全てを白紙に 第二章 イホノ湖動乱 三、取引
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荒野の本部に入ろうとしてたまたまフュシャとすれ違った時、イムトは彼女を無視して足早に進んだ。向こうが何か呟いていたのも聞く気はなかったが、団長の部屋に入って初めて現実を知った。レンなる少女が、特殊な武器を使わずに消却爆弾の起爆を止めたと。
二度ほどレンとその一行に対峙したイムトは、彼女があの消却爆弾の硬い装甲を打ち破れるとは思っていなかった。むしろほとんど攻撃してこず、下手をすれば簡単に倒せてしまえそうな印象がある。だが団長が話す以上