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「宮崎正弘の国際情勢解題」令和2年(2020)10月1日〜10月10日

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月10日(土曜日)弐
        通巻第6667号   
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国が日本国債を買い増している。その真意は奈辺にあるのか
  表面的な理由は「米国債より金利が有利だから」
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 不気味である。2020年4月から7月の四ヶ月間に中国は日本国債を1兆4000億円分購入し、武漢ウイルスによる外貨払底を否定するかのような投資行為をなしたことが日銀、財務省統計で浮かび上がった(日本経済新聞、2020年10月6日)。
 ただし米国ファンド筋は2兆7700億円の買い越し、反対に欧州勢は3兆ドルの売り越し。

 中国が外貨準備の通貨構成比を、ドル重視から日本円に移行し、ドル交換停止という近未来の最悪シナリオに備えているかのようだ。なにしろ日本国債購入を3・6倍に急膨張させたのだから市場が注目する。

 中国の日本国債保有の累積額は2019年末に9兆4000億円だった。これに1兆4000億円の上乗せがあったと単純に計算すれば累積額は10兆8000億円になるので、海外勢の全体の8%を占めると算定される。
ただし市場関係者は中国の買い増し理由を「資本」「運用効率」「市場」のアングルでしか見ていないために「利回りが有利だから」とする分析が多い。

 日本の国債金利はゼロである。投資家が、金利ゼロの債券を買うはずがない。ところがドルを円に転換する場合、上乗せ金利が発生し、実質金利が1・2%になるという。このからくりを利用して、米国債券を日本国債に移管するというポートフォリオの組み替えである。
 まして世界的に孤立し、米国との対決姿勢を強める中国ゆえに、日本への発言力を強める手段として、国債保有増加を政治的武器に活用するという思惑がちらつく。
       
★「キルギス取材日記」 「キルギス取材日記」 
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 中央アジアの親日国キルギスで、政治情勢が急変し、大統領辞任を求めるデモが過激化、首都ビシケクに非常事態宣言が出された様子です。
 そこで、キルギス事情を書いた十数年前の取材日記を再録し、参考に供したい。
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「キルギス取材日記」
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(某月某日)キルギスは日本人に対してヴィザを免除しているためパスポート審査が長い。入国すると目にはいるのは西瓜、メロン、杏子。工業製品はない。行き交うクルマはドイツ製が多く、ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、ついでトヨタ、ホンダ、日産に三菱(四輪駆動)。バスは圧倒的に韓国勢だ。
 イシククル湖は琵琶湖の九倍もある。澄明で湖面には天山山脈の雪の高峰が映える。
 キルギスはカザフスタンの保護領並みで、カザフの紙幣が使えるかと踏んでいたら独自通貨だ。ただし至る所で両替所があり、交換レートの良さから順番にいうと米ドル、ユーロ、そしてロシア・ルーブル。次がカザフの貨幣、その次が中国の人民元。日本円は両替不能だった。
 宿泊したホテルのレストランで「キルギスのワインは?」と聞いたが「ありません」。替わりにロシアのウォッカがあった。

(某月某日)奥地のカラコルという町(人口六万強)に行った。ここに十九世紀末から中国を追われて逃げ込んだ漢族の回教徒、ドンガン族(中国系ムスリム)が多数棲んでいてモスクも三ヶ所にあるというのでそれを見たかった。
 地元の人達に「中国は怖いか」と聞くと「キタイ? 好きじゃないな」という返事だった。キタイとはロシア語で戦慄を籠めた中国の意味である。オロシアという中国語は通じない。そもそもドンガン族は中国語を喋れない。
 カラコルからさらに四輪駆動を駆って海抜2500メートルほどだろうか、中国国境へ向かった。天山山脈の最高峰「勝利峰」の登山口として有名な場所である。
 独特の山高帽(キルギス帽)、駒場らしく馬が縦横に駆け、羊がのんびりと草をはむ。
 のどかで、原始的な遊牧民の生活。かれらにも「キタイはどうかね」と聞くと、イヤな顔を見せた。
そうか、ここは中ソ対立のときに、巨大なソ連軍が駐屯していた現場なのだ。

 (某月某日) キルギスの首都のビジケクではマナス空港へ米軍基地(当時アフガニスタン戦争の兵站としてレンタルしていた)を見に行った。米海兵隊が2000人駐留していた。ビシケクの東30キロのカントという町にはロシア軍がいまも駐屯している。バランスを奇妙にとっているのである。
 地元の人は率直に「米軍は帰れ」というメンタリティであり、「え。日本に米軍が五万もいる? 日本って独立国じゃなかったっけ」とタクシー運転手に質問された。 
    
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@       【知道中国 2145回】               
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港27)

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 共産党政権は毛沢東革命が国民にもたらした恩恵を徹底教育するため、1963、4年頃から「憶苦思甜」運動を始め、文革期に徹底した。
革命前の封建社会の苦しく虐げられた過去を忘れることなく、革命によって実現した幸せを噛み締めよ、というのである。運動の柱の1つが吃苦飯(=吃苦菜)と呼ばれる試みで、みんなで集まって貧しかった時代の粗末極まりなかった食事を口にし、「苦しみを憶(おもおこ)し」、改めて「甜(よろこ)びを思(かみし)めよ」というわけだ。忠字舞は文革の盛時、紅衛兵ら若者が率先して演じた毛沢東への忠誠を表す踊りだが、これを集団で繰り返すことで一種の集団催眠・洗脳の効果を狙ったものだろう。

 1967年の香港暴動失敗の後、香港左派は街頭に立って一般市民に自らの主張を訴えることなく、いわば仲間内で密かに文革の真似事を繰り返していた。
もちろん当時、滑走路を走る香港という機体は繁栄に向けてスピードを一気に上げ、まさに離陸しようとしていた。だから一般市民が「毛沢東思想万歳」を掲げる左派が語るネゴトの類に耳を傾け心を動かされるようなことはなかったはずだ。

 だが彼ら当時の親中左派は愚行を繰り返していた。
参考までに、そのいくつかを示しておくと、「下放運動」であり、紅衛兵による「大串聯」であり、毛沢東思想宣伝のための「文工隊(=文芸工作隊)」であり、「憶苦思甜」であり、「吃苦飯」であり、「紅小兵」だった。だが、その全ては真似事(「ゴッコ」)に近く、文革最盛時に大陸で日常的に繰り返されていた一連の運動を、親中左派はそのまま香港に持ち込んだだけ。
それが彼らの意志なのか、それとも北京に対する忠誠心の証なのか、あるいは北京の強要なのか。それは不明だ。

