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NPB公式戦開催球場 祐徳国際グラウンド 跡

1647年(貞享4年)に花山院萬子媛が、稲荷大神の御分霊を勧請されたのがはじまりとされる祐徳稲荷神社。

祐徳稲荷神社は年間300万人が参拝されるという、九州でも福岡県の太宰府天満宮に次ぐ参拝人数を誇っています。

この祐徳稲荷神社が建設した野球場がありました。

これが「祐徳国際グラウンド」です。


1926年には明治神宮が明治神宮野球場
1928年には豊川稲荷が豊川いなり外苑球場
1934年に札幌神社(現・北海道神宮)が現在の札幌市円山球場
と、日本には神社が建設した野球場が続いていました。

これらの神社に続いて、祐徳稲荷神社は1936年に境内の中に建設しました。


この写真は1948年5月18日に撮影されたものですが、はっきりと球場が確認できます。

しかし私が確認できた球場はこの写真しかありませんでした。

この写真のちょうど1年後の1949年5月、祐徳稲荷神社は不審火で全焼します。


祐徳稲荷神社の全焼から1年後の1950年4月21日に、この祐徳国際グラウンドで西日本‐中日戦の公式戦が行われます。

試合は12-1で中日が圧勝しますが、この時に中日の投手杉下茂が満塁本塁打を放ちます。
これがNPB史上初の投手による満塁本塁打でした。


1952年4月1日に公式戦2試合目となる西鉄‐阪急戦が開催されました。試合は西鉄が5-2で勝利します。
2試合で、6本の本塁打が飛び出す豪快な試合にはなりましたが、観客数は1000人→1500人と、2試合合計しても2500人しか集まりませんでした。

祐徳稲荷神社は、1957年に再建されます。

祐徳稲荷神社が1957年に再建されるまでの間に、グラウンドは資材置き場になり、自然的に消滅します。

現在駐車場になっているあたりが、球場があった場所です。


NPB公式戦 祐徳国際グラウンド全2試合結果

1950.4.21 西日本 1 ‐ 12 中日
(詳細は日本プロ野球記録 1950DN (2689web.com) )
1951.4.1   西鉄  5 ‐ 2 阪急
(詳細は日本プロ野球記録 1952LB (2689web.com) )



参考
NPB 球場情報 佐賀祐徳 | 球場詳細 | 球場情報 | NPB.jp 日本野球機構
祐徳稲荷神社 祐徳稲荷神社 (yutokusan.jp)
日本プロ野球記録 ウスコイ企画 日本プロ野球記録 (2689web.com)
地図・空中写真閲覧サービス 地図検索表示画面 (gsi.go.jp)

2022.9.8 筆

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