真昼の月
姿を消してしまったかと思えば
どこにでもあらわれる
ひかって空に落ちたかと思えば
叢の陰で微笑んでいる
遠く輝く真昼の月は
離れてしまったかと思えば
そっと背中を撫でている
黙ってしまったかと思えば
風が木の葉を揺らしている
消えたりはしないと言い残して
それでも姿は見えなくて
雨上がりの水溜まり
涙はぽとぽと落ちてゆく
あなたがわたしを
見失っているだけです
あんまり陽射しが強いので
入道雲にどこまでも
高く遠く羽を広げて
飛んでゆく鷲をいつまでも
眺めている
真昼の月は微笑んでいる
今日も変わらず微笑んでいる
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