全てを白紙に 第一章 消却迫る 七、消却爆弾
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回収した消却爆弾の分析が終わり、ヘイズは受け取った資料を消却事件対策本部の隅で見返していた。通常の時限爆弾と同じく、消却爆弾も電力が通っている回路を遮断すれば起爆を防げるようだ。特に凍結が一番効果的らしい。
これで消却を未然に防ぐ方法は分かった。被害拡大も食い止められるだろう。しかし今まで広範囲の消却を許したことを、民衆は許さないかもしれない。あの少女たちのように、「白紙郷」へ立ち向かおうとしている者もいるという。危険を案じた警察が追っていたが、消却