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自分の体験してきたことが正義か?

「クレイジー沙耶香」

村田沙耶香さんはこう呼ばれているらしい笑(最近知った)

1月に入ってから村田沙耶香さんの本を3冊読んだ。
クレイジー沙耶香の名の通り、どの作品もクレイジーで読み応えがあった〜面白いなぁ。


新年1発目に読んだのが殺人出産。1発目に読むにはハードすぎた!笑

2冊目のコンビニ人間は以前読んだことあったけど内容忘れてたから再読。前回読んだ時はパッとしたイメージなかったけど、ここ数年マイノリティや多様性に関する小説を多く読んできたこともあって前よりこの本に対して真剣に読み込めた気がする。

3冊目は地球星人。
畳み掛けるように狂気に溢れていて、途中「おぉまじか…」って呟いてしまう描写もあった。


この3冊を読んで考えたこと。

人間って自分が進んできた道が正しいと決めつける節がある

この3作で共通してたことが、夫婦間で性行為をするのが気持ち悪い。そもそも性行為はしたくない。という概念。

コンビニ人間の主人公は、30代の女性結婚はしてなくてコンビニでアルバイトをしている。

殺人出産では、2人の男女が付き合うのではなくて3人で付き合うトリプルというお話があった。


どの話もとにかく周りから世話をやかれていた。
「早く結婚しないのか?」
「なぜ就職しないでアルバイトなのか?」
「3人で付き合うのは気持ち悪い」
「なぜ結婚しているのに性行為をしないのか?」

頼んでもないのにどんどん干渉してくる周りの人達。
そういう人達は自分の体験してきたことが正義だと思っているのだろう。そしてそこからはみ出している人を見ると変な人と決めつけて、世話を焼いたり弾糾したり。


どの話も設定がぶっ飛びすぎて非現実的な感じがあるが(コンビニ人間が1番理解しやすい)自分の身近な所にもそういう出来事は沢山あるし、自分がその周りの人になっている事も多い。



私は中学の頃は運動部に入り、高校はぼちぼち勉強して大学に入った。卒論が書けて卒業することができたら就職先も決まっているのでその会社で正社員として働く。

この道が私は今のところ正しいと思っていた。

この前実家で親とテレビ見ていた時に、親のエゴで子供にどの程度干渉していいのかみたいなトークテーマのバラエティやっていた。

その時私が

「将来自分の子供が将棋部とか入ったらやだなぁ(運動部に入って体を動かしてほしいみたいなニュアンス)」

と言ったら親が2人とも同時に

「別に良いやん、将棋って絶対頭使うし賢くなるやん」

って言っていた。間違いない。。


なんていうか、自分は運動部で体を動かしてきて先輩との上下関係を学んだりして、そういう経験から「絶対文化部より運動部がいい」「将来子供ができたらスポーツをやらせたい」みたいな概念があった。それを他の人にも干渉しようとしていた。

こういうところが自分の良くないところだなぁと、この3冊を読んで思ったり。



私の出身は石川県だけど、ずっと地元にいる人は「地元サイコー」って感じだし、大学で東京に進学した人は「絶対都会に行った方が良いよ」とか言うし、東京近郊に進学した人は「ほどよく東京に近くて、けど東京は物価が高いからちょっと離れて田舎で暮らしてるのが1番良い」って言う。

大学進学した人は「大学行った方がいい」って言うし、海外留学した友達は「海外行った方が良い」って言うし、結婚して子供産んでる人は結婚して子供いない人を見ると「どうして?」と疑問に思ってしまうし、大学に進学して就職する私は大学卒業して就職せずにバイトしている人を見ると「なんで?」って思ってしまう。


やっぱり人間自分の体験してきたことが正義なのか?
こういう思考は良くないと思いつつも、自分の考える「普通」から外れている人をみると疑問に思ってしまう。

自分の思考や感情を変化させるって本当に難しい。
疑問に思いたくなくても、そんなの制御できんわ!



この問題に対処するには、自分自身が様々な体験をするかその体験をした人の話を聞くかしかないと思う。

私は生まれてからずっと北陸に住んでいるから北陸での暮らししか知らない。本当は都会暮らしの方が向いているのか、もしかしたら海外での生活が向いているのかも。
結婚するのが向いているのか、1人で生きる方が楽しいのか。

なかなかいくつも体験できるものじゃないけど、そういう時は人の話を聞いたり、本を読んだり、調べたり。


村田沙耶香さんの3冊を読んで、少なくとも結婚に対する価値観が増えた。

そんな風に自分の価値観や考えを増やしていきたい。



無知は罪なり。

とにかく知識を増やして、間違っても自分のたったひとつの体験だけで誰かに干渉するようなことはしたくない。

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