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【インタビュー:NIYOCO(前編)】IMALAB との出会いを通じて生まれた変化、そしてこれからのNIYOCOが進む道とは

ユニバーサルミュージック / EMI Recordsで音楽ディレクターをしている今村圭介が立ち上げた新人アーティスト発掘の実験的プロジェクト「IMALAB(イマラボ)」。アーティストはもちろん、このプロジェクトに参加したいと集まった多くのクリエイターやスタッフたちとともに、構想から2か月半後の2020年9月28日に第1回オンラインライブ「IMALAB LIVE EXPERIMENT #01」を開催した。

「IMALAB LIVE EXPERIMENT #01」のトップバッターとして出演したのは、スリーピースのロックバンド・NIYOCOだ。彼らは視聴者にオンラインライブを「最前席」で観てもらいたいという思いから、スマホのカメラや意外な小道具を使った大胆な演出に挑戦。アグレッシブなパフォーマンスとの相乗効果で衝撃的とも言える映像が生まれた。

今回、このライブ映像があらためて公開されるということで、NIYOCOの3人にインタビューを実施。当時を振り返っての感想やIMALABの印象、そして今後の展望について語ってもらった。

やってやるぞ、という気持ちは変わらないんでいつも自信はあります、失敗ばっかりだけど

――僕も配信で「IMALAB LIVE EXPERIMENT #01」のライブを見させていただきましたが、すごくよかったです。あれから2か月半くらい経ったんですけど、あの日の感動、記憶は残っていますか?

川瀬(Vo./Gt):バッチバチ残ってます。 コロナで今までのようなライブができない中、お客さんが入ってない状態でオンラインライブをできたことはいい経験になりました。NIYOCOでやっていくうえでこれから先が見えるような、大きなライブだったのは間違いないです。

――ライブの視聴者も延べ3000人を記録していましたが、反響はありましたか?

川瀬:ライブを撮りたいと声をかけてくれた方がいたり、NIYOCOを知らないリスナーからも「NIYOCO良かったよ」とツイッターでメッセージをもらいまして。音楽好きなリスナーから反響があったことが一番嬉しかったです。

――僕も、今回のIMALAB LIVEで初めてNIYOCOを知ったんですが、こんなバンドがいるんだ、と刺激を受けました。そういうリスナーが増えたんでしょうね。カンタさんは振り返ってみてどうですか? 

カンタ(Dr.):そうですね、そもそもコロナの影響もあってライブ本数が減っているなかで、オンラインライブという形でいろんな人と関わりながら作れたことが楽しくて、内容もめちゃくちゃ良くて。しっかりと記憶に残っているし、個人的に何度も映像を見返しているくらいです。

末永(Ba.):僕も何回か見ましたね。すごい良かったです。

川瀬:小学生か(笑)

末永:リハーサルとかはめちゃくちゃ緊張しました。

――事件現場と言われるくらい、リハからものすごく激しかったと聞きましたが?

末永:リハでも本気でやったんですけど、本番でも熱量が落ちることなくやれたんですよね。あのリハの内容をそのまま本番で再現できるんだって僕もびっくりしました。

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――そこは無観客のオンラインライブと有観客ライブとの違いっていうのもありますかね?

末永:そうですね、全然違うと思います。オンラインだと、自分たちのイメージに近いライブができる気がします。お客さんがいると、一本一本が絶対違うライブになるので。

――今回のライブを経験して、ここは自分たちの強みだなと思ったところや、ここはさらに自信になった、ということはありますか?

川瀬:やってることは今までと変わらないですよね。俺らは基本的にこれからもそうだけど、伝えていること、伝えたいことは今までと変わらなくて。自信がついたか…うーん。やってやるぞ、という気持ちは変わらないんでいつも自信はあります、失敗ばっかりだけど。心の変化はあんまりわからないですね。自信がついたとか、なくしたとか、そういうのはあまりわからない。変化はない気がします、俺個人は。小さな舞台でも大きな舞台でもたぶん一緒な気がするんで。

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オンラインライブでも、「人」に向かって歌いたい

――今回、IMALAB LIVEの映像があらためて公開されるので、動画の見どころについて伺ってもいいですか?

川瀬:全部って言いたいんですけど、なんだろうなあ、見どころ…俺の顔じゃないですかね…(笑)俺はそれしか言えないもん。俺を見てほしいから。俺を見てほしい!としか言いようがないです。

――当日のライブでは無人のフロアに用意された一体のマネキンに向かって歌い、マネキンにセットされたスマホのカメラからライブ映像を配信する、という演出がありました。マネキンとのマンツーマンライブのアイデアはどこから?

川瀬:IMALABの今村さんたちとの打ち合わせで、オンラインライブといえども、ちゃんと立体化したほうがいいというか、人に向かって歌ったほうがいいというところから始まったと思うんですね。現場ではカメラに向かって歌うんだけど、「人に向かって歌う」ことを具現化したというか。一体のマネキンから何十人というものへ広げていくっていう。これは俺が言い出したというより、ライブの打ち合わせで話しているうちに、人の形をしたものを置こうというふうに自然にいきついたと思います。

――これまでにオンラインライブの経験はあったんでしょうか?

川瀬:個人での配信はありましたけど、ああやって舞台で、ステージに立って音響整えて、というのは初めてですね。

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――IMALABはメジャーレーベルでやっている主宰の今村さんや、カメラマン、その他様々なクリエイターやスタッフが集まってひとつのチームになっているところが特徴だと思うんですが、彼らと一緒にライブを作ってみての気づきや感想はありますか?

川瀬:単純に自分の意識や視野が180度って言っていいくらい変わりましたね。自分が音楽と向き合ってきたもの、音楽に対する視野がより広くなって。さらにまだ広くなるのかなというワクワク、ドキドキ。そういう感覚は今まで感じたことがなかったです。

――視野が広がるというのはいいですね。ではIMALABを主宰する今村さんについてはどうでしょう?

川瀬:ええ?今村さん…今村さんはなんだろうなあ。かわいい…。

カンタ:ふふふ(笑)

川瀬:かわいい顔してて…。

――どうですか?いわゆる今までの業界の人とは違う、とか。

川瀬:今村さんとの出会いはありがたいし、感謝している人ではあるんです。でも俺が曲を歌って、それを今村さんが聴いて、今村さんがNIYOCOかっこいいなあって言っているときは今村さんも俺にとってリスナー、自分の曲を素直に受け取ってくれる人なんですよね。なんて言えばいいんですかね、ディレクターとバンドマンの間柄じゃないというか。

――人と人、みたいな? 

川瀬:そうですね。俺が歌ってそれを褒めてくれると単純に嬉しいし、もっとこうしたほうがいいんじゃない?って言われたら悔しいし。んー…やっぱかわいい顔してますよね(笑)

カンタ:結局(笑)

――先日インタビューしたblondyの陸くん(Vo./Gt)は今村さんのことを「サッカー部の監督みたい」って言ってました。

カンタ:あーわからなくもない。

川瀬:サッカー部の補欠っぽいですけどね(笑)

>>>後編へ続く

インタビュー:遊津場/文・構成:ほしのん
ライブフォト:クマタマサアキ


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