ハグ

きのうはずっと、
ハグしたい気持ちを、
抱き合っていたいという気持ちを、
抑えきれずに、
となりでずっと過ごしていたの。

お昼から夜まで

あなたをずっと意識していた
小さな自分。


でもそれは、ほんとうは、
勇気がなくて、

嫌がられたらどうしよう、
断られたらどうしよう、
という気持ちから、
わたしはわたしにストップをかけたまま。

ううん、ほんとは、
あなたがわたしのことが好きじゃないってことが、わかったらいやだし、
つらいから、

あなたが、わたしを受け入れてくれなかったら、断られたらと想像しちゃって、
悲しいから。

あなたは仕事が終わって、
仕事が終わっていないわたしは
あなたに夕飯を作るようお願いして、

夕飯をいやいや、イライラしながらの様子で作ってくれたあなた。
いつもより、
しずかな夕飯の時間だった。

19:47

「もうわたし帰る準備できてるから」

疲れてるあなたは、
いつもより早く帰り支度をして、
Macの画面に向かって作業してるわたしを
急かすように、そう言った。

(もしかして、先に帰っちゃうの?)

行かないで、、
そんな気持ちで、
急に不安になる。どうしてこんなに切なくなるのだろう。

決死の覚悟で、

「ハグしていい?」ってわたしは
あなたにきいた。

「いいよ」って、
しょうがないなって感じで、
読み取れないクールな表情で、
あなたは、わたしとハグした。

肩と頭をやさしくさすってくれた。

しばらくの間抱き合っていたけれど、
「オッケー?」ってあなたに聞かれて、
落胆していた。

ハグのその先に何をわたしは求めていたのだろう。

心が定まっていなかった。

あなたのその表情と、

ハグの感覚が、

わたしを混乱させていた。

そのまま、ほんとうは抱いてほしかった。
もっと抱き合っていたかった。
触れ合っていたかった。

あなたの目を見る。
なんだか同情されてるみたいに感じていた。
なんでこんなに私は自信がないのだろう。

ただあなたの体温だけが、
わたしに残った。

そして、いつもの帰りのステップで、
ゴミ箱からゴミを取り出し、
ビニール袋に詰めて、
エコバックに入れて、
それをあなたが受け取る。

いつもとおりのふたりに戻って、
急な階段を降りる。

意地悪でいたずらなあなたは、
ストッパー棒を先にかけて、
出れないわたしを見て、
ニシシと笑みをこぼしている。

そして一緒に、いつもの道のりで駅まで歩いて。
ちょっとだけ、いつもより会話が少なかった。

電車を降りる別れ際の、バイバイのいつもの握手。
ぱちっと手を叩いてから、長く握りしめた。

ホームに降りて、
駅の階段を下る前、
車窓越しに見えるあなた。

いつもより、ニカッと笑っていた。

#日記 #きのう #ハグ

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