 たしかに大陸では「百戦百勝」を崇め奉られ讃えられる毛沢東思想だろうが、香港では屁の役にも立たないのである。香港市民を動かす事は出来ない。そんなバカバカしい運動が一般市民に通用するわけがないことに彼らも気づいていた。
だが彼らはそうせざるを得ない立場にあった。やはり北京の顔色を窺うしかない、ということだろう。

 ここで「香港の文革」で見られた下放運動、大串聯、文工隊、憶苦思甜、吃苦飯、紅小兵について簡単に記しておきたい。

 下放運動は「上山下郷」運動とも呼ばれ、共産党成立からほどなく始められた。この運動が有名になったのは文革最盛時に紅衛兵(都市の若者)を農村に送り込み、農作業を通じて毛沢東革命と労働の尊さと学ばせようと企図したからである。
だが、これはタテマエに過ぎない。純粋であるがゆえに紅衛兵の先鋭部分が文革のインチキ振りに気づき始め、文革に疑義を抱く。そこで毛沢東ら文革派は彼らを都市から追放する。口封じだった。

 大陸における下放運動の内実はともあれ、香港でも下放運動は展開された。左派系中学校では教師も生徒も新界の農村に出掛け、援農運動を展開している。

 大串聯とは文革初期、革命の学習と相互交流を掲げ、全国の若者を北京に集め、あるいは全国各地の革命聖地を見学させるべく進めた運動であり、基本的には食費・旅費・滞在費の一切が無料だったと言う。
些か古い表現だが、アゴ・アシ付きの「ディスカバー・チャイナ」だった。
毛沢東を神と崇める純粋な若者の中には紅旗を先頭に、毛沢東の写真を捧げ持ち、数百キロの道を徒歩で踏破し、革命聖地を巡った者もいた。もちろん、途中の村々で農民や漁師を相手に毛沢東思想の宣伝を行ったわけだ。

香港でも大陸の若者と同じように大串聯(もっとも香港は狭いから「小串聯」では?)を敢行した若者たちがいた。洗いざらしの上着の胸に毛沢東バッチを光らせ、手にした『毛主席語録』の一節を全員で唱和しながら、数百人が隊伍を組んで新界の農村を練り歩く。もちろん隊列の先頭には毛沢東の写真が掲げられ、数多くの紅旗が翻っていた。
     
     (休刊のお知らせ)小誌、明日(10月11日)の日曜日は休刊です。
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(読者の声1)貴誌前号(SSA生)様のご意見ですが、渡邊惣樹氏がチャーチルの評伝を書くにあたり、正規の資料だけでなく周辺の資料などを使われたということは、よい方法だと思います。
 自伝は古来弁明の書と云われており、そのまま信用することは出来ません。そこで多面的な情報から、真実と思われる領域を狭めることが歴史家の仕事と思います。
 私の研究テーマのスターリンについても、彼の公式の評伝は山のようにありますが、現代ロシアでは彼が本に書き込んだメモを専門に研究する学術分野があるそうです。スターリンは図書館をもっていたほどの大読書家でした。その一つの例としてレーニンの「国家と革命」がありますが、これには「役に立たない本」と書き込みがあるそうです。
確かに独裁権を握ったスターリンには革命はもはや用はありません。またマルクスの資本論は数頁見たあとがあるだけで読んだ形跡はない。しかし妄想論であることは分ったでしょう。
 チャーチルについては、米軍高官のウェデマイヤー将軍はかなり酷評しています。一流の文筆家で口は立つのでしょうが、本当の戦略では、どうか。たしか第一次大戦のガリポリ上陸作戦の大失敗で一度は政治生命を失ったと思います。
 私が印象に残るチャーチルの言葉は、敗戦直後の余りにも悲惨なベルリンの街を見て副官のルメイ将軍に云ったという「来るんじゃなかった、見なければ良かった」が印象に残ります。              (落合道夫)


(宮崎正弘のコメント)渡邊惣樹氏の『英国の闇 チャーチル』(ビジネス社)は、ガリポリの敗戦に関しても書き込んでいます。

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(読者の声2)菅政権。まだ未知数ですが、日本学術会議のこと、こんなものに斧をふるうまでもないと思います。でも、やっぱりやるのですね。
 菅総理の生まれた湯沢市秋ノ宮は源泉郷。その一つ稲住温泉は武者小路実篤が終戦を迎えたところ。山を越えると「三途川」という小さな集落があり、その昔、湯沢駅から「三途川行き」の乗り合いバスが出ていました。乗ったことがあります。変な気分がしました。山道を歩いて三途川渓谷に下りると川が流れています。
 滝も、滝壺も、エメラルドグリーン色の温泉。何度も入りました。昔は誰も来ない秘境、今は道路が良くなって人が増えました。
 菅総理は、地獄行きの案内人か? あの目つき、注意を要します。
   (HN生、秋田)

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(読者の声3)YouTubeにて公開いたしました、拙訳にての映画をご紹介いたします。ドキュメンタリー映画「ドラゴンに乗って:バイデン家と中国の秘密 (原題: RIDING THE DRAGON: The Bidens' Chinese Secrets)」【日本語字幕版】
 https://youtu.be/Dy7U9rbOv84
 バイデン候補(息子ハンター)の中国マネー疑惑を描いた、ピーター・シュバイツアー(以前の著作には、『クリントン・キャッシュ』など)原作を映画化したものです。宮崎先生のメルマガの読者層のような方々を想定して、このたび日本語版字幕を作成させていただきました。ご参考になりましたら、幸いです。
  (藤井幹久)


(宮崎正弘のコメント)メディアは相変わらずバイデン勝利の予測です。ところがツィッターのフォロアーは、トランプはバイデンの八倍。少なくともSNSの世界ではバイデンが勝つことは難しいと予測できます。

●(編集部から)最近、長文の御投稿がかなり多く寄せられていますが、ページ数の関係で掲載しかねます。できれば600字 ~ 800字程度でお願い申し上げます。
           



●小誌通巻6666号! 記念号
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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月10日(土曜日)
        通巻第6666号   <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~シドニーとメルボルンで中国人の不動産投機が突然死
  貿易摩擦から豪中も激突、コロナと不景気が追い打ち
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 2013年から17年までの五年間にオーストラリアの不動産価格は70%も高騰した。いうまでもなく中国人投資家が豪不動産をばんばん購入するので、供給不足となった結果である。
 たとえばシドニー郊外のマンション価格は80平方メートルの物件で71万米ドル(邦貨換算で7500万円)。そのうえ、中国人は勝手放題に外国の不動産投資が出来るが、外国人の中国に於ける不動産所有は認められていない。

