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「好奇心の友達」日刊リハビリ#11

少し前、友達に誘われ繁華街から少し歩いた中華料理屋に行くことがあった。
彼は昔から食に対して好奇心旺盛で、ゲテモノや奇抜な料理を見つけては、私を誘って自身の経験値を貯めている。
初回から考えると、RPGの中ボスくらいは倒せるほどのレベルに達していると思う。

言われるがまま付いていったので、お店の屋根にはカラスが数羽こっちを睨みつけ、蜘蛛の巣の張った扉をくぐると、何かしらのホルマリン漬けが壁中に並べてあるような、いかがわしいお店を想像をしていた。
こういった想像のお店は、なぜか中から赤い照明を外に向かっていやしく照らしている。

着いてみると、あっけにとられるくらい普通の、むしろ綺麗な中華料理屋で自分の想像のはるか下だったため、雨が降る前のツバメかよと呟いた。

どうやらここは虫食が有名らしい。
虫食以外にも、豚の腰骨?のような変わった料理も色々とあったが、友達のおすすめ(本人もまだ食べたことない)である蚕の串焼きを頼むことにした。
食に対して更なるレベルアップになると期待を寄せていたが、結果としては惨敗で、蚕を嚙んだとたん、蚕の中のとろみのある内容物が口ではじけ飛び、おいしい!の感想にはなれなかった。
ちなみに決して、おえーまずーがやりたいわけではない。
蚕ってどんな味なんだろう、好きな系統の虫食発見出来たらすごくない?など虫食には友好的な態度で臨んでいるし、自分から握手を求めにいくほどのフレンドリーさを出している。


そして今日、一緒に蚕を食べた友達からネズミ?の動画が送られてきた。
ネズミの手には、蚕が握られており、まるでチーズを食べるかのようにぺろぺろ舐めていた。

そうか、もしあれがおいしい!と感じられたら、少しだけでも動物と共感できるポイントが作れたはず。
将来、動物と会話できる時代が来たら、「蚕のぷりっとした中身がいいんだよな!」と動物とも握手できていたかもしれない。

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