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居合道をゆく 姿勢①

さて、第2回は姿勢についてです。取り組む姿勢とか内面の話ではないですよ。

やはり居合も他の武道やスポーツ、ダンスなどと同じで、体軸をぶらさないということはとても大事です。しっかりした体軸から繰り出される業はキレも威力も違うということです。

居合に関して言えば武器自体がよく切れる刀であるため、スピードやキレのほうが重要のように感じています。だから脱力状態からの一瞬の動き、体軸を固めてからのバネのような動きになるのだと考えています。

さて、姿勢の話。まずは立ち方から。

古武道や中国拳法などでは、かかと側に重心を置く立ち方のようですが、英信流や剣道では爪先側に重心を置く立ち方になります。おそらくこれは流派によって違いがあるように思います。前に攻めるという英信流の特徴、気配を消して抜き斬る居合、という要素が合わさってのことと考えています。草履にも都合がいいですしね。たぶん槍といった自分のより長い武器もあまり想定していないと思われます。

立ち方は肩幅ではなく胴の幅に足を広げて、膝をまっすぐ軽く落として爪先に7割ぐらい体重が乗った状態となります。居合腰とも呼ばれますね。逆にかかと側に重心を置く立ち方だと、腰掛けるように腰を落とすとできますね。スクワットのあれです。

背筋は丸めたり反ったりはせずに、常にまっすぐです。頭の上から紐で引っ張られているイメージと言われたりします。実際意識してみると、思ったより丸まったりしてて、嘘だろってなったりします。

前に斬っていく勢いでやや前のめりになることもあるのですが、背筋自体はまっすぐです。回転や捻りで斬るにしろ、真っ向に斬り下ろすにしろ、背骨が土台なわけで、まっすぐでなければなりません。

座った状態から立ち膝になる業でも重心は前の足側にあるように思いますが、よくわかってないのでわかったらまた書こうと思います。

また大事なのは居合腰の状態を崩さないということです。居合腰になって構えて抜き斬る、ここまでは普通に保てますが、そのあと追撃のために歩く、納刀するといったタイミングでつい上体が浮くことがあります。上体を浮かしていいのは、業の終わりです。すなわち、居合腰とは臨戦態勢のことなんですね。

背筋については、振りかぶったときや受けの姿勢などで仰け反る事があるので要注意です。

姿勢でもう一つ重要なのは、肩の位置です。自然状態の肩の位置は真ん中よりやや前にありますが、これより後ろに下がってはいけません。これは攻撃のためというよりは、常に即応態勢をとるためのことと思われます。肩が後ろに下がっていてはワンテンポ遅れるので。

即応態勢がとれるということは、弱点である正中線を守るということでもあります。腕を閉じて刀を体の中心に構える正眼の構えは正中線を守るという意味では強固なのですが、相手を倒すためには常にその状態というわけにもいかず、特に攻撃のあとはどうしても正中線を晒してしまう形になってしまうので、即応態勢は大事ということになります。

さて、姿勢についてつらつらと書いてきましたが、やはりまだ自分にはわかってない事があるのだろうなと思っています。多分一生かかってもわからないことは有るのでしょうが、探求すること自体が楽しいです。社会の状況とか他人がどうとか忘れて没頭できますね。それではまた。

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