 2020年2月13日にモリソン豪政権が中国製アルミにダンピング課税をなした時から、中豪貿易戦争は始まり、中国ファンドの鉱山ならびに鉱山企業の買収禁止措置などが続いた。
中国が豪食肉の輸入を制限するなどの対抗策を講じ。そのうえ無実の豪市民を「スパイ」容疑とかで拘束し、露骨な圧力をかけた。豪市民の不快感は急拡大し、孔子学院閉鎖の声もあがる。

 豪政府は国民の声、不動産価格高騰の原因が中国にありという不満に応えて、外国人が不動産を購入する際、土地税を2%から8%にあげた。
 加えてコロナ災禍により、豪州への中国人ツアーは全滅に近い。

 日本でもベストセラーとなった『静かなる侵略』は、この豪が舞台である。
ハニートラップに引っかかった政治家も多く、まだラッド元首相らは、明らかに親中派である。ラッドは中国語にも堪能で、さかんにモリソン現政権の中国敵視政策を非難している。
       
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~社会の矛盾に素朴な疑問を抱いて一直線に政治を目ざす愛国女子
   こういうタイプの新世代が増えると、未来に明るい展望が拓ける

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小林ゆみ『君が代を歌えなかった私が、政治を目指した理由』(ワック)
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 北海道は美唄市生まれ。日教組がしぶとく教育現場を支配するところ。歴史、道徳、国語など教育が荒廃している。君が代にちゃんと歌詞があることを知らずに、サッカーの歌かと思っていた筆者は、偏向教育の現場で多くの矛盾に気がつき始めた。
 佐藤優氏の影響を受けて外国語大学をめざし、スウェーデン語を選択した。
ムーミンに影響されたというあたり、現代っ子である。使われる用語も、評者の世代が理解できない新語まで飛び出す。
 小林さんは最初、銀行に勤めるが、日々空しく、一念発起して自民党議員秘書のインターン生活。そして突如、杉並区議に立候補して上位当選、二期目は無所属ながら二位当選と、サイレント・マジョリティを引きつけた。
 こういう女性議員が誕生したことは、悦ばしい現象ではないか。
 参議院でも松川るい女史、衆議院では稲田朋美、杉田水脈女史。地方議員には無数の女性議員が男性顔負けの活躍をしている。
 これまで女性議員の枠に留まらず、しかも愛国的思想に傾いているのが最近の傾向である。
 なぜか。女性は本能でものごとを考えるからだ。屁理屈を云わず、自然に反応するからだ。正義や道徳に悖る行為や発言をなす議員を、その本能が許さないのだ。
男性はどちらかと云えば、論理的にものごとを考えて、行動するようになる。そうなると戦士には向かない。社会が衰退するのは男性の女性化である。とくに現代は「草食系」が増えて、女性に圧倒されるのだ。
 古来より、女性は強い男性に憧れ、豪腕な戦士の子を産んだ。社会が健全だったときに大原則である。これを忘れた欧州は、滅びゆくしかないが、日本の少子高齢化社会も、日本の衰滅に繋がりかねない。
 北海道ではアイヌ問題が燃え、背後に左翼の組織運動が連携した政治工作の結果だが、先住民族として認めた。筆者の小林ゆみ氏は美唄市にアイヌが殆ど居なかった経験から、それならアイヌの前にいた人々をどう扱うのかと初歩的な疑問を抱く。
 本書はまさに木訥にして素朴、初歩的な疑問から、自ら勉学して政治を志すいたる三十年余の人生を語るのである。
 社会の矛盾に素朴な疑問を抱き、一直線に政治を目ざす愛国女子が輩出中である。こういうタイプの新世代が増えると、未来に明るい展望が拓ける 
    
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(読者の声1)貴誌前号書評(千田稔『古代飛鳥を歩く』、中公新書)ですが、私は古代史、特に飛鳥時代は、半世紀、関わってきました。
在野史の『歴史研究会』に35年、在籍していますが、恥ずかしながら千田稔氏については貴稿で初めて知りました。
教科書でも聖徳太子はいなかった。大化改新はなかったと言われているので、大学教授を招いて歴史研究会でも大いに議論しましたが、千田氏の名は出ませんでした。今、初めて千田氏が震源地だと知りました。ありがとうございました。
私の持論も、聖徳太子は厩戸皇子だと確信しています。『聖徳太子』は、淡海三船あたりが、悲劇的な最期を迎えた厩戸一族を弔う意味の漢風諡号であると思います。
また『徳』という漢風諡号は、非業で崩御・薨去した人に贈ったといわれます。『大化』という元号は、日本書紀以後の書にはない。大化改新はなかったといいます。孝徳天皇の難波宮から発掘された木簡にも、戌申(648年か)の年号であり、大化四年とは記していないとある。
この二点をもって、大化はなかったと言います。
だが、地方には元号の習慣が行き届かず、貢納した税に昔のママを記したのかも知れません。考古学史料の少ない古代では、重要な出土物ではあるが、一点出土で結論づけるのは早計であります。戌申は648年かも疑問です。
 来年、古代史に関して出版しようと思っている小生です。千田氏はどういう事を書いておられるのか、図書館で本を借りて読もうと思っています。
  (斎藤周吾) 


(宮崎正弘のコメント)千田氏は万葉の専門家ですが、テーマを離れて逸話の箇所で、「大化の改新」は「乙巳の変」というのが歴史学界の常識だとか、余計な説明が散見されるのです。
 ですから、この人が震源地ではないでしょう。もっと他に文科省の検定で暗躍したグループがあると思います。

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(読者の声2)三島由紀夫先生の五十回忌が迫りました。月刊誌『正論』11月号が「未完の安倍政治」と並んで、「三島由紀夫没後50年」という特集を組んでいます。
その特集号のなかの宮崎先生の「今なお生き続ける三島が問うたもの」は名文です。また産経新聞社編集委員・宮本雅史氏の「三島らの『市ヶ谷の変』 いまこそ再検証を」、鎌倉文学館長・富岡幸一郎先生の「『文化防衛論』を今こそ読み返せ」も魂がこもった力作です。    (HS生、多摩市)

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(読者の声3)日本経済新聞の名物コラム「大機小機」の筆者たちはペンネームですが、玉石混淆。多くは専門家の筆による、審議委員会などから得られる情報や提言ですが10月8日のコラムは日本学術会議に関して管政権の「任命拒否、行革機運に冷や水」でした。
おかしな連中の利権と化けている同会議をぶっ壊すのが理想ですが、菅政権の措置はまさに第一歩の改革でしょう?
当該コラムの執筆者は反日勢力の同調者ではありますまいか。
  (YK生、横浜)
      
