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硝子細工

テーブルの上の硝子細工は
オルゴールの音色とともに
ゆっくりと回転しながら
きらきらと光っていて
冷たいようであたたかいような
固いようでやわらかいような

どうしても触れてみたくなって
手を伸ばしそうになるけれど
もしも今このぐらついた
わたしの手の平に載せたなら
うっかり落としてしまうかもしれない

どの角度から見ても完璧に
余すことなく全ての光が
集められたような眩しさで
それはとてもうつくしく
それは時におそろしい
うつくしすぎるから

響くオルゴールの音は
速度を落とすこともなく
誰があのネジを巻いているのだろうか
何があのネジを巻いているのだろうか

もう嫌だ見たくない
いつか誰かがネジを巻く
そうして永遠にまわり続けるのだ
どこまでもうつくしいままで

響くオルゴールの音は
速度を落とすこともなく
誰があのネジを巻いているのだろうか
何があのネジを巻いているのだろうか


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