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米川さんproofreading(校正中)

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八ヶ岳山小屋黒百合ヒュッテ山番時代を米川正利さんが描いた絵を形にできればいいねマガジン。黒百合ヒュッテhttp://www.kuroyurihyutte.com/   問い合わせ…
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2021年7月の記事一覧

7.冬のラッセル(米川さんの絵本)

深い雪の中のラッセル。 何時間も続く。 最初は楽しかったが、もう2時間は歩いたかな。 今は苦痛。いつまで続くのだろう。 解説1月下旬から大雪が降ると一面大雪原になります。 大雪が降ると登ってくる人の為に小屋番が道を開けます。 小屋番は道を開けるのにラッセルをしなければなりません。 1メートル以上ある雪は誰かが最初に歩かなければ登山道がわからなくなるからです。 ピッケルを水平に持ちラッセルしていきます。両手を前に出して雪を押して歩いていくような感じですね。 ピッケルの絵

6.星を見る(米川さんの絵本)

一晩中夜が明けるまで星を見ていた。 もっと星と話したくて、より高いところで 布団を敷いてシュラフから顔だして。 あの星座のあの星の国へ自由に飛んで行ってしまう。 私の大好きな星の国の物語。 星が山かげに消えるまで、長い楽しい時間が夜明けまで続く。 一度見てごらん。 星が一杯で賑やか。 解説 山では夜になると星をみて、星を見ながら火をたいて、キャンプの人達が星を見ながら寝るとか、テントから顔をだすとか。 25~26の若い独身だった頃の話です。 最初に星を見たのは温かいハイマ

5.屋根の上で星見(米川さんの絵本)

はじめはハイマツに包まれ星を見た。 そのうちに、もっと星をたくさん見たくて 屋根の上で一晩中星を見た。 布団を敷いてシュラフに入って顔だけ出して。 幾つもの星座が現れては消えて行く。 星と話しているうちに、星を訪ねて宇宙遊泳が始まった。 解説最初に星を見たのは夜寒くなるので温かいハイマツの中でした。 低く這っている松の事をハイマツって言います。 ハイマツが小屋の前から天狗岳にかけてずっと斜面を這っているのです。 最初はハイマツのなか、すごく温かいのです。事故があったりして遭

4.天狗岳への道(米川さんの絵本)

天狗岳に登る大きな石のゴロゴロ道。 この道を何回歩いたろうか。 沢山、たくさん、数えきれないほど。 私の大好きな山。 解説登山者を案内した時、遭難者を探した時、私の大好きな花に会う時、ライチョウを探しの時、沢山の星を見たくて夜中に歩いたり、日の出を見たくて朝早く歩いたり、思い出が沢山詰まった道です。 天狗岳とは 天狗岳は北八ヶ岳で1番高い山(標高2646m)で東天狗、西天狗の双耳峰の山です(そうじほうのやま:1つの山に2つの頂上が同じくらいの標高に並んである事を2つの耳

3.黒百合の花(米川さんの絵本)

クロユリは恋の花。 あまり見ることの無い幻の花。 草原や岩陰にひっそり咲く。 高嶺の花で、見るからに貴賓がある。 解説黒百合は、本州中部の高山帯から北海道に分布し、高山帯の草地に生える多年草の植物です。 丈は15cm~20cm、花期は7月~8月、黒百合ヒュッテ周辺は気候にもよりますが6月下旬から7月下旬の数週間花が咲きます。 花は下向きに着き1~3個、花弁は6枚。ユリ科・バイモ属です。 2020年は黒百合ヒュッテ周辺では6月27日に咲いていました。 日本では黒百合は2種類分