虹と土へ　

虹の9歳の誕生日に父ちゃんは東京から仙台へバスで帰った。
夜中24：20新宿発の深夜バスで朝がた6：00頃に仙台に着いた。深夜バスには三列シートと四列シートがあって父ちゃんみたいな身長がでかい人は三列シートでないと窮屈でしんどくなるんだ。バスに乗ってからママにメールをしようとスマホを手に取りながら気がつけばコンタクトレンズも外さないでそのまま眠りに落ちていた。
普段はニーヨルのお店の2人掛けの椅子の上で寝ているし、睡眠時間も約3〜4時間ほどだからバスの中でもぐっすりと眠ることができた。最近の深夜バスは快適ってのもあるけどね。
んで朝がた着いたらあらえびすのミーティングが毎朝5時くらいからやってるからそれにスマホで参加してそれから丸藤のマンションに行ったよ。
扉を開けたら虹と土が「おかえりーーーーーーーーーー」って全開の笑顔で父ちゃんの胸に飛び込んできてくれた。これが父ちゃんはたまらなく嬉しいんだーー
家に着くなり父ちゃんは昨日風呂に入っていなかったし汗とお店の匂いで体が臭かったからすぐにシャワーしたよ。そしたら土も一緒に入ってきてそのまま土の髪の毛をカミソリで切ってやった。父ちゃんと同じカットで2人お揃いだ。虹もちょこちょこと風呂を覗きにきていたな。
ママが朝ごはんを用意してくれていたから風呂上がりにさっぱりした気持ちで美味しいご飯を食べたら猛烈に眠たくなってきた。横になったらもう寝ていたよ。何度も何度も虹と土に起こされたな。「せっかく帰ってきたのにーーー遊ぼうーーーー」って。
ママがレンタカーを借りに行ってくれている間にモールへ行って、虹がハッピーのリードを欲しいと言っていたから見に行ったな。自分の誕生日に欲しいものはハッピーのリードって言える虹のハッピーを思う気持ちにはほんまに心が和むんだ。優しい虹のそんな気持ちに応えたいと見に行ったけど、実際欲しいものを見てみると確かに物は良くてしっかりしていたけどなかなかの金額だった。しかし今までも安いリードは散々買ってきてそして壊れてはまた新しい安いやつを買ってを繰り返していたから、良いものをバシッと買って大事にするってことも教えたかったから頑張って買おうと思った。
だけど一度お金がないふりして買えないそぶりをしてみた。その時に財布には買えるだけのお金は持っていたけど簡単に手に入るとは思ってほしくなかったんだ。
買う気満々で来た虹に買えないと言った後の虹の悲しそうな顔はとても耐えられるものではなかったけどその後の手にした時のことを考えたらあえてその場では買えないふりをしてペットショップを去った。
家に戻るとレンタカーを借りてきたママが待ってて、さてどこに行こうかと虹と相談し始めた。虹の希望は「新しいリードでハッピーとドッグランに行くこと」か「ハワイアンズに泊まること」だった。できればどちらも叶えてやりたいがお財布との相談もある。そして虹の第一希望はハッピーのリードだったから父ちゃんはリードを買ってあげたかった。

続く