180日後に去る私 75
時系列が前後しましたが、2020年6月といえば、弊社の人事異動、昇給が行われる月です。
私にとっては主任になるのかどうか、他の皆にとってはどのくらいの昇給があるのか、気になる所です。
昇進については工場長に、まだ主任になれる実績を残していないのだから、今年ではなく、来年からになるだろうと内示を受けていました。それは仰る通りですし、向こう1年は辛抱して、焦らずに頑張ろうと思っていました。
他のみんなの昇給については、 個人差は多少あったでしょうが、概ねみんな平等に昇給していたといった感じでした。
私については、昇進は来年に持ち越されているので、みんなと同じように昇給したといった感じでした。今後1年間は、主任になるための仕事もこなしていく。 そんなイメージでした。
しかしこのときBさんだけは、私に対してこう忠告しました。
「Iさん、会社は責任や仕事だけ与えて、昇進させないというのは、都合のいいように使いたいだけやと僕は思います。
多分こんな会社で利用されても、アホらしいだけですよ。もうすでに主任に近い仕事をしてるのに、昇進もなしでいつも通りの昇給なんて、結局会社は都合良くIさんを使いたいだけですよ。
来年は来年で、また都合のいい言い訳をして、最初から昇進させる気ないと思います。
結局Iさんが損するだけですよ」
「うん、Bさんが言っていることはよくわかるよ。流石に鋭いね、その通りやと思う。やけど、まあ向こう1年間はとりあえず頑張ってみるわ。
実績を残して、信頼を勝ち取れたら、来年の昇給昇進のときにどうなるか…それを見て俺も身の振り方を考えるわ。
とりあえず1年間は辛抱してやってみるつもりやで。心配してくれてありがとう」
と返しました。
私としても、まだ実績をあまり積んでいないのは事実ですから、来年の6月でも構わないと思っていました。
そこで本当に自分が会社に必要か、そうでないのか、その判断もしようと思っていました。
つまり、必要(昇進)なら残留。不必要なら退職です。入社した時の自分との約束(年収)もありますし…そんな風に考え始めていました。
とにかくは、それまでに現場の皆だけでなく、社長部長を筆頭に本社の方々、取締役、工場長、営業マンそれぞれの信頼を得なければなりません。
ただ、Bさんの忠告が、ずっと頭の中に過っていました。その可能性も全く否定できない、むしろ予想は当たっています。
それと、ほんの少しずつですが
「こんな会社で評価されたって仕方ないし、泥沼に嵌るだけかもな」
という気持ちが、私自身の中に芽生えてきていました。
会社を去るまで
あと106日
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