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魚座11度「光を探している人々」

魚座11度のマーク・エドモンド・ジョーンズのサビアンシンボルは Men seeking illumination. 「光を探している人々」。

ここにはスピリチュアルな光を求めている人達が描かれていますが、このサビアンシンボルにおける、一つのポイントは、ここに描かれているのが man ではなくてmen と複数形になっていることです。つまり、ここでは、一人で「光を探している」のではなくて、何人かの人たちと「光を探している」ことになります。

この度数のドデカテモリーは蟹座となります。このことを考慮に入れると、ここでは同じ神聖さに共感する者達がやがて集まって行って、ひとつのファミリーのような関係性が出来て行くことが想像できます。

仏教のほうでは、そのような関係の団体のことを「サンガ」と呼ぶということを耳にしたことがあります。「仏・法・僧」というのは、仏教の教えを守るための大切な柱であるわけですが、それだけでなくて、この「サンガ」というものも、生きた教えを守るために大切な役割を果たしているといわれているようです。

このような、スピリチュアルであったり宗教的である集団の形成の仕方は、ずいぶんと時代と場所によっても変化してきました。教祖と教団の形が固定化されることの弊害を嫌って、ルドルフ・シュタイナーは、個人でもスピリチュアルな教えを学べる方法を、考案して取り入れて来たともいわれています。

ディーン・ルディアはこの魚座11度のサビアンシンボルを、Men traveling a narrow path, seeking illumination.「啓示を求めて細い道を旅する人々」と言い換えました。

もともとのジョーンズのサビアンシンボルと比べると、ルディアのほうには「細い道を旅する」という表現が加えられたことがわかります。

ルディアは自身の著書の中で、「人間の素晴らしさは、いつでも『より素晴らしくなれる』ということです。」とした上で、「もしその人が必要な条件を満たしさえすれば、その人は『年上の兄弟』を見つけることができます。」と書いています。

そして、その「年上の兄弟」は「すでにより高いレベルの意識を獲得していて、彼らが到達したことと光とを、その人に譲り渡してくれます。」とも書いています。

ルディアの時代には、この「ブラザーフッド」の概念が、スピリチュアルの世界で花開いた時ということもできるのかも知れません。とくに1948年からのおよそ8年間は、トランジットの天王星は蟹座にありましたので、蟹座の天王星は「ブラザーフッド」の考え方に共鳴しやすい考え方をもたらしたということができます。

そしてルディアが書いている、先ほどの「年上の兄弟」についてのことは、この次の魚座12度のサビアンシンボル「新参者たちの試験」へと、続き絵のように繋がって行くことになります。

10という数字が表しているのは現在の現状であり、11が表しているのは未来の夢とも言われています。11は、未来から吹いてくる風に意識を向ける数字といえます。とくに柔軟宮の11に共通した要素としては、突破体験を通じて、それぞれのサインらしい方向性で、目標達成に向かう姿勢を表していると言われています。

それが魚座にある場合には、より大きな世界に向けて、突破口を探そうとする姿勢を表わすことになるわけです。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、同じ神聖さに共鳴する人々のネットワークに属すると良いということがわかります。

そこでは、世間からは見えない秘教的な道のりを探したり、亜空間に古代からずっと封印され続けているような、究極の知恵を求めたりすることでしょう。

ひょっとしたら、それらの教えを日常生活に定着させるための、ワークにいそしむかもしれません。

いずれにしましても、それらの時空間を超えた知恵に繋がることで、その気心知れた仲間たちと一緒に、未来への新たな扉を開いて行くことになります。


魚座11度 今季洋