 << 今月の拙論 >>
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「三島由紀夫事件から半世紀」(『正論』11月号、発売中)
「中国共産党内部で権力闘争」(『テーミス』、12月号、11月上旬)
「湊川神社を再訪して」(『月刊日本』、11月号、10月23日発売) 
「五十年後、もう一人の主役=森田必勝」(『WILL』12月号、中村彰彦氏との対談。
 10月26日発売)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月9日(金曜日)
        通巻第6665号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~パンデミックの災禍で逆に肥った中国の億万長者たち
  新興財閥114名で稼ぎ出したのは1兆6800億ドル
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 一月にパンデミック本格化。十月になってもおさまらず米国の死者21万人、インド14万人。インバウンド業界は死にいたる病。飲食店は廃業が目立つ。失職し、自殺に追い込まれた人も夥しい。

 こんな時に荒稼ぎ?
 引き籠もり、テレワーク、食糧の配達。隔離授業、テレビ会議等々。つまり通信、ゲーム、運搬業が益々業績を伸ばしたことは明らかである。

 アリババ、テンセント、ネットイーストなど中国の新興企業のめざましいばかりの業績の躍進に助けられ、沈没寸前だった上海株式市場は、これらの重複上場で、なんとか維持できた。ウォール街から排斥される中国企業が多い状況下、一部の企業は香港と上海市場に重複上場をやってのけた。

 中国の新興企業、そのCEOらが稼ぎ出したのは1兆6800億ドルとなった。因みに米国の億万長者は10兆2000億ドル。2010年の中国の其れは2880億ドルだった。

 さらに因みにナイジェリアのGDPは4480億ドル,香港のGDPは3660億ドル。そのうえ、香港財閥は、中国の新興財閥の躍進に比べると、甚だしく数字が劣り、ランキングに辛うじて残るのは数社のみとなった。
 日本企業? 
孫正義は借金王。ゴーンが去って、高額所得者はほとんど不在である。
       
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 大化の改新は「乙巳の変」、厩戸王子(聖徳太子)は居なかった?
   うららかな万葉の基調に不協和音が雑然と混入

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千田稔『古代飛鳥を歩く」(中公新書)
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 日本のルーツを飛鳥に求めての浪漫の旅のような題名だから惹かれる人も多いだろう。
 しかし「飛鳥は近代である」(林房雄)。飛鳥は日本人のルーツではない。日本人のルーツは縄文である。前提となる歴史認識が違うのだが、さて読み進む裡に、不快な印象はぬぐえなくなる。
万葉の安らかにしておおらかな浪漫が雑音で?き消される気がするのだ。
 大化の改新を「乙巳の変」と呼び、厩戸皇子(聖徳太子)は居なかったという出鱈目を長々と紹介する。これがどうやら日本の左翼歴史学界の「常識?」らしく、げんに文科省の歴史教科書検定では、厩戸皇子を存在が疑わしいとして消し去る動きがあった。もはや文科省も左翼に征圧されたようである。
 大化の改新は、西暦645年(この年から元号を制定し、大化元年となる)、たしかに中大兄皇太子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)による蘇我入鹿の暗殺というクーデターが切っ掛けであり、蝦夷も自殺に追い込まれた、この「乙巳の変」なるは、暗殺事件による蘇我氏滅亡を指す狭義である。
 広義には公地公民などの政治改革は継続され、大化の改新とは税制を改め、半世紀後の大宝律令へといたる天皇親政システムの完成にあり、この間に難波への遷都も行われた。
 本書では直截な表現を避けているが、日本文化は朝鮮の影響が強く、仏教渡来前の基礎的な宗教は道教だ等ととなえるのだから、いまの歴史学界の混迷と錯綜を象徴するような内容である。
 前半の縦軸は蘇我稲目、馬子、蝦夷、入鹿の蘇我本宗家であり、崇峻天皇を馬子が暗殺したという暗い展開からはじまる。蘇我馬子は聖徳太子の保護者にして実力者だったが、やがて舒明天皇擁立をめぐって滅ぼされる。しかし蘇我本宗家は滅亡しても、分家一族は「石川」と改称し、やがて宋我氏として甦生するのが蘇我氏の系図である。
 蘇我を渡来人とは断定しないまでも、渡来人集団が飛鳥時代を、その文化的な素地を形成したなどと推定されているのも、大いに問題だろう。
最初からシナ、朝鮮に位負けしているのである。
 推古天皇崩御のあと聖徳太子の子らを差し置いて、田村皇子(舒明天皇)が即位されるが、この過程で蘇我宗家の衰退が明らかになり、初めて舒明天皇は飛鳥の中心部に宮を置かれた。
 従前、ヤマトのあちこちを皇居は移転してきたが、舒明天皇以後は、岡本宮から皇極天皇の板葺宮、斉明天皇の後飛鳥岡本宮、天武天皇の飛鳥浄原宮と天皇が変わるごとに皇居は移転した。
 天孫降臨のニニギノミコトもモデルは草壁の皇子で、これが古事記のモデルだと、著者が奇想天外な仮説を吹聴するに及んで、梅原猛のような古代推理小説の世界に迷い込んでしまう。せっかくの飛鳥万葉の旅も、雑音が多すぎる書となってしまった。
        
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@    【知道中国 2144回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港26)

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 「香港の文革」も大陸と同じように毛沢東がテンコ盛りだった。だが、やはり香港である。当然のことだが、どこかが違う。写真に見える金山楼の前を行き来する人々の服装は中国本土と違って色もデザインも多様であり、誰の胸にも毛沢東バッチは見当たらず、『毛主席語録』を持ってもいない。
だいいち誰もが穏やかな表情だ。

 どうやら「香港の文革」は限られた少数の左派が、限られた空間で、仲間内だけで盛り上がっていた。
広東人が口にする「戸締りをして家族で麻雀」に近い状況ではなかったか。つまり「盛り上がっているのは身内だけ。世間とは無関係」ということ。これが「反英闘争」(=「香港暴動」)に敗北した後の香港左派の偽らざる姿。いわば負け犬の遠吠え、であろう。やや強引な表現ながら香港における政庁(=英殖民地当局)と香港左派の力関係が、当時の国際社会におけるイギリスと中国の影響力の違いを反映していたのではなかろうか。

 そういえば明治・大正・昭和を生きたジャーナリストの長谷川如是閑(1875年~1969年)は、1910(明治43)年のロンドン取材からの帰路に香港に立ち寄り、イギリスが清国から香港を切り取った手段は必ずしも正しかったとは言えない旨を綴った後、だが「何しろ衡の一方が飛び上がって一方が地に着いている始末だから、両者の間の平衡は強者の意思に代って維持せられる」(『倫敦! 倫敦?』岩波文庫 1996年)と記している。

