年始USJひとりぼっち

2018年の年始は、実家から東京に戻る途中、初めてユニバーサルスタジオジャパンに行った。電車を乗り継ぎ、到着した時にはもう夕暮れ時だった。

私は中で友人と待ち合わせをしていたが、中に入ったら、友人と連絡が取れなくなった。

仕方ないので、一人で端から端まで園内を一通り見物した。それでも連絡がつかなかったので、一人でノンアルコールビールを飲み、フライドチキンを食べた。購入する際、レジの人が親しげに話しかけてきてくれた。USJは、園内で労働する人すべてが親しげで、でも嫌味がなく、おしなべて親切だった。

私は美しいUSJの暮れていく風景を眺めながら、友人からの連絡を待ったが、なかった。ふと思い立ち、インスタライブをやってみたけれど、3人しか見てくれなかったし、3人とも一瞬で退散してしまった。悲しかった。

仕方ないので、乗れそうな乗り物を探してみた。会社の上司から「USJはお金を積めば、いくらでも乗り物に乗れる」と聞いていたが、お金を積んだらどうにかなる時間帯は終わっているようだった。

ジュラシックパークのウォータースライダーと、ドリカムの曲に合わせて走る室内コースターが、並んだら乗れそうだったので、並んで乗った。後者は二人がけで、係の人から小学生の女児と相席を求められ、承諾した。乗車時、微妙な空気が流れたが、先方は最終的には楽しんで乗っていたし、私も楽しかった。

乗り終わって、ようやく友人から連絡があり、園の外で合流した。私のUSJ体験は一人きりのまま、幕を下ろした。寒かった記憶だけが残った。鶴橋で焼肉を食い、味園ビルで一杯だけ飲酒し、新大阪のビジネスホテルに帰った。

ビジネスホテルは、マンションを改装したビジネスホテルで、たまに夕方のニュースで目にする、強制労働者が狭い部屋に住まわされている様子に、なんだか似ているなと思った。

今年はいい年にしたい。


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