心理的安全性を相手に強要しないために

どこかで働いていたり、日々生活していると、「これは伝えられない」と思うことがでてきます。空気をよんだり、それをいったら終わってしまうこと、伝えたらめんどくさくなったり、誰かが傷ついたりするからで、誰にも気づかれないように静かにため息をつきながらその言葉を飲み込みます。

飲み込んでばかりいると、モヤモヤがたまっていって心や体に悪い影響を与えてしまいます。そして、静かにため息をついている人が多い組織はきっと居心地はよくないでしょう。

心理的安全性を求める人が多くなっていますが、最初から心理的安全性が高い組織なんてなくて、結局は1対1の関係性において「伝えられない」ことが少ない人と関係性を深めて、そうした人が組織の中で増えていくと、その人にとっての心理的安全性が高まるだけの話です。

なので、心理的安全性が高い組織は、自分が「伝えられない」ことを少なくするには、誰かの「伝えられない」ことに関わらなくてならないとわかっている人が多い組織ということです。

他人の「伝えられない」ことに関わりながら、自分の「伝えられない」ことを少しずつ伝える作業はすごくデリケートで、だいたいバランスを欠いています。

組織に長くいて心理的安全性を感じている人がじゃんじゃん「自分だったら相手に伝えられないこと」を伝えてきた挙げ句に、「であなたはどうなの?」なんて聞いてくることがあります。

私にとってはまだまだ相手は信頼できなくて「伝えられない」ことは伝えられないのに、一方的に相手から話を聞かされた上で、同じレベルのことを話すことを求められる。これは繊細な人にとっては拷問です。

長く生きていると、そうしたことにもうまく対処できるようになってきて、ありきたりの話をしたり、嘘をつくことでこなしていけるのですが、嫌な気持ちは心の中に溜まっていきます。

居心地がいい=心理的安全性を感じている人は、知らず知らずの間に心理的安全性をまだ感じていない人に、「その人の伝えられないことの開示」を強要していないかを気にかけることが大切なのではないかなと思います。

お話をしながら、相手が”誰にも気づかれないように静かにため息をついていないか”心の耳を澄ませられるようにしたいです。

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