止まらぬ思考と止める惰眠の頃

「ブルージャスミン」を観る。
これほとんど「欲望という名の電車」では・・・?
なんとまぁお恥ずかしきことにウディアレン初体験であったが、監督は一人で生きて行くブランチを描きたかったのだろうか?とその意図ばかり考えてしまった。
ケイトブランシェットが「キャロル」の品のあるマダムとは違って、どんなハイブランドの服をまとっていても着こなしきれていない成金感を出していてやはり凄い女優なのだなと思う。
ケイトファンなのに、ジャスミンにはしっかりムカついたし。
このところ考えていることで、「自分が嫌いな人物、救いようのない人物を、物語の中で変えるか」という問題がある。
あのラストは私にとっては痛すぎて、これからどうすんのジャスミン・・・という気持ちで鬱々としてしまった。
私にもジャスミンぽい部分はあって、だからこそ余計に苦しくなるんだと思うのだけど。
ただ、あの性格ならあのラストは当然たどり着く道であって、中途半端に救われない方がいいのだとも思う。
この女マジ救いようないぜ、と思ったもの。
でも劇場なりDVDなりで自分の物語を鑑賞してくれたお客さん、そして物語の中の人物にとって、物語が少しでもプラスに働いて欲しい。とエゴなんだけど、最近思うようになった。
ハッピーエンドということではない。
ほんのわずかでも、希望があってほしい。
・・・多分、加齢が原因だな。
ああ、でもジャスミンは例えば病院に入院しても、きっとあの感じのままで、それは見ようによっては幸せなのかもしれないな。
ジャスミンinクワイエットルームにようこそ、みたいなね。

久々の声の仕事、そして久々の国会図書館。
ホンッッッッッットに反射神経がないの、嫌になる。
アドリブしてくださいって言われて、終わった直後に「こんなん言ったら面白いな」って思いつくんだけど、時すでに遅し!!
「昔のニュースみたいな感じで」と言われて、あ、あの高音で早口な感じね、と思いっきりそっちに寄せたら「違う違う違う、ベースは普通でいいから」とすごい勢いで止められてズコー。
でもそんなやり取りも楽しい。
声の仕事だと、一人の世界で集中できるので、あんまり緊張しなくて私は好き。
全然笑わせるつもりのないセリフで監督が爆笑してたんだけど、あれなんだったの・・・
兎にも角にも、出番があるのは嬉しいことだ。
そして国会図書館。
今回も大きな収穫にホクホク。
資料集めは国会図書館に限るぜ。
ここ3,4年ぐらい国会図書館から国会議事堂前駅まで歩くと、いつも太鼓の音ともに政権批判の声が聞こえてくる。
ただ声を上げているだけの集団に異常な数の警察官が張り付いているのを横目に地下への階段を降りていたら、ふと涙がこぼれそうになった。
毎日おかしなことばかり起こしている政治に対して、私は何ができる、何をすべきなんだろう。
あの人たちの声は、きっと届かせたい人には一生届かない。
何をどう批判されても、他人の声に聞く耳を持たない「自分だけ人間」ってのが世の中にはいる。
偉くなればなるほど人は自分だけ人間になり、世界は自分だけ人間が回していく。
そんな世界で、どう生きていけばいいんだろう。
その途方もなさを思うと、涙が出る。
人間同士、永遠に分かり合えないなんて、あんまり悲しいよ。
でも、分かり合えない。
そんな世界だからこそ、分かり合える人の存在にこれまた涙するほど嬉しくなるということか。

まる一週間ぶりにゆっくり寝られるということで、惰眠をむさぼる。
ご飯を食べて一仕事してまた横になると、窓から入ってくるちょうどいいそよ風に吹かれ、最高に気持ちがいい。当然起きれぬ私。
ひたすらゴロゴロしながらスマホをいじったり、ボーッと考えことなどしたり、こんな時間が自分には絶対的に必要なのだと30すぎてようやく知る。
以前はこういう時間を過ごすと、まじ私無駄な時間ばっかり過ごして死んでしまえよ、ぐらいの気持ちになっていたけど、このアイドリング時間がないと無理っす。心身がもたないっす。
そして夜は台湾で買ってきたインスタント汁なし麺を作ってみる。
う、うまい!!
刀削麺って全然いい印象がなかったのだけど、まさかのインスタントで覆された。
タレも私好みのマーラー味で、実に満足。
これでもかと買ってきたお茶も日々愛飲しており、離れてからの方が恋しくなる台湾。
また行きたい。
2年に1度くらいは海外旅行できるといい。

今日が楽日のお芝居に駆けつけるか悩むが、総合的に判断して「行かない」の決断を下す。
であるからには、とガツガツ仕事。
夕飯後の眠気に打ち勝つためには外に出るべし、ということで近所のカフェへ。
私史上、ベスト作業場カフェ。
Wifiあるし、空いてるし、ほっといてくれるし、安いし、ご飯も飲み物もあるし、深夜までやってるし。
改めて文字にしたら最高やん。
カレーを食べて腹ごしらえし、パソコンをダダダダダ。
あっという間に4時間がすぎていた。
今の家の立地、徒歩圏内に私が必要なものが全て揃っていて、まじでしばらくこの土地から離れたくないなと思う。
どこも住めば都なのだろうが、しかし都内にここほど私が求める条件の土地がある気がしない。
そういう幸せを噛みしめて、帰途。

いよいよ、というこの感触。
浮世企画は胃が痛くなってからが本番。
タイトルが思いつかない。
いらぬイライラも覚え、全くなんだろうね私のこの不器用さと器用な人との差は?と思いながらぐったり、今日はさっさと寝ようと思っていたけれど、酒を飲みだしたら案の定覚醒した。
この機会に思い切り酔っ払って大音量で音楽を聴いてぶっ飛ぶことにする。
こういう時間に収穫があった試しはない。
今までもミラクルを狙ってこういう風にしたことはあったけど、結局意味をなさなかったね酒はね、と思うだけ。
それでもとりあえず、飲ーむ。

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