イギリスが手荒な方法で殖民地化した香港の運命は、長谷川が説くように「強者の意思」によって「維持せられ」る。だから香港住民の意思が入り込む余地はないと言うことだ。この長谷川の考えを敷衍して1970年代前後の香港における政庁と香港左派の力関係を考えるなら、香港は当然のようにそれぞれの背後に控えた「強者の意思に代って維持せられる」ことになる。
であればこそ香港の運命は、その時々の「強者の意志」によって左右されるのは致し方のないことだ。もちろん21世紀初頭の現在の「強者の意志」は異様に過ぎるが。

 さて「香港の文革」だが、実態的には仲間内の政治遊戯だったように思える。
仲間内であるから過激の度を加える。仲間内だからこそ、過激さを制御する力が働かない。そこでいよいよ以って過激に奔る。いわば過激の相乗効果であり、そこで勢い、ゴ本家の文革を忠実に過激に倣ってしまう。第三者の目には滑稽極まりないモノに映ろうとも、である。

 香港における中国の象徴でもあった中国銀行ビルの正面入口の上部には『毛主席語録』を模した2m×3mほどのディスプレイが掲げられ、その下には「我われの事業を領導する核心的力量は中国共産党である」「我われの思想を指導する基礎はマルクス・レーニン主義である」と『毛主席語録』の一句が麗々しく記されていた。

 同ビルの壁面いっぱいには、毛沢東に率いられた中国の躍進ぶりが8m×15mほどの巨大なキャンバスに可視化されていた。もちろん、インチキではあろうが。

 中央には両手で『毛沢東選集』を頭上高く掲げる労働者。右隣は左手で『毛主席語録』をシッカリと抱えた解放軍兵士。左隣は稲束を右肩に担いだ若い農婦。
彼らの周囲には少数民族を中心に毛沢東の教えに従って雄々しく団結する中華民族の姿。その上部の林立する紅旗を背景に「絶対無敗の毛沢東思想万歳」。「革命委員会は素晴らしい」「革命を捉え、生産を促せ」の文革式スローガン。その上には大河が描かれ、その左右に群生する向日葵。大河の左岸は近代的重工業工場群で、右岸は巨大発電ダム。そして画面最上部中央には毛沢東を示す巨大な真っ赤な太陽。ご丁寧にも、太陽からは陽光が四方に放射している。

 まさに文革当時の中国のどこでも目にすることの出来た毛沢東賛歌ではあるが、香港はゴ本家のそれとは明らかに違う。
描かれた人々の顔が不思議なまでに緊張感に欠け、漢字が簡体字ではなく繁体字だ。「香港の文革」は、左派のアリバイ作り。いや自己満足か。
      

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西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信  💕🐧
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未知のステージに入ったアジア外交
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 世界、特に東アジアが、未知のステージに入りつつある今、十月六日、東京に、中共と激しく対立し始めたアメリカ、オーストラリアそしてインドの外相が飛来して、日米豪印外相会合が開かれた。
 明らかに、南シナ海に軍事基地を造成して同海を「中共の海」とし、香港の自由を抑圧し、台湾を軍事併合する意思を露骨に顕し、我が国の尖閣諸島を奪って東シナ海を「中共の海」としようとしている覇権膨張主義を強める中共に対して、自由と民主主義を理念とする日米豪印諸国の結束を示す為だ。
 これで、新しく発足した菅義偉内閣が、やっと!「国家の内閣」になった。これまでの約一ヶ月間、マスコミに表れた識者や財界や政界の、菅新首相の任務に関するコメントは、曰く、安倍路線の継承、曰く、武漢ウイルス禍の克服と経済の回復という注文がめだった。
 やれやれ、何だこれは、まるで商店街の新会長に対する注文と同じではないかと思っていた次第だ。つまり風邪にかからないようにして、大いに儲けましょう、でっか。
これでは、日本は危うい。冒頭に記したように世界は未知のステージに入りつつあるからだ。つまり今は、八年間近く安倍内閣が乗っかっていた「状況」とは違うのだ。今、習近平を国賓として招くことに決めた、と発表できるか?!今、プーチンをウラジーミルと呼んで会談したら、何時まで騙されとるのか、アホか、バカか、もうやめろと言われる。
 従って、菅内閣が、安倍路線の継承をするのもいい、しかし、次の安倍さんの「やりたいけど、できなかったこと」を継承してはダメだ。「靖國神社に参拝したいけど、できなかったこと」「習近平の国賓を取り消したいけど、できなかったこと」「自衛隊を出動させて尖閣を守りたいけど、できなかったこと」「自衛隊により拉致被害者を奪還したいけど、できなかったこと」。そして、「トランプのように中共は敵だと言いたいけど、言えなかったこと」を、継承してはダメだ。
 日米豪印外相会合で、豪は中共と明確な対立状態にあり、印は中共と国境地域で死者が出る軍事的衝突状況にあり、米はポンペオ国務長官が明確に中共を非難したのに、我が国官房長官に、「特定の國を念頭においたのではない」などと述べさせてはだめだ。
肝心なことは言わないのが中共様の覚えもめでたく出世する方便と言わんばかりの官僚的処世術ではないか。これでは、シナウイルス禍の中、わざわざ日本に飛んできた他の三人の外相は、何をしに来たのか分からなくなり、虚仮にされたも同然ではないか。
 こういう姿勢は、国を狂わす。
我が国は東アジアに位置し、日米豪印外相会合は東アジアの中共の覇権拡大を抑止する会同であるのだから、我が国は、国策として積極的にこの連合の充実拡大に向けて動くときだ。これが菅内閣の任務であろうと思う。我が国の真南五千キロの赤道下に東西五千キロに及ぶ群島国家インドネシアが横たわっている。
 一九六五年九月三十日、中共の周恩来は、東南アジア第一の勢力になったインドネシア共産党に軍事クーデターを起こさせた。クーデター軍は、アフマド・ヤニ陸軍司令官ら六名の軍幹部を殺害しアブドラ・ナスチオン参謀総長を襲撃して取り逃がしたが大統領官邸を占拠した。共産クーデターは、成功寸前であった。翌十月一日の中共建国記念日に、周恩来は、天安門でインドネシア共産クーデター成功を伝えるつもりだったのであろう。
 しかし四十二歳のスハルト少将は、クーデター軍の制圧に乗り出し、大統領官邸と首都ジャカルタから共産党軍を追い出し、以後全国の掃討作戦に成功する。これを9・30事件という。
 単身、共産党軍の立て籠もる大統領官邸に乗り込み、共産軍首脳を恫喝して退去させたアントン中佐と親友だったトアン(オヤジ)と呼ばれた故中島愼三郎さんは、日本陸軍のインドネシア進駐軍の軍曹でインドネシア語を使う通訳だった。私は中島愼三郎さんから、現地で、9・30事件の制圧が日本を含むアジアを救ったことを教えてもらった。
共産軍を制圧したスハルト少将(後の大統領)をはじめとする将校達が、日本軍が創ったインドネシア独立義勇軍(ペタ)で訓練を受けた軍人であることを知った。スハルト少将は、大統領になったときに、日本の沼津に帰国していたペタの教官であった土屋大尉に
「教官殿、私は大統領になりました」と電話で報告した。
仮に、インドネシアが共産化すれば、北の中共と南のインドネシアに夾まれたインドシナ半島の諸国は、軒並みドミノ倒しのように共産化したであろう。アジアと日本存立の危機であった。
 9・30事件の説明が長くなったが、この歴史を振り返れば、インドネシアという国が日本にとって地政学上如何に大切か分かるであろう。そして、親日的な、
まことに親日的な仏教国ミャンマー(ビルマ)もインドネシアと共に、対中共アジア連合に誘い入れるべき国だ。一九四二年二月十四日、インドネシアのパレンバン製油所を制圧し、翌十五日、英国の東洋支配の牙城であるシンガポールを陥落させた日本軍が、ビルマから英軍を追い出し、インドネシアからオランダ軍を追い出しフランス軍の支配するベトナムに進駐したことが、インド独立と東南アジア諸国独立につながっていく歴史を見直せば、これからの我が国のアジア戦略は掌中に入る。
安倍内閣の時代は、中共とロシアの首脳との親密さを個人的にアピールしたが、これからの我が国のアジア外交の展開は、アジア諸民族の独立と日本民族の関わりという重厚な民族同士の歴史的絆に基づくものでありたい。
               (にしむらしんご氏は元衆議院議員)💕🐧

