ライニア乱記 全てを白紙に 第二章 イホノ湖動乱 一、読めない相手
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長く形を保って続いていた街道は、突如として白い空間へと切り替わった。地面を踏んでいるかも分からなくなる道を進むうちに、レンは目が痛くなってきた。ルネイも時々、苦しそうに瞬きをしている。レンは彼にそっと声を掛けたが、大丈夫だと返された。彼がいつもまとっている粒子のおかげで、五感の刺激は幾分耐えられるらしい。
やがて白から抜け出し、足元に再び道が広がったのが見えてレンは安堵した。舗装されておらず草が所々生えているが、何もないよりはありがたい。もう町は過ぎ