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何もない週末

僕はわりに一人遊びが得意である。本を読んだり映画を観たり一人で旅に出たり、まあそんなところだ。音楽一つをとったって疲れてしまうバンドを組むよりアコースティックギターを宛てもなく鳴らす方が好きだし、ふらふらと一人で大人っぽいバーだって小料理屋だって入れるし(もちろんそれなりに身なりを整えて)、そんなところで静かに隣の人の話を聞いたり、時には目の前の人と話したりね。訳もなく感傷的な気持ちに浸ることだってできるよ。

だけど最近気づいたのだが、決して一人で居るのが好きな訳じゃなくて、嫌いな場所に嫌いな人と一緒に居たくないだけなんだ。ひどく好き嫌いがあるわけではないが、それでも僕は言葉にできない居心地の良さにこだわりを持っているのだと思う。

要するに、仕方なく一人で遊んでいるのだ。従って、僕の趣味は全部一人で出来てしまうものばかりだ。でもね、好きなものは好きな人と共有したり、理解し合ったり、反発し合った方が楽しいに決まってるじゃない。特に社会人の限られた週末の時間を1人で村上春樹のくだらないエッセイに費やすのは寂しすぎる。それだったら趣味の合わない恋人のくだらない趣味に付き合ってみるのも悪くないんじゃないのかと思う。

大学一年生の頃からそんな感じで、コミュニティには全く顔を出さないくせにやたら特定の誰かとは親密になれた。あの頃のお前は尖ってたよな、とか、果てには、お前に触発されて俺も一時期語学の友達と馴れ合うのやめてた、だとか言われたことがある。失礼な話だよね。

ヘッダーの絵は本が重なっている様子だよ。僕には絵心が無いね。

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