見出し画像

競馬は人生に大切なことを教えてくれる「テイエムプリキュア 2009年/エリザベス女王杯」~舐められてる。。それはラッキーにしないと損!~

予想をする際、当然「穴を開けるなら」はいつも考える。
エリザベス女王杯はここ10年、5番人気以内が8勝2着4回3着7回と比較的固いレースだ。

エリザベス女王杯(過去10年)
1番人気/1-2-2-5
2番人気/1-0-1-8
3番人気/4-0-2-4
4番人気/1-0-1-8
5番人気/1-2-1-6

よく見るデータ

それでもやっぱり「穴を開けるなら‥どの馬?」は考える。その中で、やっぱり思い出すのは2009年のテイエムプリキュアだ。

テイエムプリキュアー。
名前の由来はもちろん人気アニメのプリキュアだが、40代後半の僕にしてみればハートをキャッチされた「プリキュア」といえばやっぱりこちらのパラダイスクリーク産駒の牝馬だ。

最初のテイエムプリキュアの印象は、2歳牝馬のGⅠ「阪神JF」だ。8番人気で1着。差し切りで穴を開けた。鞍上は、今週引退された熊沢重文騎手だ。思えば「GⅠ+人気薄+熊沢重文」だけで買う魅力があるが、このレースでテイエムプリキュアの馬券を買った記憶はない。おそらく、この後も長く好きだったフサイチパンドラ、アサヒライジングあたりを買ってたんだろうと思うが、その辺の記憶もテイエムプリキュアの激走の影響であやふやだ。

ところが‥テイエムプリキュアについてはその後もしばらく印象が薄い。
GⅠ馬として迎えた春のクラシックシーズンは桜花賞8着・オークス11着と敗退。以降、中距離路線を主戦場として走るが牡馬に交じってのレースは苦戦を続けている。2年以上掲示板にも載らなかった。結果、テイエムプリキュアの存在感は少しずつ薄くなり・・GⅠ馬だが舐められる存在になっていたように思う。僕自身「早熟だった」くらいの認識で、馬柱で名前を見ても「出ているなあ」くらいの印象だった。

ところがところが、阪神JF制覇から2年以上が過ぎた2008年1月の京都「GⅡ 日経新春杯」で彼女は魅せた!前に行って粘り穴を開けた。12番人気で3着だ。1番人気でほぼ同じ位置にいたアドマイヤジュピタ相手に、自力で前に出て粘り切ったんだから堂々強い競馬だ。だが、その強さの証明も次走以降の敗戦でまた薄まる。前に行っても、後ろに行ってもファンを興奮させるようなドキドキプリキュアな走りはないままの連敗。ところが、これまたすっかり存在感が薄まったちょうど1年後の2009年の「日経新春杯」で、今度は11番人気で1着!(この時は確か「引退レース」くらいの触れ込みもあった。結局、勝ったことで「まだ走ります!」みたいになったというのは記憶違い??)

「舐められきってからの好走」がテイエムプリキュアの得意技、そんな印象を持ったのがこのレースだった。(ちなみにアニメ・プリキュアは、ちょいちょい敵に完全に打ちのめされて「プリキュア、たいしたことねえーなー」と笑われ舐められきってから巻き返す!今さらながらなんか共通点を感じる。)

そして‥「舐められるのが得意技」の真骨頂こそが、今回の本題である「2009年・エリザベス女王杯」だ。日経新春杯を1着した後も再び明確な敗戦を重ね、再び存在感を薄まらせたテイエムプリキュアは、この本番を12番人気で迎えた。

舐められきっていたのも仕方がない。簡単に言うと、前哨戦の「京都大賞典」で前に行ったもう1頭の逃げた馬・クィーンスプマンテと揃って思いっきり、思いっきり、完全なまでに沈んでいたのだ。その2頭が本番のエリザベス女王杯も前に行った流れだから「GⅡでも沈んだんだからGⅠならなおさら」と思われても誰も疑わない。加えて‥このレースの1番人気は、強烈な末脚を持つ3歳牝馬・ブエナビスタ。道中、ファンの意識は完全にブエナビスタに向いていた。

ところがところがところが‥4コーナーまわって直線を向いた時、叫んだ。

「また舐めてました!すみません!」

3番手以降が外回りコースの4コーナーをまわって直線を向いた時、クィーンスプマンテとテイエムプリキュアは「内回りコースを回ってきて直線を向きました♪」くらいの位置にいた。20馬身以上の差だ。「舐められたぶんだけ差をつけました」といった格好だ。

あの瞬間、結果1着だったクィーンスプマンテについてはまだ重賞実績もない人気薄だったから「最後垂れるかも」と思ったが、2着だったテイエムプリキュアには「絶対3着以内残る!」と痛感させられた。
が‥・舐めてたこちらの負けだ。馬券的には直線向いた瞬間に、プリキュアにすべてのドキドキ要素を持っていかれてただゴールまでを眺めるしかなかった。2頭は堂々、32秒9で追い込んで来たブエナビスタから逃げ切った。

クイーンスプマンテの1着は、もちろん見事だ。だが「一緒に逃げていたのが、舐められら結果出すテイエムプリキュアだったから」は多分にあると思う。

テイエムプリキュア
生涯37戦して「4-1-1-31」
GⅠ馬なのに1番人気で勝利したことは新馬戦を含めて1度もない。珍しいケースだと思う。(単勝回収率218%/複勝回収率156%)

ふり返れば‥
新馬の頃から馬体重30キロ増やして活躍してる。早熟じゃなかった。
新馬戦は、ドリームパスポート(皐月2着・ダービー3着・菊花賞2着の
クラシック大関級)から逃げ切ってる。間違いなく強かった。
今なお、テイエム一門の牝馬としては2冠馬・オーシャンに次ぐ第2位の獲得賞金。舐めちゃいけない存在だった。

「舐めていいことなんか1個もない」と教わった、
同時に「舐められてるとラッキーだ。プレッシャーなく自由にできる。見返せた時は痛快だ」とも教わった。
こちとら気づけば多くの人に舐められている。テイエムプリキュアになれる下地だけは十二分だ。

今年、「大人プリキュア」の放送が始まった。テイエムプリキュアがエリザベス女王杯で激走!2着したのはすっかり大人プリキュアになっていた6歳の秋だ。

これは・・舐められている大人を狙ってみるのもアリか?
ディヴィーナ(5歳)。
前走、府中牝馬ステークスを1番人気で逃げ切ったのに現在7番人気だ。舐められている。

ちなみに前走GⅡで1着していた馬の成績は好調だ。

エリザベス女王杯:前走GⅡ出走馬成績(過去10年)
GⅡ1着/2-2-1-9
GⅡ2着/2-1-0-7
GⅡ3着/2-1-1-6
GⅡ4着/0-0-0-5
GⅡ5着/1-2-1-6
GⅡ6着/0-0-0-2
GⅡ7着/1-1-1-7

今浪調べ

これは…
ディヴィーナが天高く羽ばたいて、最上よりも高い1着!
あると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?