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(読者の声1)貴誌にて紹介のあった「英国の闇チャーチル」(渡邊惣樹著 ビジネス社)が先日、本屋の店頭に並び、すぐ購入し今読み終わりました。
「日本開国」草思社が世に出た2009年以来、渡邉氏の数々の著作を拝読できたお蔭で、それまで一般的歴史観をベースにこの世のカラクリに想いを巡らせてきた私は、鮮度の高い、全く別の視点からなる世界を見ることができるようになりました。
 1. 渡邊氏の歴史と既存の歴史はどこが違うのでしょうか? 既存の歴史は、概ね文字で印された記述は「第一級資料」とみなされ、「公式文書や自叙伝など
でも形の整った立派な書籍」であれば、とにかくそれが歴史の主流として刻み込まれてきたのに対し、渡邉氏の歴史は、これらの「たてまえ資料」を鵜呑みにせず、歴史に現れたり、周辺人物の私的なメモや手紙、そして当事者の生い立ち、人生観にまで深く考察したうえで、真相を浮かび上がらせるよう構築されているのです。これにて歴史資料の「価値の濃さ」が大きな歴史の流れを左右してしまうのだと改めて感じさせてく
れました。
2. また「英国の闇チャーチル」で想起されたことは、パトリック・ブキャナンが著し、河内隆弥氏が翻訳された「不必要だった二つの大戦」(Churchill,Hittler,and the unnecessary war :2013年国書刊行会)という大書の内容です。この書籍と「英国の闇チャーチル」の双方を読み、今まで世界を覆ってきた歴史観は大きく見直されるべきだと思いました。ただここにきて「昭和史観」を基にした歴史書籍が最近はすっかり勢いを失った感もあり、渡邉氏の「歴史修正主義」的書籍が主流になる日もそう遠くはないような気がいたします。
3. 更に「英国の闇」が今後の我が国の選択にも影響を及ぼしてくるような気もいたしました。最近は英国がEUから離脱したためなのか、ファイブアイズのメンバーに日本も加わるのはどうかと言ったジョンソン首相の発言が報じられ、日本では日英関係がそれほど緊密になることはとても良いとした反応がもっぱらだと思います。
けれど私は「英国の闇チャーチル」を読んでからは、むしろ英国と組む時はよほど注意しなくてはいけないと感じるようになりました。何しろ模範どころか、英国の議会は案外いい加減なのだとこの本で教えられたからです。これ心配しすぎでしょうか?       (SSA生)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月8日(木曜日)
        通巻第6664号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~十四カ国平均で61%とは何をあらわす数字か?
  豪で昨年度より24%増えた。英国でも19%増えた
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 中国と深く付き合う十四カ国の平均で、61%の人々が「中国は嫌い」と答えた。
昨年度の調査に比較すると豪で24%増えた。ファーウェイを袖にした英国でも19%増えた。
「中国が嫌いか、好きか」というピューリサーチの世論調査は、信用が高い。嘗てのギャロップの世論調査レベルである。

日本で中国が嫌いとする回答は86%と世界一である。国会とメディアの親中派路線とは、大きな乖離がある。ついでオーストラリアは81%が中国きらいと回答した。シドニーは400万人口のうち、50万人がチャイニーズである。にもかかわらず、この数字がはじき出されるのだ。
 
同調査は日米英豪のほか、スペイン、ドイツ、ニュージーランド、カナダ、スエーデン、韓国でも行われた。これら十四カ国の平均でも(親中のドイツ、韓国を含めて)、61%が中国が嫌い、そして習近平には信頼が置けないとする回答が圧倒的だった。

とくに欧州で嫌中派が増えたのは武漢ウィルスが大きな要因であり、マスク外交で提供された中国製の医療マスクが、オランダでフランスで不良品であったことに不信感が急増したからだ。この情報、ちゃんと北京の奥の院に陣取る、あの独裁者に伝わっただろうか?
     
