Magic: The Gathering 3.0 ミラディン人の逆襲 -モダンの夜明け-
マジックプレイヤーの皆さん、変態デッキは好きですか?
私は見るのも作るのも、大好きです。
モダン神挑戦者決定戦のデッキリスト記事、ご覧になりました?
あのクラガンウィックシュートが、5色構築で12位とかいうものすごい結果を残したんですよ。
そんなん見てテンションが上がらないわけないじゃないですか。
というわけで、ここ2ヶ月ほど調整している完全新機軸のモダンデッキについて、今回シェアしたいと思います。
沖縄の僕に代わって誰か、本土の大会に持ち込んでほしいなと思いつつ筆をとります。
■デッキができるまでの経緯
初期のゴミ
デッキ誕生のきっかけは、とある神河のカードでした。
墓地からアーティファクトorエンチャントを場に戻すことができるカードです。
…あれ?エンチャント?もしかして《ウルザの物語》戻せちゃうんじゃね?
そんなわけで、《ウルザの物語》軸のアーティファクトを活用したデッキにしつつなんかプラスして組もうと考えました。
とりあえずは《湖に潜む者、エムリー》の採用を決定。親和のようにアーティファクトを並べトークンで殴り勝つプランがゲームプランその1です。
次に、墓地から上陸できる長所を活かしたいと考えました。
《水蓮のコブラ》を使って何かできないかなーとデッキのオリジナル要素を探していたところ、こんなカードを見つけました。
ここでとんでもないループを発見します(というか発見した友人がリプをくれました)。
1.場に《ウルザの物語》A、《水蓮のコブラ》《アイユーラの影響》があり、手札に《ウルザの物語》Bがある
2.《アイユーラの影響》で《ウルザの物語》Bを捨てトークン生成
3.《タメシ》効果X=0起動、《ウルザの物語》Aを手札に戻しBを墓地から場へ→コブラ上陸、白マナ
4.《アイユーラの影響》で《ウルザの物語》Aを捨てトークン生成
5.《コブラ》が生み出した白マナから《タメシ》起動、《ウルザの物語》Bを場から手札へ、Aを墓地から場へ〜と動くと【3〜4】の動きをループさせることができ、無限トークン生成が可能
《アイユーラの影響》を破壊されても《タメシ》で戻せるじゃん!完璧すぎるコンボだ!と惚れ惚れし仮組みしたところ、
まぁ予測してましたけどコンボパーツ多すぎ&《アイユーラの影響》弱すぎで即解体でした。そらそう。
原点回帰と発想の開花
《タメシ》で《サーガ》を再利用という発想はいい。
《エムリー》も合わせてアーティファクトは墓地からガンガン再利用できる。
ん?
エムリー…再利用…その言葉、どこかで…
忘れもしない2019年、Magic Fest名古屋。そこで僕は《エムリー》を統率者にEDHデッキを組んでいたことを思い出しました。
そしてエムリーを大活躍させる、神のごときカードを知っていたのです。
それが今回のデッキの主人公、《ミラディン人のスパイ》だ!!!
《エムリー》+これ+《ミシュラのガラクタ》で《エムリー》の能力を再利用して好きな回数《ミシュラのガラクタ》を再キャストできる。
これだ…!
モダンの新たな地平線を見た僕は、気づきました。
墓地をとりあえず肥やして《エムリー》が居たら楽しいぞ…!
そして思い至った瞬間、気づきました。
あれ?墓地肥やししてコンボって、ホガークヴァインとかハートレス上陸でいつも僕がやってることじゃん。
とりあえず《エムリー》を活かせるよう、《ミシュラのガラクタ》《羽ばたき飛行機械》《バネ葉の太鼓》を採用。
墓地を肥やすならってことで《縫い師への供給者》も採用。
このあたりでかなり危険なかおりがしてきます。
しかし勢いは止まりません。墓地を肥やしたらその墓地はフル活用したくなるもの。そうだ、リアニメイトのギミックも探そう。そうして発見したのがこちら
テシャール、圧倒的正解カードの発見です。
デッキ爆誕
そうして誕生したのが、シン・モダン。《アイユーラの影響》とは何だったのか。
このときの構築は、《エムリー》+《ミラディン人のスパイ》+《ミシュラのガラクタ》でデッキを引ききったら、《エーテリウムの彫刻家》でコストダウンしたアーティファクトを全部並べて《頭蓋囲い》《影槍》を装備した《ミラディン人のスパイ》がワンパンする、そこまでする!?みたいなデッキでした。
サーガトークンで殴ってよし、コンボしてよしの二段構え。
ちなみに墓地から《ミシュラのガラクタ》を唱える《エムリー》ループをする際、場に《テシャール》が居れば、墓地の2枚めの《エムリー》を無限にリアニメイトできるので(伝説ルールで墓地へ行くため)ライブラリを全部落とす事もできます。
《タッサの信託者》リアニメイトしても勝てますね。
なんて強いデッキなんだ。
…そう思ったのもつかの間。
意気揚々とFNMに持ち込むも0-4と惨敗でした。がっかり。
■現在のデッキリスト
惨敗ののち、チームメイトのアドバイスや対戦を経て得た気づきをもとに徐々にカードを追加していきました。
ブラッシュアップ後にFNMに出たところ2-1と勝ち越しできるようになったので、今の形を公開します。
とくと見よ!
