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牡牛座03度「クローバーが咲いている芝地に足を踏み入れる」

マーク・エドモンド・ジョーンズの牡牛座03度のサビアンシンボルは、Step up to a lawn blooming with clover.「クローバーが咲いている芝地に足を踏み入れる」。

ディーン・ルディアは、この牡牛座03度のサビアンシンボルを、Natural steps land to a lawn of clover in bloom.「開花した三つ葉の芝に自然な歩みで入り込む」と言い換えました。

細かい英語の言い回しには違いがありますが、この二つのサビアンシンボルが表しているのは、ほぼ同じ内容ということができます。

あえて違いをクローズアップするとしたら、ルディアのほうでは、steps と「歩み」が複数形となっていることと、そこに natural 「自然な」という言葉が加えられているということができます。

そして、この natural 「自然な」という言葉は、牡牛座が持っている特質をあらわす重要なキーワードの一つであることに気が付きます。

この度数のドデカテモリーは、度数前半が牡牛座で、度数後半が双子座になります。

度数前半のほうは、牡牛座サインの中のドデカテモリー牡牛座ということで、牡牛座の要素がピュアに強まっていることになります。

ギリシア神話のほうでは、「牡牛座」というのは大神ゼウスが王女エウロパをさらったときに変身した、雪のように白い牡牛の姿と伝えられていて、また、ヨーロッパという呼び名は、こに登場する「エウロパが上陸したところ」という意味で名づけられたもの、ともいわれているそうです。

そして、「クローバー」というのは、この「牛」と深いつながりのある植物で、牝牛がたくさんクローバーを食べると、良質なミルクがたくさん出る、そのおかげで、人々も豊かに暮らすことができることから、クローバーは「豊かさ」や「幸運」のシンボルとなってきました。

そして、度数後半のドデカテモリー双子座のほうは、このサビアンシンボルの中では「歩む」という言葉で表されていることになります。

双子座サインが持っている象意の中には、小さな子どもが好奇心などに導かれて、自力でどこまで歩けるのか試してみているようすが含まれているのです。

このサビアンシンボルの度数である03度には、「発展・生産性」という意味合いがあります。タロットの大アルカナ「03.女帝」のカードが持っている意味合いもそうであるように、与えられた豊かさを喜びを持って受け取る姿勢を、このサビアンシンボルからは読み取ることができます。

そして、また、3という数字には、1と2の調停的配合という意味合いもあります。これは、1と2がそれぞれ「陰陽」などの対極の意味を持つことから、その次に来る3は、その対極を調停するということを表わしています。

そこで、この牡牛座03度までの流れを見てみると、次のようになります。

牡牛座の場合の01度は「清らかな山の小川」で、この小川は、もうひとつ前の度数である牡羊座30度の「アヒルの池とそれが育む子どもたち」の池から流れ落ちているとされています。このアヒルの池は神話的な山の上にあるとされていますので、牡牛座01度の「清らかな山の小川」は、天上からの落下が描かれていることになります。

そして、その次の牡牛座02度「電気的な嵐」のサビアンシンボルは、まさしく、それに対する地上から天上へのリアクションが描かれていることになります。これは、昔の日本人が雷を稲光(いなびかり)とも言って、雷が稲の豊作と関係があるとしたことなどとも関連しているということができるでしょう。

その次に来るのが、この牡牛座03度となります。ルディアも自身の著書の牡牛座03度の記述の中で、「電気エネルギーによって活性化された渓流の清らかな水は、小さな花で覆われた土壌を肥沃にすることができます。」と書いています。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くためには、生まれ落ちたときに、もうすでに与えられている物を受け入れて、それを守り継続する生き方をすると良いということがわかります。

それは、先祖たちが守り継続してきた生き方かもしれませんし、または、持って生まれた遺伝的な特質かもしれません。

いずれにしましても、肉体や五感を持ってこの地上に生きることを味わいながら、それを堪能して行くことで、豊かさに満たされた人生となることでしょう。


牡牛座03度 今季洋