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【テート展】ウェッジウッドコラボカフェで出てくる珍しいティーカップに気が付きましたか?

テート美術館でウェッジウッドコラボカフェが開催

国立新美術館で開催中の「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」2023年7月12日(水) ~ 2023年10月 2日(月)に行ってきました!

テート展に2回足を運び、無意識のうちに2回とも撮影していたジョン・ヤング=ハンター《私の妻の庭》1899年


イギリスのテート美術館から「光」をテーマにした作品が来日しています。そのためか同国の陶磁器ブランド「ウェッジウッド(WEDGWOOD)」が協賛していて、国立新美術館2階のカフェ「サロン・ド・テ ロンド」で会期中、全てのメニューがウェッジウッドの食器で提供されるというコラボレーションイベントが行われています。

サロン・ド・テロンドがウェッジウッドブルーの内装に!

ウェッジウッドカフェで使用されている2種類のカップ&ソーサー

今回のコラボで使用されている食器のシリーズはフロレンティーン ターコイズ、ワイルドストロベリー、ジオ
ジオはフラットプレートでの登場なので、カップとしてはフロレンティーンとワイルドストロベリーの2種類になります。

フロレンティーンターコイズ。この時はレアチーズケーキ オレンジソース添えを注文。
カップとは縁がなかったものの、コースターがワイルドストロベリー柄で可愛かった。

私はこちらのコラボカフェに7月中旬と8月下旬の2回足を運んだのですが、2回ともフロレンティーンターコイズのカップ(おそらくコーヒー・紅茶兼用のシェイプ)でドリンクをいただきました。

このカップの何が珍しいかというと…

ワイルドストロベリーもフロレンティーンターコイズもロングセラーのシリーズで、現在も購入できます。
では何が珍しいのか。

アンティークや陶磁器に詳しい方はなんとなくお察しかと思いますが、
このカップ、バックスタンプがポートランドの壺付きなんです。

食器の真裏にあるバックスタンプ。これはソーサーの裏。

詳しくない方にご説明すると、ブランドものの食器の裏には大体ブランドのロゴマークが入っています。
このマークでいろいろな情報がわかるようになっていて、アンティークでは真贋判定に使われることもあります。
(ポケモンのヤバチャ、ポットデスのしんさく、がんさくフォルムの判定が底の模様で行えるというのはこういったことから。)

ウェッジウッドの場合は年代によって、この壺(ポートランドの壺)のデザインや文字の色が違い、この違いでいつ頃製造されたものかがわかります。
(呪いの壺だとか破産を呼ぶとか言われていて、ちょっとかわいそうな壺。いずれこちらも記事に…)

近年のウェッジウッドのバックスタンプ変遷

実は今のバックスタンプには通常はポートランドの壺は入っていません

昨年購入した、ワイルドストロベリーホワイトのバックスタンプ。

今のウェッジウッドの店舗の売り場にある食器は、コラボレーション商品を除き、ほとんどが上の画像のこのシンプルなバックスタンプです。

以前他のカフェで撮影したコーヌコピアのソーサーのバックスタンプ。

現行のものの一つ前のデザインは、恐らく上の画像のもの。
Wの下の空間がポートランドの壺の形になっています。
カフェ巡りをしていて1番多く見かけるのはこれです。

ポートランドの壺が上部に配置されているデザインは少なくとも2つ以上前のデザインになります。
いつ頃変わったのか正確な年代については、調べてもわからなかったのですが、ウェッジウッドの店舗でスタッフさんに聞いたところ、少なくとも10年以上は前のもので、現在は売っていないとのことでした。

だから、ポートランドの壺のバックスタンプのついた食器はなかなか手に取る機会がない、ちょっと珍しい食器なんです。

当たったらラッキー?

なぜちょっと昔のカップがコラボカフェで出てくるのかというと、こういったコラボイベントはたまにあるので、イベント用の在庫を確保したのがたまたまポートランドの壺の入っていた時期で、そこから割れずに大事に使われてきたのだと思います。

使っていれば、食器は割れるもの。
私がカフェに行った時に、近くのテーブルで食器が割れてしまったのですが、こういった事故で数が足りなくなれば、現在のものから補充されるのではないでしょうか。

今回は2回連続で壺のバックスタンプに遭遇したので、他のカップも壺付きの可能性が高いと思ってこの記事を書いているのですが、実際は色々な時期のバックスタンプのものが混在していて、私がたまたま同じカップを引き当てた、という可能性もあります。

まあ、それならそれで幸運だったということで。

名品のカップと過ごす贅沢な時間

テート展も東京での会期があと1カ月を切ってしまいました。
残りの会期も少ないですが、少しでも気になった方、ぜひ行ってみてください。

フロレンティーンターコイズもワイルドストロベリーも長く愛される名品です。
デート展を見たあとに、素敵なカップでゆっくりお茶を楽しむのはとても贅沢で素敵な時間ではないでしょうか。

ジオのプレートに乗ったアフタヌーンティーのケーキ。2名さまからなので、これを食べるための2回目来訪。謎のヨーグルトに謎のゼリーが入っていた。


【後記】記事を書くまでの迷走の話

実はロイヤルコペンハーゲンのバックスタンプの記事を書こうとして色々調べていたので、その一環でいつもより熱心にバックスタンプを見ていてポートランドの壺に気がつきました。

それで、1回目のコラボカフェ来店で、「現行のバックスタンプと違わないか?」と思って、帰りにとあるウェッジウッドの店舗に寄ったのですが、なんと、店頭に展示されていたフロレンティーンターコイズが全部壺付きのバックスタンプのものだったんです。

他の食器は今のシンプルなバックスタンプだったので、それからしばらくは「フロレンティーンのシリーズは壺付きのバックスタンプなのではないか?」と思っていました。

しかし、アウトレットでウェッジウッドに行くと、フロレンティーンのバックスタンプが全部シンプルなもので、「あれ?」と思ったわけです。

その後、2回目のコラボカフェ来店後に同じ店舗に行ったら、バックスタンプが現行のものになっていました。
これは推測なのですが、展示品は基本的に販売されないので、10年以上前の壺付きものがたまたま残っていて、1回目の来訪から2回目までに、売り場の配置変更で展示品が入れ替えられて現行のものに変わったのではないかと思います。

最終的には店員さんに壺付きのバックスタンプがいつ頃のものか聞いて解決しましたが、記事が出るまでにはこうした迷走がありました。
本当はもっと早くに出せると良かったんですけどね。

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