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(読者の声1)ポピュリズム時代の税制を考えてみました。
(1) そもそも学問的見地からの日本学術会議の存在意義など、いままで誰も感じてはいなかったのが実情ではないかと思います。
「政治的ではなく飽くまで完全に学問・学術的論述から成る見解」が発表されたこともなさそうな組織に、又推薦行為が「私物化」されている組織に、10億円も税金が使われてきたことはむしろ糾弾されるべきで、それこそ河野大臣の「行政改革」の対象となるべきでしょう。
しかし組織の廃止が直ちにできないのであれば、日本学術会議の国税からの10億円出費を止め「学術会議納税制度」に改編し、彼らの「存在」を価値ありとみなす人の納税で運営させること。つまり菅総理の「ふるさと納税制度」の適用が、相応しいとおもいます。そして「政府から独立して意見を述べる」などと言った「大それた」設立目的は当然廃棄されるべきです。なぜなら今の我が国には学者に限らず「政府から独立して意見を主張する人や組織」が大勢あるではありませんか。
(2) 先々週だったと思いますが、福島原発が津波で損傷され、損害を被った人たちが国に賠償責任を求め、地方裁判所がそれを認めたと報じていました。
16メートルの津波が押し寄せることを予測できたか否かが争点であったそうな。と云う事は原告側が予測可能と強調する以上、現地では前もってその危険性が住民も充分認識できていたと云う事でしょう。
然るに全国の災害発生予測可能地域にこの災害対策地方税を新設し、この防潮堤などの建設コストの概要を住民に公表するとともに、それに見合った地方税額がいくらなのかを認識させることが肝要です。この制度を以って、ヒトは生活の場に災害予測外地域を選択するとか、徐々に災害予測地域からの移動を誘導する等の目安にしてもらう事ができると思うのです。つまり災害回避にかけるコストには限度というモノがあり、結局は国民各位のふところ具合になるという現実を認識させることが重要だと思います。
 税金とは国家や自治体の単なる「必要費用」とばかり認識せず、「人間が夫々の地域で生きてゆくためには、自分たちが負担しなくてはならない地域ごとに異なるコストとの兼ね合いを常時勘案する必要性を認識できる税制」がポピュリズム時代には求められると云う事です。    (SSA生)

(宮崎正弘のコメント)日本学術会議については、民間団体とすれば、それで解決するはずですし、いまやサイレントマジョリティは、そのことを望んでいますね。

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(読者の声2) 「三島由紀夫没後五十年。追悼の夕べ」のご案内です。あの驚天動地の衝撃から半世紀を閲しました。         
     記
    ●第五十回「憂国忌」
とき  令和二年十一月二十五日 午後二時開演(1300開場)
ところ 星陵会館大ホール(東京都千代田区永田町2)
<式次第>第一部 1400-1500
鎮魂式 乃木神社宮司と神官。●斎主=竹本忠雄
 第二部 1520-1545
記念講演「楯の会と蘭陵王、そして森田必勝」中村彰彦(直木賞作家)
第三部 1545-1645 『五十年目の真実』
追悼挨拶(順不同敬称略) 富岡幸一郎、執行草舟、村松英子、堤堯、松本徹ほか。
(メッセージ  森田治、ヘンリー・ストークスほか)
1650 「海ゆかば」合唱。閉会。
<代表発起人>入江隆則、桶谷秀明、竹本忠雄、富岡幸一郎、中村彰彦、西尾幹二
細江英公、松本徹、村松英子
●プログラムは予告なく変更されることがあります
●マスク着用をお願いすることになります
      (憂国忌実行委員会)

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(読者の声3) 宮崎正弘先生の新刊『一万年の平和、日本の代償』(育鵬社)、考えさせられる箇所が多く、読了するに時間がかかりましたが、ようやく読み終えたところです。
この本は従来の歴史学者たちの合理主義、資料重視主義ではなく、浪漫に溢れた歴史エッセイになっていると思いました。縄文と弥生時代は明確に区別できないこと、しかし弥生時代の渡来人が日本に来てから戦争が頻発しているという事実。それでも諸外国の戦争と比べると、まったく異なるのが日本史の特徴であること、すなわち基底にある「平和」という概念は、日本でしか通用しないこと、諸外国のそれは「和平」であることなどを傍線を数カ所に引きながら拝読しました。
冬休みでも再読する予定にしております。   (MG生、千葉)

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(読者の声4)先日のこの欄で「日本多勝一」氏の「中国の旅」の書評がありました。その夜の「林原チャンネル」でも当該本の紹介がありましたが、前半の音声トラブルと生実況でしたので、申込先のメルアドを記憶出来ない速さでした。
畏れ入りますが購入希望です。もう、一度メルアドをお聴かせ下さい。
ともかく本多勝一の本を信じている人がまだ多いのが現状、筆名の「日本多勝一」はじつにユーモラスです。
(TY生、墨田区)


(編集部から)「日本多勝一」氏の「中国の旅」の購入希望はメールで
 yama@sakura.nifty.jp
 (郵便番号、住所、お名前、電話番号を副えて。到着後、振り込みになります)
参照         http://ki43.on.coocan.jp/hon/hon.html
「宮崎メルマガを見た」と申し込めば、送料不要の由です。

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(読者の声5)貴誌10月5日号の書評、興味深く拝見いたしました。落合氏も述べられていましたが、更に補足させて頂きたく、私見を述べさせて頂きます。
 「南京大虐殺」は1971年、 本多勝一 朝日新聞記者が、中国側の資料を元に 裏付け取材なしに書 き上げられた記事『中国の旅』、『中国の日本軍』により世界中に広まった。 それらの記事の実態は、写真にはアサヒグラフなどの古い写真に全く虚偽の説明が付けられた捏造写真であった。
例えば,「日本の軍人に中国の女性が拉致されている」と彼が説明を付けた写真は、後に戦前のアサヒグラフに載っていた写真で、「日の丸部落という友好的な村の女性が、日本軍に守られて野良仕事から帰ってくる様子」を撮ったものと判明した。そのほか「日本人の軍人が中国人の家の中からニワトリを略奪した写真」と本多が説明した写真は、実は朝日の戦前の画報に載っていた写真であり、朝日の記者が友好的な農家に行ききちんとお金を払ってニワトリを頂いたときのものだった。
そのように、写真はすべて捏造写真であったがそれらはのちに南京大虐殺記念館に展示された。
当時の実情はといえば、軍団長松井石根大将が世界に恥ずかしくないように、後世の模範となるような行動をするようにと訓令、日本軍は軍規厳粛にして、秩序正しく南京に入場した。その直後より治安の回復を喜んだ中国人が続々と帰郷し、人口が1ヶ月間に元の20 万人から25万人へと5万人増加している。
その間下士官兵による暴行事件が2件と便衣隊(民衆に紛れたゲリラ)との小競り合いがあった程度であり、全く日本兵による事件は起きていない。南京の面積は江東区とほぼ同じだが、当時大勢いた外国駐在員、特派員らが誰一人として事件を目撃してはおらず、写真も当時の何万枚もの現場写真に中に、一枚たりともそれらしき写真は存在していない。
「南京大虐殺の証拠写真」となされるものはすべてがインチキであることがと判明している。
国民党軍の総裁であった蒋介石も生前、私は当時大虐殺などという報告を耳にしたことはない、と述べている。
30万の虐殺どころか、全く生じていない可能性が非常に高い。うそも百度言えば真実になる、という言葉があてはまる。まさに、中国独特の「白髪三千丈」の世界である。しかしながら、抗日記念館では現在も捏造写真のオンパレードであり、中国の少中高校生が反日教育の一環として、年2回訪問させられ、日本人に対する憎しみを植え付けられている。
我々がまず信ずべきは、日本軍人のモラルの高さが世界最高水準だった、ということである。        (HM生)

