奇跡なんて呼ばなきゃ来ない
奇跡なんて呼ばなきゃ来ない。
コンコン。どうも奇跡です、なんてひょっこりやってきてくれるわけでもない。
時に偶然を装っておや奇遇ですなぁなんて微笑んでいたりするけれどそいつには別の名前がついている。ラッキーと呼ばれているそうだ。
自販機のジュースが2本当たった。
ピロリロリン。ランプが点滅する。ラッキー。
奇跡なんて呼ばなきゃ来ない。
呼べば来るのかほんとうに?
嘘だと思うなら大きな声で呼んでみよう。
おーい おーい
声が小さいぞ。そんなんじゃ届かないぞ。
案外スパルタっすね。
おーい おーい! こっちですよー
大きく手を振って声張り上げて叫び続ける。
わたしはあなたに会いたいんですよ。
そりゃあもう切実に。
私が一体何者なのか
あなたは本当に知っているんですか?
知っていますとも。
あなたは、、モゴモゴモゴ。
おやおやまだまだあなたには
私が見えてはいないようだ。
信じていないのでしょう。
言われなくともわかりますよ。
もっとはっきりくっきりと。
虫眼鏡を覗きこむかのように
イメージしてから呼んでくださいよ。
奇跡なんて呼ばなきゃ来ない。
だからわたしは叫び続ける。
おーい おーい おーーい
ひとつだけ教えてあげよう。
あなたが私に出会えた瞬間に
私は奇跡ではなくなるのですよ。
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