ぬれ煎餅屋の上にある駅直結型のコワーキングスペース⁉︎ ウェルビーイング犬吠駅内で1日仕事してみた
訪問時期: 2021年6月末
今回は千葉県銚子市、銚子電鉄の犬吠駅にあるコワーキングスペース「ウェルビーイング犬吠駅内」を訪問したときのレポート。
これまで様々なコワーキングに訪問しましたが、地方ローカル線の駅に直結するコワーキングスペースは初めてです。
スペースの名前は「WB(ウェルビーイング)犬吠駅内」。
駅のある銚子電鉄は、その名の通り銚子駅から外川駅までを結ぶ、千葉最東端のローカル線。銚子電鉄は万年赤字で経営が苦しく、これまでもぬれ煎餅やグッズの販売で利益を上げたり、他企業とのコラボ電車を走らせたり自主制作映画を上演したりと様々な収益化の取り組みを行っています。
最近は、株主総会で筆頭株主から廃線にすべきという発言が出て話題にもなりました。
実はその収益化のための事業として、このコワーキングスペースも運営されているようなんですね。
アクセス
場所は銚子電鉄犬吠駅徒歩0分、犬吠駅までは銚子電鉄の銚子駅から20分ほど。周辺には犬吠崎灯台などの観光スポットがあります。
銚子までは東京駅からJRの特急しおさい号で2時間です。この投稿とは別に、しおさい号の乗車レポートも書く予定なのでそちらもあわせてご覧ください。
料金
ウェルビーイングの利用料金は1時間あたり500円。
8時間滞在だと4,000円になるので、一般的なコワーキングの1dayプランなどと比べるとちょっと割高感がありますが、まぁ観光地価格だと思えば決して法外な額ではないでしょう。
何より、もうすぐ廃線になるかもしれない銚子電鉄の駅でテレワークしたというのは今しかできない経験です、むしろ銚子電鉄さんを応援する気持ちで利用しましょうね(笑)
利用方法
ウェルビーイングのポータルサイトから30分単位でオンライン申し込みができます。
ただ決済のシステムはないようなので、支払いについてはWBからの折返し連絡を待つ必要があるようです。
(※ここから私が遭遇したトラブルについて記載しています。現在は解消されている可能性がありますが申し込み時は参考にしてください。)
利用の1週間前にサイトから予約したのですが、前日になっても確認連絡がありません。そこで予約メールに記載の電話番号にかけたところ、なんと電話が不通!
「まさか倒産してしまった...?」と思ったのですが、諦めずにウェルビーイングの公式ホームページから番号を調べてかけ直したところ無事につながりました!!
聞けばメール記載の番号が間違っていたとのことで、クレカ支払いはできないため当日駅の窓口で現金で支払ってくださいとのこと。とりあえずはワーケーションが中止にならず一安心でした。
訪問レポート
それではワーケーションの様子をレポートです。
銚子電鉄に乗るために駅へ向かいます。
観音駅から乗車、駅名のイメージとは異なり駅舎は洋風ですね。
外川行きの電車に乗ります。銚子電鉄はSuica/Pasmoは使えません。
お金がないため、お古になった電車の更にお下がりを格安で譲り受けた車両なのだそうですが、窓枠や木製のつり革など内装はなかなか素敵です。
平日の地方ローカル線は、やはり空いています。
沿線一帯にはトウモロコシ畑が広がります、海風を当てると育ちが良くなるのでこのあたりではよく作付されているそうです。
銚子駅から10分ほどで、目的地の犬吠駅に到着です。
2階建ての立派な駅舎で、1階には名物ぬれ煎餅を始めとしたお土産を販売するお店も入っています。お賽銭箱も置かないといけないくらい、財政難で大変なんですよね...
さて特にコワーキングに関する案内や目印らしきものがありませんが、切符売り場で聞いたところここが受付だそうで、なんと駅員の方に支払と部屋の案内をしていただきました!
駅員さんは1人勤務ですので、次の電車が来るまでにタイミング良く声をかけましょうね。
案内されたのはお土産屋の向かいにある駅の倉庫のような場所。
その奥には2階へと続く階段が... 秘密の場所に案内されているようでワクワクしてきます!
2階はコンクリづくりになっているようです。
そして到着したこちらが今日の作業場所、ウェルビーイング犬吠駅内です!!
聞けば今年オープンさせたばかりなんだそうで、乗ってきた列車や駅のレトロさとは打って変わって、モダンできれいな作業スペースですよね!
1人席が4つにロングテーブル(2席分)、ソファ(2席)でMAX8名という感じ。
1人席の壁にはコンセントがありますので通常の作業には困らないでしょう。
ちなみにこの部屋は土足厳禁、入り口で靴を脱いで入ります。
ソファーの横にはYogibo、疲れたらダラッと腰掛けて休憩できます。
机の広さはこんな感じで、1名席としては十分な広さです。
壁側の各机には2口コンセントが1つずつ付いていますので給電にも特に困らないかと思います。机の上にタップがあって使いやすいですね!
椅子にリクライニングなどはありませんが、クッション性があって座り疲れるということもありませんでした。
廊下との壁に窓があり、一方向に座席を向けているのは電車をイメージしているのでしょうか?
