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今夜はダンスパーティー

ここにプリンがひとつある。
読み上げてみよう。

ホンモノは、おいしい
ミルクにやさしく包まれる
ジャージー牛乳プリン
クリームがかかった2層仕立て
とろ〜り

印字された文字を隅から隅まで声張り上げて
読みたくなるほど嬉しいことがあった。
あぁプリンの神さまありがとう。
ありがとうありがとう。
甘味が我が身に沁み渡る。
なんとやさしい味だろうか。
冷蔵庫にはプリンが二つ。
独り占めなどしない。
子どもらの分である。
帰宅して冷蔵庫を開けたらきっと
奇声を発するであろう。
喜びの雄叫びを。

口に出せば叶うと昔誰かに言われたから
同僚に声をかけられるたびに小さな声で呟いた。
わたし、プリン食べるの我慢してるんです。
願いが叶ったら心ゆくまで食べるんです。

なんだこいつ。
喉まで出かかった言葉を飲み込み飲み込んで
その願い、叶うといいねって
微笑んでくれたみんな、ありがとう。
すれ違う人々全てにありがとう。
たぶん明日ぐらいまで感謝に溢れた人間で
いられるはずだ。仏様のように微笑んで。


名もなきプリンすら且つ之を買ふ
いわんやオハヨープリンをや


プリンと名のつくものは全て抱きしめる。
なんたらクリームがかかっていようが
生であろうが焼であろうが
きみだけのプリンだろうがなんだろうが
差別はしない。

オハヨープリンを少しだけ贔屓していることは
他のプリン達にはどうか内密にしておいていただきたい。

はて何の話をしていたのだったか。


あぁそうだった。
今夜はダンスパーティー。


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