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魚座15度「部下の訓練を準備している将校」

魚座15度のマーク・エドモンド・ジョーンズのサビアンシンボルは、An officer preparing to drill his men.「部下の訓練を準備している将校」。

ディーン・ルディアは、この魚座15度のサビアンシンボルを、An officer instructing his men before a simulated assault under a barrage of live shells.「本物の砲弾を使った放火射撃の前の仮想訓練で、将校が部下を指導している」と言い換えました。

もともとのジョーンズのサビアンシンボルでは、将校は部下の訓練の準備をしていることしかわかりませんが、ルディアはそこに before a simulated assault under a barrage of live shells.「本物の砲弾を使った放火射撃の前の仮想訓練で」という表現を加えたことになります。

これらの表現を加えた理由の一つには、この度数のドデカテモリーが獅子座にあるからといえます。獅子座は火のエレメントに属するサインですので、火を使った訓練とはリンクし合うことになります。そして、もともと戦争をふくめて「戦うこと」は、火のエレメントに属する象意となるわけです。

このサビアンシンボルには officer「将校」という人物が登場していますが、魚座の中には、もう一つ officer「将校」が出てくるサビアンシンボルがあって、それは06度の「正装して行進する将校たち」になります。

officer「将校」を調べてみると、少尉以上など権限のある地位にある軍人で、部隊指揮官としての任にあたっている人などを指す言葉のようです。どうして魚座の中に、2つも軍人が登場するサビアンシンボルがあるのかというと、魚座が持っている「献身・奉仕・自己犠牲・救済」などの性質に、軍人の存在がマッチしているからと考えられます。

また、獅子座サインと「将校」との組み合わせからは、そこに、威風堂々としたカッコ良さや、あこがれの存在として目立つようすなどを見ることができるでしょう。

このサビアンシンボルの度数である15度には、自分の確信を外界に押し出して行く性質があるとされています。それでは、ここで将校が部下たちに伝えようとしている、自分の確信とは何かを推測してみると、やはり、このサビアンシンボルのもともとのサインが、魚座にあることに思い至ります。

ここに描かれているのは軍事訓練なので、実際の戦いではなくてシュミレーションやリハーサルなわけですが、その背景にどのくらいの緊迫度があるのかは、その時の社会情勢によって変化して行くことになります。

命がけで戦地に赴くようなことも、過去の歴史の中ではたびたび起こってきました。戦争のリアル度が近づくにつれて、心理的な緊迫度も高まって行くことが推測されます。

そのような状況の中では、心のよりどころをどこに置くのかということこそが、15度の将校が部下たちに伝えようとしている自分の確信なのではないかと思えてきます。

このサビアンシンボルが魚座にあることを考えると、それは、神聖な大義名分でまとめられたものであったり、人を魅了するくらいの光輝くピュアな精神であったりする可能性があります。人間の死への恐怖はとても強いものがありますから、それに打ち勝つことができるくらい、すてきなもの、魅力を感じられる必要性があることになるわけです。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、精神的な神髄や価値を他者に伝えて行くにはどうやったら良いのかに、フォーカスすると良いことがわかります。

その一番大切な精神的な神髄は、なかなか言葉で言っても、相手に伝わりにくいものであるかもしれません。共に過ごす時間の中で、以心伝心的に伝わるしかないのかもしれないとも思えます。

このように考えて行くと、この魚座15度の将校は、厳しいだけの人ではなくて、人を虜にするような思いやりや優しさ、そしてまたひょっとしたら憧れを感じるようなカリスマ性を持った人である可能性は高いといえるでしょう。


魚座15度 今季洋