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牡牛座30度「古代の芝地をパレードする孔雀」

マーク・エドモンド・ジョーンズの牡牛座30度のサビアンシンボルは、A peacock parading on an ancient lawn.「古代の芝地をパレードする孔雀」。

ディーン・ルディアは、この牡牛座30度のサビアンシンボルを、A peacock parading on the terrace of an old castle.「古い城のテラスで行進している一匹の孔雀」と言い換えました。

二人のサビアンシンボルともに A peacock と書かれていますので、ここでは、「一匹の孔雀」がパレードしていることに気が付きます。しかし、一匹でパレードというのも、少しおかしな感じがします。たいていパレードというと、複数の人たちの行進のことを指すように思えるからです。

そこで、「パレード」という言葉の意味をあらためて調べてみると、パレードとは、「正式な行列のこと、または派手な方法で公の場で歩いたり行進したりすること」となっています。

そして、英単語のほうも詳しく調べてみると、parade には、行列や行進のほかに、「知識や富などを見せびらかす・誇示する、自分を見せびらかすために〈…を〉歩き回る」という意味もあることがわかります。

ですので、こちらのほうの意味でこの英文を訳してみると、ジョーンズのものは「自分を見せびらかすために 古代の芝地を歩き回る 一匹の孔雀」。ルディアのものは、「自分を見せびらかすために 古い城のテラスを歩き回る 一匹の孔雀」というようになることがわかります。

そして、このジョーンズとルディアの二人のサビアンシンボルでは、孔雀がパレードしているのが、 an ancient lawn 「古代の芝地」なのか、the terrace of an old castle 「古い城のテラス」なのか、に違いがあることになります。

この「古代の芝地」にしろ「古い城のテラス」にしろ、その場所は、過去に繁栄した時代があったことを彷彿とさせる表現となっている、ということができます。

そして、それが一体いつ頃なのか?については、ジョーンズが使っている ancient 「古代の」という言葉から考えると、神話的な昔と考えることもできることになります。

この「神話的な原初」のというニュアンスがどこから出てきているかというと、あんがい、この度数のドデカテモリーが牡羊座にあることからきているのかもしれません。牡羊座は、物事の始まりを表わすサインで、まだ肉体に着地する以前のエネルギーを持っているサインですので、神話的な性質というものをそこに読み取ることができるのです。

そして、牡羊座は「個」をあらわすサインでもありますので、それもあってこのサビアンシンボルに出てくる孔雀は、一匹で描かれていると考えることもできることになります。

「孔雀」という生き物は、縄張り意識がとても強い性質を持っていて、住人が住まなくなった後も、長くそこに留まり続けるそうです。そして、孔雀は、侵入や危険を感知するとけたたましい鳴き声を上げることから、インドでは番犬代わりに利用されてもきたとのこと。

これらの孔雀の性質は、「所有」を表わす牡牛座サインに、ピッタリと重なる性質でもあることに気が付きます。牡牛座は「土地」もふくめ、「物」を自分の所有物として、そこに境界線を引く性質を持っているということができるのです。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、これまで持っていた価値を見直して行くことがお勧めということができます。

30度という度数は、これまで長く親しんできたそのサインへの執着から離れるために、サインの性質をすべて吐き出す性質を持っています。

このすべて吐き出す様子は、孔雀が「見せびらかしている」ところに表現されているといえます。孔雀は、これでもかというくらいに、自身の美しさを見せびらかして歩いていることになります。

これまでの牡牛座であったら、自分が所有しているものに対して価値を認め、それを保持することにエネルギーを使ってきました。

しかし、この30度においては、その価値自体が無意味化されるわけですが、それは、次に行くための大切なステップとなっていることがわかります。


牡牛座30度 今季洋