ある莫迦の憧れに憧れた今まで

白い煙を深く吸い、彼女に回した。
彼女は僕の血管を探していたので、後でもらうと断ると、真剣に腕を見つめ始めた。
それが貴美枝と僕の関係だ。
お互い好きな人はいる。
ただ、お互いに恋愛感情も持っている。
そんな妙な関係だ。
 彼女と知り合ったのはネット。それでオフ会で飲み会をしようってなってから彼女とはたまに飲んだり酔ったりしている。
 体の関係はキスだけ。それも軽いキス。それだけでお互い我慢してた。
 なんだか妙な関係だが、貴美枝は僕の腕に狙いを定めると注入してくれた。
 身体が熱くなり、汗ばんでくる。
「あぁ、入ったな」と実感しながら、元からの酔いにブーストをかけて、一服して部屋で踊ってる貴美枝を見ながら音楽に集中する。
これが俺だ。
文章書いたことない人間の俺が書こうとしてもカッコばかりつけた文章ばかり書こうとして中身がない。どこかの芸能人か「訴えたいことがないんです!中身の無い演説家でございます!」とネタで言っていたが、まさにそれなのだ。
SFならSF、恋愛モノなら恋愛モノ、私小説なら私小説と雰囲気だけでもと似せようとするが、元々言うほど本の虫ではなかったし、ただの凡愚である俺が、なぜ筆を取ろうと思ったかと言うと、それはそろそろ死が見えてきたからなだけである。
 それもミューズに影響を受けただけだ。
  それでは遺書代わりの生い立ちの記を書いていこうと思う。

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