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日記 コインランドリー珍事

日記。


昨日の話。溜まりに溜まった洗濯物を片付けるため、雲一つない青空のもと近所のコインランドリーに行った。こんな天気なら外に3時間でも干せば乾きそうなものだが、我が家の物干し竿の許容量をはるかに超える洗濯物の量だったため、わざわざ小銭を払ってまで服を乾かさないといけなかった。こういうことを定期的に行なっている。

こんな洗濯日和でしかない日にわざわざコインランドリーを使う人間はあまりいないので、乾燥機はガラ空きだった。2台に洗濯物を突っ込み、編み物の続きをしながら10分待った。なんだかんだ、コインランドリーって結構好きだ。洗剤の匂いと、どこからかうっすらと聞こえてくるラジオの声。まあ行くのはいつも休日だから、休日というだけで幸福度がカサ増しされている可能性もある。休日にしか行かない場所、コインランドリー。歌詞みたいで素敵だ。

10分が経過し、1台の乾燥機からピーという機械音が鳴った。まだ湿っていたので、料金を追加しもう10分回すことにした。ここで問題が発生する。もう1台の方が、同時に始めたはずなのに一向に終わらないのである。おかしいなあと思いつつも、ガラス越しにビュンビュンと洗濯物が回転し続けている以上どうすることもできない。なすすべもなく眺めているうちに、さらに10分が経過し追加料金を払った方の乾燥が終わった。

一応いろんなボタンを押してみるものの、ビュンビュンビュンビュン回転し続ける乾燥機に対してどうすることもできず、仕方がないので壁に貼ってあったコールセンターに電話をかけた。電話に出たのは感じの良いおばさまだったが、機械のことはよくわからないらしく、「通常は止まるはずなんですけどねぇ〜」とかなり困った様子だった。「ドアを開けると止まる仕様なので、開けてみてもらえますか?」と言われたので開けてみたものの回転は止まらず、靴下が3mほど先まで吹っ飛んでいった。

「もうこのまま回収するしかないッスかね?ハハ」などと言いながらコールセンターのおばさまと共闘すること5分、最終的に“ありとあらゆるボタンを連打しまくる”という荒技を繰り広げたところ、なぜか急に回転が止まった。「あ!止まりました!止まりましたよッ!」と電話口で大喜びし、おばさまも「勉強になりました!」となぜか嬉しそうな様子であった。この私の経験がコインランドリー業界の発展に繋がったのであれば、まあ良い。おばさまに感謝を告げ、よく考えたらこの人のアドバイスは何の役にも立たなかったななどと考えながらドアを開けたところ、洗濯物はしっかり湿っていた。



本を読んでいる。あえて宣言するようなことでもないが、本をたくさん読んでいるにもかかわらず「本を読まない人」だと思われるのは癪なので、一応言ってみた。

本を読んでいるんです、ということを、人に話したりどこかに書いたりすることは滅多にない。強いて言えばこの日記でたまに感想っぽいものを書いてみたりもするが、そもそも私は「感想を書く」ということが極端に苦手らしく、過去に書いた感想っぽいものを読み返してみても、要約すると「おもしれ〜」と「好き〜」に2単語にしかならないような文章を、わざわざ長ったらしく書いているだけだ。

ここまで書いてから少し考えたんだけど、感想を書くためには読み終えた本を自分なりに噛み砕いていく時間が必要で、すぐにアウトプットできるものではないのかもしれない。読み終えた勢いでそのままパソコンの画面に向き合ったことが何度もあるが、いざ文章にしようとしても頭の中でインプットしたばかりの言葉がグルグルしているだけで、自分の言葉に直すことができなかった。万人に言えることなのかはわからないけど、とりあえず私の場合は、熟成期間を作らないと感想文は書けないらしい。

じゃあその熟成期間というのは一体どれくらいのなるのかというと、多分1ヶ月や2ヶ月はかかるんじゃないかと思っている。むしろ、そのくらい期間を空けてもなお記憶に残っている文章というのが、自分が本当に感銘を受けた部分なのではないか。1冊の本の全ての文章が頭に入った状態から、大事な部分以外をふるい落としていくことで、はじめてまとまった感想文が書けるようになるのだと思う。

しかしこれには弊害もあって、熟成期間のうちに大事な部分まで一緒にふるい落としてしまう可能性が大いにあるという点が問題である。落とす前に記録しておく、という必要も考慮すると、感想は2段階に分けて書くのが最も良いのかもしれない。読んだ直後のぐちゃぐちゃな感想文と、熟成期間を経て厳選された感想文。

しかし、ここまでくると面倒が勝ってくる。面倒なのでやーめたとなり、ポロポロと記憶が消え、いつの日にかは「この本読んだっけ?」となる日がくるのだ。

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