16. 『希望の歴史』
これからますます「風の時代」が強まって行く時代を迎えて、天秤座はまさに羽化のときを迎えているということができます。
天秤座は、風のサインです。今まさに始まっている「風の時代」には、今までの「土の時代」にはストレートにその良さを発揮しずらかった天秤座が、のびのびと羽を広げる時代となります。
その夜明けはまだ完全に明けきっていないけれど、夜明けの気配が充分に高まっているときを迎えているということができるでしょう。
一般的には天秤座は「他者との出会い」「人間関係」「パートナーシップ」を表わすとされています。この天秤座が表す「他者」とは、つまり「自分以外の人」のことを指します。この「自分以外の人」をどのような人たちと捉えるか?ということが、今、地球上で、大きく変わろうとしていることが感じられます。
たとえば、わたしが先ほど読み終わったばかりの、『Humankind 希望の歴史』という本にも、まさにそのことが書かれていて、あぁ、今は人が人をどのようにとらえるかが大きく変わっているのだなぁと、感じさせられました。
この本は発売されるなり、オランダ本国だけで25万部のベストセラーを記録して、世界46ヵ国で翻訳が決まったそうですが、上・下巻をあっという間に読み終えて、わたしも「この本はぜひ、たくさんの人に読んでもらいたい!」と心の底から思いました。
天秤座の支配星は金星ですので、天秤座は他者を「善き者」として感じたい本質があるのだと思います。そのような姿勢がストレートに生かされてゆく世界が、これからやって来ようとしているのだと思います。近代化が始まって以来、人間の社会は、今までがあまりにもそうでは無さ過ぎました。
「世の中のおおかたの人たちは、みんな良い人だ」というような言葉は、この本にも何度が出てきますが、私が一番最初にこの言葉を目にしたのは、シュタイナー関係の西川隆範さんの本の前書きの中ででした。それはもう30年くらい前のお話ですが、今でもこうやって思い出せるくらい、その言葉と出会ったことは衝撃的でした。なぜならその当時は、誰もそのようなことは言っていなかったからです。
少し前に比べたら、今ではずいぶんと、この美しい地球での生活を楽しむ人たちが増えてきました。この変化もとてもうれしいことのひとつです。これからは、きっと、この地球上で素晴らしい人間たちと生きることによろこびを感じる人たちが増えて行くことでしょう。