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雨降る夏のはじまり


私事ではあるけれど、7月7日土曜日から7月16日月曜日まで、実は夏季休暇をとっていた。というか、とっている最中である。弊社では7~9月の間の任意の3日間で、夏季休暇を取得できる。そのためカレンダー通りの休みが与えられている部署は、週末と繋げて、時には有給休暇も取得して、長期休暇を過ごす人たちもそれなりにいる。
個人的にはそんなに長い休暇は要らなくて、可能なら小分けにして取得したいと思っているのだが、私が所属している部署では、普段有給休暇をほとんど取得できない代わりみたいに、強制的に土日から土日までの9連休の取得をさせられる。正直、こんなに長く休むと、仕事が滞るし、恐ろしいのだが、部署の方針なので致し方ない。そして欲を言えば、個人的には9月に夏季休暇を取得したかった(7,8月は暑すぎて休みも有意義に過ごせなさそうだし、後半ばてそうだし、何よりも9月は旅行するための経費も安くなる)のだが、仕事の都合上、もうこのタイミングしか、長期の休暇を取れなかったのである。無念。

そんなこんなで、小学生の宿題みたいに、夏休みの日記を書いてみよう、などとふと思いつき、こうして文章を書くに至った。元々文章が長くなりがちな人間が10日間の日記を書くなんて、とてつもなく長くなりそうな予感がするのだけれど(前文の時点で既に長い)、noteに文字数制限はあるのだろうか。そんなことを考えながら、言葉を連ねてみる。

7月7日(土)

この日の予定は、「僕らの音楽を守るための戦争」という、神戸にて行われる音楽のイベントへの参加だった。7日の昼から始まるため、関東に在住する私は、前乗りをすることにした。

6日、夏季休暇取得前最後の出勤日に、同僚や上司に背中を押してもらい、わたしは19時過ぎに退勤した。この部署において、過去1,2を争うレベルでの早い時間の退勤である(だがこれでも約2時間残業している)。退勤後、新幹線に飛び乗ったはいいものの、頭痛と乗り物酔いで気分が優れず、自由席にも座れず。その間の記憶はあまりない。
名古屋まで来て、ようやく座ることができたのも束の間、一向に新幹線が発車しない。はて。そう、実は西日本は災害レベルの大雨の真っ只中。特別大雨警報が出ており、徐行運転をしていたので、少し運転間隔の調整をしていたのである。到着は遅れそうだなどとぼんやり考えながら眠るけれど、ふと目が覚めると、新幹線はまだ止まっていた。……否、もうそこは名古屋駅ではなかった。つまり、どうやら少しは進んだらしかった。けれども止まっているのは徐行運転をしているからか。などと思ったのも束の間、車内にアナウンスが流れる。桂川の水位が上がっており、京都・大阪付近ではさらなる徐行運転を行っているというのだ。終電でなんとか神戸まで行けるといいな、などと悠長に考えていたが、そんな悠長さは時間の経過と共に失われてゆく。

序章が長すぎるので、結論から言おう。
最終的に新幹線は2時間半遅れで新大阪に到着し、終電もなくなり、私は神戸に辿り着くことが出来なかった。さらにいえば、神戸で参加する予定だったイベントは中止となった。
神戸に行く術も、目的も失ったので、予約していた宿をキャンセルし、急遽大阪に宿泊し、翌日および翌々日は大阪や京都を観光することにしたのだった。
イベントが中止となったことや、新幹線が大幅に遅れたことなど、残念な出来事もあったけれど、ひっそりとわくわくしている自分がいた。
2018年7月6日、雨降る夜の大阪で、波乱万丈の夏の幕開けを迎えた。

そしてここからが、ようやく、7月7日の出来事である。
気になる雑貨屋さんを眺め、雨降る古本屋で本を購入し(ちなみに購入したのは、以前から気になっていたJ・T・リロイの「サラ、髪に背いた少年」という小説である)、雨漏りをするシャッター街と化した廃れた商店街を歩いた。それから忘れないようにたこ焼きも食した。

そして最後、ユニーバーサルスタジオジャパンに赴いた。実を言うと、去年も一昨年も友人に付き合って訪れていたのだが、某作品ファンである友人の付き添いとしてコラボショーやイベントのためだけに行っていた節があり、乗り物などもほとんど乗らず、去年に至っては仕事で疲弊しきっていて、入園中に何度か寝た始末であった。そんなわけで、本格的且つ主体的に楽しむのは初めてであった。
そもそも私は、テーマパークについてあまり関心がない。行けば楽しめるし、決して嫌いという訳では無いのだが、同世代の人たちよりも圧倒的に興味が薄く、それ故に無知である。ディズニーランドよりも温泉に行きたいなどと宣っている、精神年齢が老人みたいな感覚の20代女性なので、いつも一緒にいる人たちに何もかも任せてしまう傾向がある。
だが、今回は比較的主体的に楽しめたような気がしている。とはいえ、夕方からの入園だったので、ハリーポッターのエリアを重点的に攻めた形ではあるのだが。

