ある時
ある時思ったのだった。
世の中にはうつくしい人が沢山いて
家事も育児も完璧にこなしていて
美しい服と美しい心
いつまでも愛されるべき存在で
ママ友がたくさんいて
センスが良くて素直で明るくて
爪はいつでもピカピカで
メイクも完璧の完璧で
いつだっていい匂いがする
周りから憧れられる存在で
自分に自信を持っていて
悩みなんてひとつもない
わたしは生まれながらに完璧です
そんな人いないんだって。
それは自分と他人を比較しているから見えている幻想で結局はみんなおんなじで悩んだり苦しんだり人知れず泣いたりしながら生きてる。
どこを切り取るか。ただそれだけなんだ。
隣の芝生は青く見える。
楽しそうに見える人は楽しいと思える瞬間のシャッターチャンスを逃さない。レンズが曇ってきたらちゃんと時間をとって丹念に磨いている。
美しい瞬間なんてのはその辺に転がっている。
こんな人生クソだよ。くだらない。そうやって生きていくのも自由だ。わたしだってずっとそう思って生きてきた。でもある時気づいた。
クソくだらない人生にしているのは自分だ。
あらあらレンズがカビだらけじゃないの。
誌面を飾るロールモデル。丁寧な暮らし。
誰もがそうあらねばならないような錯覚。
朝ごはんは完璧に。お出汁をとってお味噌汁。
本当に自分にそれが必要なのか。追い求めることで心地良く生きられるのか。むしろ自分を追い詰めてはいないか。
ある時思ったのだった。
他人なんてどうでもいいという言葉はある意味正しくてある意味間違っている。
他人なんてどうでもいい、自分を一番大切にする。心の声を聞くという意味ではおそらく正しい。だからといって他人を傷つけてもいいということにはならない。何事もケースバイケース。
バランス取るって難しいね。いっつもグラグラ揺れているんだ。今日YESと言ったことが明日にはNOになっていて。何かを頑なに守ろうとすればどこかにズレが生じる。
中庸。ニュートラル。真ん中はどこですか。
ゆるーく生きていきたいもんです。