これはモダン新時代、いわばMagic: The Gathering 3.0 。
デッキ名は「スパイ・ファミリー」だ!!!
★ 「スパイ・ファミリー」 デッキリスト
[Mainboard]
Creatures:26
4:《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
3:《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
1:《流星の信奉者、ゴロゴロ/Goro-Goro, Disciple of Ryusei》
1:《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》
3:《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
1:《タッサの神託者/Thassa's Oracle》
4:《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》
4:《ミラディン人のスパイ/Mirran Spy》
1:《現実の設計者、タメシ/Tameshi, Reality Architect》
4:《祖神の使徒、テシャール/Teshar, Ancestor's Apostle》
Spells:16
4:《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》
4:《モックス・アンバー/Mox Amber》
1:《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》
1:《影槍/Shadowspear》
4:《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
2:《心なき召喚/Heartless Summoning》
Lands:18
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》
1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》
1:《繁殖池/Breeding Pool》
1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1:《湿った墓/Watery Grave》
1:《島/Island》
4:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2:《汚染された三角州/Polluted Delta》
2:《産業の塔/Spire of Industry》
4:《ウルザの物語/Urza's Saga》
[Sideboard]
1:《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1:《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
1:《獅子の飾緒/Lion Sash》
1:《秋の騎士/Knight of Autumn》
1:《聖域の僧院長/Sanctum Prelate》
1:《真髄の針/Pithing Needle》
3:《虹色の終焉/Prismatic Ending》
1:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
2:《否定の力/Force of Negation》
1:《飢餓の潮流、グリスト/Grist, the Hunger Tide》
2:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
写真で見たい方↓
デッキ名が某漫画と同じなのはなぜかって?
スパイがデッキの主人公、パートナーは長髪で「湖に潜む」暗殺者の風貌、2人を陰ながら支えるかわいいアーニャ…もといテシャール。
これもう完全に「スパイ・ファミリー」やん(?)
各カードについて
●《サテュロスの道探し》
《ウルザの物語》のヒットを狙いつつ墓地を肥やせるため採用しました。いぶし銀。
●《心なき召喚》
キーパーツである《テシャール》や《ミラディン人のスパイ》をコストダウンする役割はもちろん、《縫い師への供給者》《サテュロスの道探し》をあえて墓地送りすることで《テシャール》の釣り先が安定するというメリットがあります。
《エムリー》も《ミラディン人のスパイ》も生き残るサイズなので噛み合いがGood
●《堂々たる撤廃者》
《沈黙》として使えるこのカード、テシャールから釣れる+《否定の力》に引っかからないとモダン的には結構メリットがあります。
最近は《流刑への道》見ないから自分のターンに出てしまえばそのまま勝ちに行けますしね。
●《Mox Amber》
マナ源としての《Mox Amber》採用はなかなか馬鹿にできません。
また《エムリー》+《ミラディン人のスパイ》があれば《Mox Amber》2枚を交互に唱え、無限マナ。《上天の呪文爆弾》があれば即時無限ドローも可能ですね。
●《流星の信奉者、ゴロゴロ》
テシャールで釣れる、《Mox Amber》で赤マナが出せて横のエムリーに速攻付与と、渋い働きをするので一枚採用。《バネ葉の太鼓》もあるので意外と赤マナは出ます。
サイドボードには《心なき召喚》《テシャール》があれば無限ライフも狙える《秋の騎士》や、
何故か《テシャール》でリアニメイトできるプレインズウォーカー《グリスト》などなど、このデッキならではといえるサイドカードが採用されています。
《ガドック・ティーグ》は全除去対策で入れてみたけどかなり感触良かったので、《僧院長》よりこれ増量のほうがいいかも。
モダンで大活躍中の除去カード《虹色の終焉》に対抗するにも最適ですし。
■まとめ
モダンは最高のおもちゃ箱ですね!!
正直言ってハートレス上陸以上のひらめきは向こう数年ないかなと思っていたので、自分でも自分の発想力が恐ろしい…と思っています。
しかしながら、まだこのデッキは「あと一歩」を勝ち切るデッキにはなっていません。
新たなたたき台を作った自負はありますが、ぜひ今後いろんなプレイヤーに揉まれて成長してほしいデッキです。
この記事を読んで興味を持ったあなた、拙作『スパイ・ファミリー』を広めたり、組んで回してみてもらえると嬉しいです。
ではまた。
この記事は無料記事ですが、新しい世界がひらけたと少しでも感じてくれたら投げ銭してくれると嬉しいです。
すき家の牛丼食べます。
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