ハリーポッターとの出会いは小学校中学年頃だっただろうか。少なくとも5年生の時に、サンタさんからのプレゼントとしてハリーポッター全巻(4巻の炎のゴブレットまで)を贈ってもらった記憶があるので、その頃には出会っているのだが、そこからかれこれもう20年以上も経っている。当時ファンタジーが大好きだったそると少女は、とにかく読み耽ったものだった。呪文の練習もしたような気がする。
個人的に好きだったのは2巻のハリーポッターと秘密の部屋である。ハリーポッターシリーズの中で、未だに最も鮮明にラストシーンをイメージできるほど、印象的だった。ラストシーンの駆け抜けるように謎が解けてゆくあのテンポが、とても好きで、ドキドキしたのだと思う。ちなみに映画は流し見しかしていなかった気がするので、いつかちゃんと観たい。
あとは死の秘宝のスネイプ先生が……などと語りたいのは山々だが、長くなってしまうのでまた別の機会に。少し話が逸れたが、私がそれほどまでにハリーポッターが好きだったのだと分かっていただけただろうか。

そんなことが根本にある作品なので、他の作品ならばあまりそんなことをしないのだが、ついうっかり、ホグワーツのローブと杖を購入してしまった。さくっと、ホグワーツに入学してしまったのだ。キャストの方々にも声をかけてもらい(元々こういった声かけへの反応は苦手だったはずなのだが、社会に揉まれてゆく中で、ある程度の返しができるようになったなと感じた)、各所で杖を振って魔法の練習を行い、ホグワーツの生徒には欠かせないバタービールも口にした。なんだろう、この楽しさは。テーマパークでこんなにも楽しんだのは初めてかもしれない。そんなことを感じた夜だった。

7月8日(日)

そんなわけで関西旅行2日目。そして最終日である。

帰り道がてら、京都に寄ることにした。向かったのは伏見稲荷大社。鳥居が長く連なっている、所謂“千本鳥居”のあるところだ。
実は2年前に一度だけ一人旅で訪れたことがある。そのときは夏真っ盛りで、ひどく暑い中1番奥まで黙々と上りきり、上りきったタイミングでTwitterで呟こうと思ったのに、圏外になってしまったという記憶がある。当時から変わらずTwitterが日常の隣にあった。あとその当時にはポケモンGOが大流行していて、私もポケモンを捕まえながら旅をしていた。伏見稲荷大社を下る途中で、カブトをゲットしたことを今でも覚えている。
そんな思い出がある伏見稲荷大社。この日は台風一過ということでひどく暑かった。ひどく暑かったことを言い訳に、今夏のかき氷デビューを果たした。京都なので、抹茶ミルク。宇治抹茶だったかどうかは忘れたけれど。
そして前々から欲しいと思っていた狐のお面をついに購入してしまった。これでまた撮影道具が増えたので、いつか神社×狐面×セーラー服の撮影をしたい。どうかお蔵入りになりませんように。併せて涼しげな団扇も買ってしまったので、今年はこの団扇を持ってお祭りに行きたい。今年でなくとも、いつか、近いうちに。
そんなこんなで伏見稲荷大社へ。お参りをしたり、重軽石を持ったり。勿論、千本鳥居もくぐった。以前に来た時も思ったけれど、ここは本当に人が多い。連なる鳥居の写真を撮るなら、早朝に来るか、奥まで行くかの2択なのだろうな、などと考えた。

あとはのんびりご飯を食べたり、京都水族館に行こうとして時間がなくなったり、駅の本屋さんに寄ったり。そんなどこでもできそうな行動も、全然、悪くなかった。というか、よかった。

そして眠りにつきながら新幹線で帰ってきて、駅で往路分の払い戻しをして(新幹線は2時間以上遅延すると全額払い戻しができるらしい)、帰宅。

いつもはぎゅうぎゅうにスケジュールを詰め込んでしまうのだけれど、こんなふうにゆるっとした旅も良い。というか今後はそんなふうにシフトしていきたい。

さて、結局まだ夏季休暇2日目までしか書けていないわけだけれど。だいぶ長くなってしまったような気がするので、一旦ここで区切ることにする。

またそのうち、3日目以降も書き留めていこうと思う。
ひとまず今日は友人の結婚式に向かう。幸福感を分けてもらってきます。

それでは。