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いつかまたどこかで

季節や時期によってものすごく眠ってしまう時とこまぎれでしか眠れない時の差が激しい。
わたしはどれくらい眠っていたのだろうか。
ずいぶんと長いこと眠っていたような気がする。
いや6時間ですよ。6時間の空白。
夜中に目が覚めなかったのは久しぶりだった。
いろいろなことが片付いてほっとしたのかもしれない。蝉が鳴いている。夏休みは明日までだ。
子どもらのはしゃぐ声が聞こえてくる。
早く出かけようよ!
時計を見ると7時だった。

夏が傾きはじめてからこまぎれで眠る日々が続いていてとにかくたくさんの夢を見た。
夢の中では過去も未来も現在も全てが混在していてもう会えないひとや動物やここにいるはずのないひとが一堂に会していた。
あぁなんだ、まだ生きていたんだ。
久しぶり。やっと会えたね。
もう行くの?じゃあまたね。
目が覚めて天井を仰ぐ。
夢か。そうか。そうだよな。
手を繋いだ感触が残っていて
いつまでも自分の手を見つめていた。

連絡は途絶え嵐は止んだ。
風の便りで子どもが生まれたと聞いた。
おめでとうございます。

夢の中でもたくさんのひとと出会い
たくさんのひとに手を振った。
ありがとう。さようなら。
また会いましょう。
いつかまたどこかで。

もうすぐ夏も終わる。
夏とともにわたしの中の何かも
終わるのかもしれない。


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