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統計検定準1級を完走した感想

標記のとおり統計検定準1級を完走した。
結果は合格だったため、これにて統計学の学習もひと段落ついた。
合格者体験談のような記事は後で書くとして、記憶が薄れないうちに試験当日の所感を記録しておこうと思う。

試験会場~受験開始直前まで

 CBT方式では、数ある試験会場から自分に都合の良い会場を選択して受験することができる。私はISAというパソコンスクールで受験した。特にこのスクールの会員でなくても受験することはできる。
 当日は会場に着くと初めに身分確認、使用する電卓の確認及び注意事項の説明を受ける。
 身分確認には顔有りの身分証明書が必要であるため、社会人であれば免許証やマイナンバーカードを持っていく必要がある。
 電卓は関数電卓不可であるため、その確認のために受付の方に電卓を渡して確認してもらう。なお、平方根機能が付いているものは使用可能だ(平方根使えないとかなり厳しい戦いになるので電卓を準備する際は注意が必要)。
 最後にオデッセイのIDとPW(こちらは事前に登録しておく)を入力して、受付の方を呼ぶようにと言われ、注意事項が書かれた紙、計算用紙及びシャープペンを渡される。試験室へ移動。

 試験室には他の受験生がいたが、全員が統計検定準1級を受験する訳ではなく、統計検定以外のCBT試験を受けに来た方もいるようだった。
 ガラスで仕切られた隣の部屋では普通にパソコンの授業(パワポの操作に関するもののようだった)が行われていた。講師の声は私の試験室にも届いており、開始直前は集中できるか心配だったが、試験が始まってしまえば良くも悪くもそんなことは気にしてはいられなかった。
 机上にはお馴染みの数値表が置いてあったが、過去問題集にはあったはずの対数表は無かった。しかし対数を使う問題が出題されないというわけではなく、事実、私が受験した際の問題では自然対数を使った問題が出題された。ただし、解く上で必要な数値は問題文で与えられる。

試験方法について

 試験開始のボタンを押すと試験を開始できる。つまり、試験を始めるタイミングは任意ということである。これは利点でもあるが欠点でもあり、自分が試験中であってもこれから受験する方や既に終わった方は出入りし、さらに受付の方も来るため、繊細な方は気に障ると感じると思う。私は繊細ではないので問題無しだが。
 試験は数値を入力するもの、ラジオボタンを選択するもの、選択肢の番号を入力するものの3種類があった。3つ目について、何故ラジオボタンではなく選択肢の番号をわざわざ半角数字で入力する必要があるのかは不明であった。ヒューマンエラーで異なる数値を入力したり、全角で入力してしまううっかりさんを不合格へ突き落とすためだろうか。
 問題数は開始前の時点で「21問」と表示されていた。これは大問が21という意味で、大問内に小問が2つある問題が5つあった。つまり解答すべき問題数は26問あった。前情報では25~30と聞いていたのでその範囲内の出題数ということになる。
 回答の仕方は、1つの大問が表示されて、解答したら「次へ」を押していくというもの。右上に「あとで確認する」という旨のボタン(何と書かれていたかは正確には覚えていない)がある。これはすべての問題に解答すると各大問のページに飛べるようなトップページに移動するのだが、「あとで確認する」ボタンを押しているとそこで分かりやすくマークが表示され、再度解き直すことができるというものだ。なお、「あとで確認する」ボタンを押さずとも解き直すこと自体は可能だ。
 時計の持ち込みは不可だが、その代わりに画面の左下に制限時間が表示される。
 すべて解き終わったと思ったらトップページの右下の「終了する」という旨のボタン(これも正確には覚えていない)を押して終了する。すぐに結果が表示されると思いきや、謎のアンケートが開始される。
 アンケート終了後、結果が表示されて試験終了となり、その画面のまま受付の方を呼び結果画面を印刷したものを受付で受け取り、終了となる。

試験内容について

 試験内容は初めに確率系の問題から始まり、多変量解析系の問題は後半に配置されていた。この流れは過去問同様だった。
 試験問題については実質的にも形式的にも難しいと感じた。端的に言って、過去問が過去問として機能していない試験だと感じた。
 まず、過去問では問われないようなかなり細かい知識が問われる。ここで具体的な問題を書くのはよろしくないと思われるため書かないが、考えて解答できるような問題ではなく、単に知識として知っているかどうかというような問題が出題された。
 また、問題の問い方も過去問に比べて婉曲的な問い方をしている印象を受けた。長々と問題文が続いた割に結局のところ問うている事項は基本的なものだったりする。
 以上のことから、過去問題集や統計学実践ワークブックの例題に慣れすぎていると(統計学的に言えば「過学習」か)面を食らうかもしれない。特に前半の確率と確率分布に関する問題は以上の点でかなり難しかった。例題や過去問だけでなくワークブックの本文の細かいところまでしっかりと頭に入れておく必要がある。しかし後半の問題では比較的過去問から遠くない雰囲気の問題もいくつかあるため、解けるものから解いていくという心構えが必要だ。「あとで確認する」ボタンも併せて活用する。

 他の受験者のブログを見たところ平易な問題もあったり過去問の類題があったりしたという記載があったが、私はそういった印象は受けなかった。過去問に似た問題はあったが、問うていることが似ているというだけで過去問と同様の感覚で解ける問題は2つくらいしかなかったように思う。ほとんどの問題が問われたことのない形式で問われているような印象を受けたし、過去問や例題で全く見たことのない問題もかなりあった。
 とはいえ、試験問題はプールされた中からランダムで出題される、いわゆる問題ガチャ形式のため、私の問題にそういったものが多かっただけということも十分考えられる。実際、1回目で不合格になり難しいと感じたのに、1週間後に受けた2回目ではなんてことはない過去問の類題が多くて最優秀で合格したという方もいたようだし、「引き」の良し悪しがあるようだ。そういった記事を見ると、私は1度しか受けていないが「引き」は悪かったように感じる。

試験後

 試験は終了したが、正直、胸を張って「合格した」と言える心境かというと微妙なところだ。私は合格こそしたが、優秀賞ではないし、試験対策上、捨てた分野も結構ある。
 そのため、これから捨てた分野を再度学習していこうと考えている。具体的には確率過程の分野で、試験対策では最も簡単なマルコフ連鎖しかやっていないため、「確率過程の基礎」(Rデュレット)の教科書でこれから学んでいく。少し聞いた話だと、確率過程は学習していくと常微分方程式などを学ぶ必要が生じるらしい。中々大変な道のりのように感じるが、統計検定を通じて確率過程の面白さに気づき興味を持ったので、頑張ってこの道を進んでいこうと思う。
 とはいえ、本職の法律勉強もしていかないといけないので、それと並行して無理せずやっていきたいところだ。

 合格者体験談や試験対策に関する記事は追々書く予定だ。先駆者の方々の記事にはいつも助けられていたので、その恩返しになる程のものは無理だと思うが、私も知る限りを書いてみることにする。自分の頭の整理にもなるので。

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