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自分の歩くペースを知ろう

自分の歩くペース(=自分の脚力)を知ることはとても大事です。
計画を立てる際の目安になり、行動中の予測になり、いざという時の判断材料になるからです。
ぜひ把握しておいてください。

そもそも「歩くペース」って?

時々ゼェーゼェーハァーハァーとものすごく息を切らして登っている方に出会います。
これは完全にオーバーペースです。
これでは疲労、脱水、熱中症、高山病、病気、転倒など、様々なリスクが高まります。
そもそも歩くペースというのは「おしゃべりができる程度のペース」です。

歩くペースを知る方法

自分の歩くペースを知るには3つの方法があります。
1.標準コースタイムの何倍か?
2.1時間に何m登れる(下れる)か?
3.1kmを何分で歩けるか?

まずはこの3つそれぞれについて、自分の実力を知っておいてください。
実際にはこれらを組み合わせ、総合的に判断する形になります。

標準コースタイムの何倍か?

時々「◯◯まで何分」と表示されていることがあります。
あるいは登山地図には「どこからどこまで登り◯分、下り◯分」というのが記載されています。
この標準コースタイムに対して、「自分の歩くペースは何倍か?」(0.9倍とか1.1倍とか)をいつも意識して、実力の把握に努めてください。
もちろん息を切らして登っては意味がないですし、標準コースタイムには休憩時間が含まれていないことも忘れてはいけません。

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登山地図に載っているコースタイムとは「①40~60歳の登山経験者②2~5名のパーティー③山小屋利用を前提とした装備④夏山の晴天時」を元に設定されています。体力があってスムーズに動けるパーティー、荷物が軽く、順調に歩いた場合、ということがわかります。もちろん休憩時間は含まれていません。

1時間に何m登れる(下れる)か?

1時間に何m登れる(下れる)か?」(200mとか300mとか)も非常に大事な指標になります。
「標高差が何mあるから、だいたい何時間かかるな」とざっくり見積もれるからです。
また登山地図に載っていない山に行く際には、そもそも「標準コースタイム」がわからないので、この数字が特に大事になってきます。
もちろん勾配によってペースは変わってきますし、歩きやすい道なのか岩場なのかによっても違ってきます。
山に登る度に「どのくらいの斜面は、どのくらいのペースで歩けたか?」をいつも振り返り、自分の実力を把握する習慣をつけてください。

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1kmを何分で歩けるか?

1kmを何分で歩けるか?」(30分とか40分とか)も参考になります。
「どこどこまで何kmあるから、だいたい何時間かかるな」とざっくり見積もれるからです。
もちろん勾配によって大きく変わってきます。

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常に自分の実力を把握する

勾配や難所具合によって、歩くペースは大きく変わってきます。
それらが反映されている「標準コースタイム」をベースに、何倍かを知っておくことが一番精度が高いでしょう。
ただし、登山地図に載っていない(標準コースタイムがわからない)山の場合には、標高差と距離から総合的に推測する形になります。
この場合、次のように計算する方法があります。

時間=(距離1kmあたりの所要時間)+(標高差100mあたりの所要時間)

例えば
距離1kmあたり15分
登り標高差100mあたり15分
下り標高差130mあたり15分

とすると、「距離2km、標高差500mの登り」にかかる時間は
(距離15分✕2)+(標高差15分✕5)=105分
となります。
山行の度に記録をつけて、自分のペースを求めてみると、この計算でかなり精度よく見積もれるようになります。
常に見積もり→検証を繰り返して、自分の中での精度を上げていくことをお勧めします。

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もちろん、実際にはこれに「天候」の要素が絡んできます。雨で足元が悪かったり、視界が不良だったらペースは落ちます。
また「その日の体調」も影響するでしょうし、「荷物の量」「ブランク」「路面状況」なども絡んできます。

いずれにしても「何時に、どこに着くか?」は常に意識してください。
計画時にも、歩きながらでも。

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