、日記に自分の考えをまとめることもある。重要なのは、自分の言葉で説明する過程で新しい視点が生まれたり、自分の理解が深まったりすることだ。
それでも、何かを勉強する際には必ず壁にぶつかる。例えば、どうしても理解できない概念や、なかなか進まない課題があるときだ。こうしたとき、私が意識しているのは「視点を変えること」だ。私は問題を解決するために、新しいアプローチを試してみることが多い。たとえば、難しい理論に取り組んでいるとき、私はその理論を日常生活に当てはめてみる。あるいは、図やグラフを描いて視覚的に整理することで、頭の中で点と点がつながることがある。
また、別の分野からのアプローチも有効だ。私はよく、音楽を例に挙げるが、リズムやメロディの構造を理解することが、数学のパターンを解明する手助けになることがある。全く関係ないと思われる分野でも、共通の法則や原理が隠れていることが多い。こうした異なる分野を横断するような学び方は、私にとって新しい発見の源泉でもある。
最後に、私の勉強法における最大のポイントは「楽しむこと」だ。興味を持つことができれば、どんなに難しいテーマでも挑戦する気力が湧いてくる。私は、何かを学ぶこと自体を目的にするのではなく、その学びが自分の生活や考え方にどう影響を与えるのかに注目する。そして、そのプロセスを楽しむことで、結果的に学びが深まっていく。
勉強は決して苦行である必要はない。むしろ、自分の中に新しい視点や知識が加わることで、世界が少しずつ広がっていく感覚を楽しむべきだ。これが、私の勉強法の真髄だ。