廊下のテラス席からは、犬吠駅のホームと電車が見下ろせます。
備え付けの設備としては、ティッシュとUSB式のマイク付きイヤホンが1つだけ、会議用のブースなどはありません。
駅の無料Wifiを案内していただいたのですが、残念ながら回線速度がかなり貧弱で仕事には使えませんでした(泣)
参考までに測定した回線速度を載せておきますが、PCでの作業にはぜひテザリング機器も持参することをおすすめします。
10:30頃の計測結果。下り4.5mbps、上り0mbps。
16:00頃の計測結果。下り1mbps、上り0mbps。
見たところ観光者向けのWifiのようでしたが「コワーキング」と言うのならWifiはもう少し頑張ってほしいなぁと個人的には思ったところです。
壁には昔の銚子電鉄で走っていた機関車の写真。鉄道写真が飾られたコワーキングなんていうのもなかなかお目にかかれないのでは?
室内のデジタル時計だけがやけに近代的。
このコワーキングスペースがある2階は元々「中井精也ギャラリー」という名前で、昭和のころの銚子電鉄を撮影した写真が壁一面に展示されていました。
訪問時点では新型コロナウイルスの影響か公開を中止しているようでしたが、コワーキングの利用により見られたのでとてもラッキーでした。
部屋の入口にあったオフィス紹介のボード。「木造平屋オフィス」と書かれているので、以前はここじゃないところにあったのでしょうか?
とはいえ同じ名物グルメや観光スポットはここでも楽しむことができます。
そろそろお昼なので、食事と散歩にでかけます。
駅のはす向かいには寿司と海鮮料理のお店、島武さんがあるので昼飯もとても便利! せっかくなので今回はお寿司をいただくことにしました。
銚子はどんな魚もとにかく美味しいのですが、ここで食べていただきたいのは伊達巻きです! 銚子の伊達巻きはこのように厚みがあり、ほぼ巻いていません。形だけでなく味も絶品、ぜひお試しあれ!
寿司を食べ終わってまだ時間があったので、犬吠埼まで歩いてみることに。横に壮大なさざなみの景色を見ながら10分程で到着です。
昼休みに犬吠埼を観光するとは、なんという贅沢でしょうか!
名物の白いポスト。灯台の中までは見学する時間がなかったのですが、周囲を散策するだけで十分楽しむことができました。
ではウェルビーイングに戻って仕事を再開です。
1階の売店でおやつ用にぬれ煎餅も購入しました、1枚単位で買うことができます。
塩加減と甘さがなかなか良いバランス。
コワーキングを含め、駅は全体的に17時までの営業のようです。17:00以降も電車は来ますが駅は無人となります。
気づいたらあっという間に17:00が迫っていました。
私はもう少し仕事が残っているのですが、駅員の方に迷惑がかからないように退室しなければなりません。
終業が近づくと階段下が物置状態に... ちなみにこのパネルは銚子電鉄社長の竹本さん。
地球が丸く見える丘の展望台で作業続行
まだ日が高く登っていますが、犬吠駅では仕事ができなくなったのでとりあえず移動します。
調べたところ、近所にある「地球が丸く見える丘」の展望台にあるカフェが作業スペースとして使えそうだったので、丘の上を目指し山登りすることに。
丘に登るとこの景色! 晴れていて本当によかった!
徒歩15分ほどで到着したこちらが「地球が丸く見える丘」の展望台。日没まで開館しており、この日は夏至が近かったので19時まで開いていました。
大人420円で入館できます。
展望台で太平洋と屏風ヶ浦に沈む夕日を見ながらもうひと仕事。こちらも利用者は私以外ほぼ誰もいませんでした。
もっともここはウェルビーイングとは違って観光スポットであり、本来仕事用のスペースではないのでその点はお忘れなく。
軽いデスクワークくらいであれば問題ないかと思います。
売店が開いていたので銚子サイダーとメロンまんじゅうで脳に糖分を補給します。
18:30頃には無事仕事が終わったので、屋上の展望台で景色を見て銚子駅に帰ります。
遠くが曇っていて日没は見ることができませんでしたが、これだけ晴れているというだけで十分立派な景色だと思います。
閉館後は下山して犬吠駅まで戻りました。
ちなみに犬吠駅近くで夜に空いているお店は駅前のセブンイレブン1件のみ! さらに夜は電車も少なく、下手すると1時間近く待つことになるうえ終電も早いので、帰りの電車とJRへの接続はよく調べておきましょう!
まとめ
今回はウェルビーイング犬吠駅内でワーケーションをしてみましたが、銚子の主要観光地への近さやローカル線の駅ナカという立地が大変おもしろいコワーキングスペースでした。
目の前に寿司屋があって地魚が食べられたり、1階の売店でぬれ煎餅をはじめとした軽食類・銚子のお土産が買えるというのも魅力的なポイントかと思いました。
一方で、Wifiスピードや退室時間の早さなどはコワーキングとして改善の余地があると思うので今後に期待したいところですね!
また仕事の隙間時間で観光するには明らかに時間が足らないので、ちゃんと観るなら宿をとる方が良いかと思います。 (実際自分もそうしました)
おそらく関東最東端のコワーキングでもあり、本当に面白い場所なのでぜひ一度行ってみてほしいです! これをきっかけに今後1人でも多くの方が訪れて銚子電鉄が存続すること、そして銚子の街が発展することを願っています。
(おまけ) 犬吠駅にある桃鉄の貧乏神の石像。頭に犬が乗っていて「貧乏が居ぬ」ということらしいです。
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