古代ギリシャのリアル 著者 藤村シシン

1月分の読書です。今のうちに溜めておきます。
今回は「古代ギリシャのリアル」

アサクリオデッセイをやってたので、藤村シシン先生を知りました。

アサシン クリード オデッセイ
https://assassinscreed.ubisoft.com/game/ja-jp/home

藤村シシン先生他お仲間によるアサクリオデッセイについてのツイートまとめ
[藤村シシン先生による、古代ギリシャから見る #アサシンクリードオデッセイ まとめ - Togetter](https://togetter.com/li/1282062)

専門家が見ても唸る程の歴史考証、PS4のグラフィックで古代ギリシャを満喫することができます。
本当に旅行に行っているよう。
ある意味かなりディープに古代ギリシャを体験しているわけですが、その当時の時代背景や文化がわからんので、ちょっとその辺を知ってみたいと思いましてこの本を手に取りました。

全部で3章構成になってます。
1. 「古代ギリシャ」の復元
2. ギリシャ神話の世界
3. 古代ギリシャ人のメンタリティ

第1章「古代ギリシャ」の復元
古代ギリシャを概観します。
・現代に住む我々が持つギリシャのイメージというと、パルテノン神殿はじめ白い遺跡を思い浮べるが、実際には極彩色で彩色されていた。
・ギリシャの「白い」イメージは18世紀半ばのギリシャブームに出来たもので、西欧文化の起源としてある種理想化されたもの。
・「古代ギリシャ」という国は存在したことがない。大小1500個の都市(ポリス)からなっており、統一されたことはなかった。
現代に住む私が持ってるイメージとはだいぶ違った姿が浮かび上がってきます。

第2章 ギリシャ神話の世界
神話の世界に移ります。
ギリシャ神話は日本でも有名で、古代ギリシャ神話をモチーフにしたアニメやゲームが数多く存在します。
古代ギリシャ人にとって神話は「荒唐無稽なお伽話ではなく、『この世界がどう始まり、何によって構成されているか』を説明するための科学であり、自分たちの祖先がどう生き、どう戦って死んだかを記憶するための歴史」(P046)だったようで、生活に密着したものでした。
古代ギリシャでは多数の神が存在し、それぞれの都市、もしくは個人でお気に入りの神を見つけ、いわば「推し神」として信仰していたそうです。
その中でとりわけ有名な12神が履歴書、取扱説明書、解説という形式で紹介されています。
アポロンの女性遍歴と男性遍歴が「無数」と書いてあったり、ゼウスの奥さんヘラが昼ドラ裸足の復讐劇を繰り広げていたり…。結構とんでもないことやってたりして面白いです。

第3章 古代ギリシャ人のメンタリティ
古代ギリシャ人の価値観や文化を紹介しています。
古代ギリシャ人はヒマこそ至高、生活のための働くなんて愚の骨頂と思っていたそうです。
ちょっと羨ましいなと思う半面、市民の代わりに労働を行う奴隷もいたし、平均死亡年齢男性44歳、女性35歳なので、まあどうかなという感じです。
戦争は夏の暇な時期にしか行っておらず、秋になれば、ぶどうの収穫あるから戦争おーしまいというテンション。
興味深いのは古代ギリシャと日本人の共通点。
古代ギリシャ語には「宗教」は無く、神への祈りや儀礼は「慣習」だったそうです。
日本人も信仰心はあまりないが(宗教を信じているかの答えはNo)、宗教的な行事はよくやってたりします(盆の墓参り、正月の初詣、など)
信仰心よりも実践(儀式)が大切という点で、信仰心を重んじるヨーロッパのキリスト教の人からは日本人は古代ギリシャ的だと思われるそうです。
そういえば以前、「小夜曲(セレナーデ)」はなぜ意外とやかましいのかとう話をふーかさんから聞きました。
曰く「古代ギリシャでは好きな人の玄関の前で楽器片手に歌を歌う」という習慣があり、それがもとになっているので「夜に演奏する曲」というくらいの意味合いだということでした。
この話もちらっと触れられていました。
「男性は運動場などに赴き、お気に入りの少年を見つけるとさまざまな贈り物をしたり、時には家の前まで行って一晩中竪琴片手に歌を歌って気を引いたりしました。」(P237)

いろんな小話が散らばっているので、まとめるのは無理でしたね。軽い気持ちで古代ギリシャの世界を除く事ができます。アサクリやったあとだと、あーなんかわかるわーとか、そういうことだったのね!という点もたくさん。
ゲーム中に神様の名前が沢山出てきたので、そういうところは見返してみたいなと思いました。

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