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魚座29度「プリズム」

マーク・エドモンド・ジョーンズの魚座29度のサビアンシンボルは、A prism.「プリズム」。

ディーン・ルディアはこの魚座29度のサビアンシンボルを、Light breaking into many colors as it passes through a prism.「プリズムを通った光が多彩な色光に分かれる」と言い換えました。

もともとのジョーンズのサビアンシンボルは、「プリズム」という名詞単体の表現であるわけですが、ルディアは、プリズムが持つ特質のどのような要素がこの度数にふさわしいのかを、わかりやすく書き加えているということができます。

プリズムと呼ばれる三角柱の形したガラスを通過すると、太陽の自然光は色とりどりの光の層に分かれます。「虹の7色」と言うように、古来より、この光の層には7色があるとされてきました。つまり、太陽光は7つの色に分かれることになります。

しかし、実際にプリズムの分光や虹を見てみると、確かに、そこに赤色から紫色までの色彩のグラデーションを見い出だすことができますが、「それでは、見える色の名前をひとつずつ言ってみましょう」となったときには、あんがい誰もが難しいと思うことでしょう。

プリズムの光にしろ虹にしろ、デリケートに次の色彩に移行して行くので、そこにいくつの色があるのか数えることは、実際には難しいのです。それではどうして7色ということが定着しているのかというと、古来からヨーロッパなどでは、7という数字を神聖なものとする考え方があったから、というのがその理由のようです。

プリズムの分光にしても虹の色にしても、自然界のものは「地続き」になっています。たとえば「夏の山」に一歩踏み行ってみると、そこには緑色の植物たちが絡み合って連なっているのが見えると思います。

人間は、知性のパワーを使って、その植物の種類ひとつひとつに名前を付けて、切り分けることもできます。しかし、実際にはこれらの植物たちの生存は絡み合って、どこからどこまでがその一つの種の植物であるのかは、そのひとつひとつを切り離してみないことにはわかりません。

このような絡み合いの関係性を、「茹でたスパゲッティー」が絡まっている状態に例える人もいますし、「カオス」と呼ぶ人もいます。

「茹でたスパゲッティー」のように、何がどのように関連し合っているのか一目では分からない状態、「カオス」な状態、そしてまた境界線があいまいでハッキリしていない状態などは、すべて魚座の特質ということができます。

ところが、この魚座29度のドデカテモリーは水瓶座になるのですが、この水瓶座は魚座と違って、もっとハッキリとした性質を持っています。

風のエレメントの固定宮である水瓶座のことを説明するのに、私は良く「ジャングルジム」の例えを使うのですが、水瓶座はジャングルジムのように、風通しは良いのですが、しっかりとした金属製の立方体の形のマスのような構造や仕組みを持つという特質があります。

水瓶座が持つこの構造や仕組みは、たとえば7つの曜日のように、実際には目で見たり触ったりすることはできない「形無き構造」であるのですが、でもしっかりと構成されていて揺るぎません。

つまり、魚座の未分化なカオスの中で、揺るぎない構造や仕組みを持つ水瓶座の性質が生きている様子、それを象徴的に描いているのが「プリズム」ということができます。

自然光という、全ての光の色を含んである意味「茹でたスパゲッティー」状態になっている太陽光を、まるで水瓶座の「ジャングルジム」のように、プリズムというガラスの小さな三角柱が、構造や仕組みを分化させている、ということになります。

そして、このサビアンシンボルの度数である29度は、一つのサインの中での終盤に位置し、一つ前の28度において次のサインへの引っ越し先が決まり、この29度において、移動するために必要な準備を始めると言われています。

そして、この魚座にとっての次のサインは牡羊座になり、その間には新たな始まりである春分点が存在します。魚座から牡羊座は、らせん状に続いて行く一続きのエネルギーの流れではありますが、春分点とはその2つを分けるゲートになっていることの確かです。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、次の世界に移行するときには、虹色光の橋を渡り、次の世界に移行して行くことをイメージすると良い、ということがわかります。

そのような、大きな変化を移行するときに、突然バサッと切り替わるのはあまりにも差が大きくて大変ですから、その間に移行をスムーズにする虹の7色の橋があることをイメージするイメージワークをするだけで、大きな移行がしやすくなるということができるでしょう。

魚座29度 今季洋