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初めての本を出してみて。

「面白かったけど、このご時世にこの値段は高いね」
 というのが、2月1日に発売された私の著書『自己満足のデザイン 無名からSNS発デザイナーへ』に対する、母からの感想だった。
 たしかに高いけどさ。  

 そういえば、こういう値段の話になったときに必ず、
「この値段だと、うまい棒が◯本買えるよな」
 みたいなコメントを言っているクラスメイトが苦手だったな〜、中学生の時。元気かな。

 まあそれはいいとして。
 そんな値段の高い本をご購入いただき、しかも読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。TwitterやInstagramでのありがたいご感想を読むたびに、書いてよかったなぁと思っています。  

 本一冊分の文章を書くなんて初めての経験だったので、
「エッセイとして面白かった」
「笑った」
 なんてご感想をもらえるとは、思ってもみませんでした。文章での表現も、今後は続けてみようかな。

 また、漫画家のイトイ圭先生から「ファンなので」というコメントとともに感想ツイートが届いた時には、驚きと嬉しさのあまり、完全に仕事が手につかなくなりました。
 まさかこんなことが起きるなんて、夢のようです。(私はtumblrで「サムデイ・ネバー・カムズ」をリアルタイムで読んでいた頃からのイトイ圭先生のファンです。イトイ圭先生の作品は、どれも本当に素晴らしいので、みんな読んでほしい)

 でも、「つまらなかった」「無名から…ってサブタイトルだけど、まだ無名じゃん」って感想が見当たらないのをみると、まだまだ全然読まれていないんだろうな〜と思ったりもする。頑張らなければ。  

 発売日から二日後の2月3日には、出版イベントとして、クリエイターのカナイガさんとの対談も実現しました。Twitterのスペースを使っての配信でしたが、たくさんの方に聴いていただけたみたいで、こちらもとても嬉しかった。

 配信の最後の方で「ドラマ化を狙っています」なんて、ちょっと冗談っぽく言ってみた。根がネガティブなので、「いや無理でしょ」って思う自分ももちろんいるけど、大きい夢を見てるほうが楽しいからね。こういうことは、バカにされるとしても、言ってみることにしている。

 そういえば、リアルタイムで聴いてくれていた友人からは「いまいません君さ、めちゃくちゃ感じ悪かったよ」と言われたので、3月3日に行われる、デザイナー かねこあみさんとの対談では気をつけようと思う。改善点を見つけるために、期間限定で残っている配信のアーカイブを聴く必要がありそうだけど、さすがに怖すぎて聴けないな。

 本の発売後、TwitterやLINEで、「本屋さんで見かけたよ!」という連絡をたくさんもらった。池袋のジュンク堂では、話題の新刊コーナーに、サニーデイ・サービスの曽我部さんのエッセイ集の近くに置いてもらっていたらしい。ファンなので、ただそれだけで嬉しかった。

 本の発売後は本業の仕事が忙しくなり、なかなか本屋さんへ行く時間を作れなかったので、「本屋さんで見かけたよ!」の連絡はとてもありがたかった。

 この間、ようやく本屋さんで平積みされている自分の本を確認することができた。「誰か手に取らないかな」と、何分か粘ってみたけど、残念ながら誰も手に取ることはなかった。膨大な本の中から手に取ってもらうって、かなり難しいな。もしかして、本を売るために奮闘するのが、本の続きである第7章になるのかな。

 本を出したからといって、ガラッと生活が変わるようなことはもちろんないけど、ちょっとずつ気持ちに変化があることは、実感している。
 だって、毎年なぜか憂鬱な気持ちで迎えている春が、なんだか今年は楽しみに思えているのだから。Apple Musicで、春の曲を集めたプレイリストなんて作ったりしているし。本当にそれくらいのことだけど、本を出してよかったと思っています。


※こちらの文章は、著書『自己満足のデザイン 無名からSNS発デザイナーへ』担当編集者の金さんから「本を出してみて感じたことを、後日談的にnoteへ書いてみるのはどうですか?」と提案があり、書いたものです。