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(読者の声6) 瀬島龍三氏のことについて、10月7日通巻第6663号「読者の声2」の投稿がありましたので、浅学の身ではありますが、小生の知る範囲内で多少の意見を述べさせていただきます。
(1) ソ連との抑留協定論について
 共同通信社社会部編『沈黙のファイル』(新潮文庫1996年)によると、8月19日に行われた「停戦交渉」へのソ連側出席者イワン・コワレンコは「そもそもあの会談は(対等な立場の)停戦交渉じゃない。勝者が敗者に命令を下す場だったんだ。・・・(日本側はソ連側から)ほぼ一方的に指示をうけただけだ」と述べています(189頁)。
 コワレンコは「あの会談で何が話し合われたかって? 当事者は瀬島以外全部死んでしまったから、瀬島は勝手に事実をゆがめて話しているようだ。だが、ワシレフスキー(元帥)の副官だったこのコワレンコがいる。瀬島にとって私が生き残っているのは不運なことだよ」と語っています。(182頁、393頁)
 「ソ連軍と日本軍の抑留『協定』などあるわけがない」ことは、当然のことです。そのこと自体についてというより、瀬島氏が、その内容について「勝手に事実をゆがめて話している」ということはやはり、倫理的に問題があるのではないでしょうか?

(2) スパイ論
 瀬島が、ソ連のエージェントとなったのか否かについては物証などもなく、不明と言うよりほかないでしょう。しかし東京裁判の証人として選ばれた点など、抑留中は相当にソ連に迎合したであろうことは推定できるのではないでしょうか。(保坂正康『参謀の昭和史』文春文庫1991年、『沈黙のファイル』)
 もちろん、厳しく長い抑留生活ですから、よほどの強固な意志の持主であっても、卑屈と言われても、緊急避難的に、やむを得ない行為に逃げざるを得なかった状況はあったかもしれません。そのような体験もしていない身で、一方的に「弾劾」することは期待可能性からして酷かもしれません。
 しかしながら、状況に負け、緊急避難的であっても、恥ずべき行為に逃げた人物は、少なくとも、祖国に帰還できた「後の生き方」にはおのずから「自制」「自省」が必要とされるのではないでしょうか?(保坂52頁)

 (3)軍人の戦争責任論について
「このような米ソ指導者の巨大な戦略構想の上にあった戦争について、一軍人の責任を問うのは、まったくあり得ない発想です」というのは、「戦略構想」というよりも「政略」次元の話です。 
これと、「戦略」「戦闘」の問題とは、関連はあるとしても別次元のものです。
 既に、山本海軍大将愚将論で述べたように、たとえ日米戦争が不可避であった(政略面)と仮定したとしても、山本の真珠湾奇襲という作戦は、「戦略」からして天下の愚策であったと思います。 
 またミッドウェー海戦、ガダルカナル戦、インパール戦などは、「戦略」「戦闘」面で、極めて愚かな作戦だったと思います。
 これらについて山本大将、牟田口中将などの「将官クラスの軍人」について、責任が不問だということはありえないでしょう。
「戦争責任」は、開戦責任、継戦責任、敗戦責任などに解析されるでしょうが、少なくとも「敗戦責任」(多くの人命を犠牲にしながら、戦争に負けたという絶対的事実)において無答責とはとうてい言えないのではないですか。
 しかしながら、瀬島のような「左官クラスの一軍人」についての「責任を問う」などと言っているわけではありません。とは言えそもそも、大東亜戦争は左官クラスによってひき起こされ、彼らの指導によって負けた(下克上)という見方もあります。
瀬島について言えば、開戦時の行動(井口武夫『開戦神話』)、戦中における台湾航空戦における電報握り潰し(堀栄三『大本営参謀の情報戦記』)等、この人物の行動は。何らかの責任を問われるべき点が多いのではないか、と思いますがね。
 何度も引用しますが、保坂正康氏は、50代、60代の瀬島氏より年下の財界人に、瀬島氏について電話で取材を申し込んだ際、彼らのひとりが声をふるわせて
「あの方は、これまで責任というものを一度もとられていません。大本営参謀であったのに、その責任をまったくとっていないじゃないですか。伊藤忠までは許せます。戦後は実業人として静かに生きていこうというなら、個人の自由ですから、とやかくいうことはありません。それが臨調委員だ、臨教審委員だとなって、国がどうの、教育がどうの、という神経はもう許せません。私たち学徒出陣の世代だって、次代の人たちに負い目をもっているのに、瀬島さんは一体何を考えているのかまったくわかりません」
と言って、取材を拒否されたことを紹介されています。
 保坂氏はその電話口での語気の強さ、激しさに、自分の方が驚いてしまったと述べておられます(273頁)。
 以上、私は上記引用の著作を読んだだけですが、私の感性としては、瀬島という人物にはおぞましさを感じますがね。     (椿本祐弘)      

( 🙋‍♂️🙋‍♀️ 🐧も、そう思う・・・。)
      


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月7日(水曜日)
        通巻第6663号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~日本企業の中国撤退、第二陣は1670社
  第一陣87社に574億円の移転補助金、第二陣は予測の八倍
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 静かに日本は中国への方針を転換した。
 米国のあからさまな中国批判を横目に見ながら、およそ70%の日本企業はトヨタを筆頭に中国に留まるとしているが、9月末までに中国からの撤退を表明した企業は1670社もあることが分かった。

 補助金の合計は1兆7600億円となる。政府が掲げている予算は2486億円を上限としているから、第二陣の中国脱退希望組みのすべてに補助金が行き渡るとは考えにくい。予算の八倍になるからだ。

 日本政府は移転補助金を出すとしてから第一陣は87社。このうち50社は日本へ回帰するが、ほかはタイ、ベトナムなどに移転する。政府が挙げているのは「サプライチェーンの転換にともなう企業への補助」という名目である。

 なにしろ米国のCSISのレポートでは「日本の親中派は『二階─今井ライン』だ」としているように、日本の対中態度は曖昧であり、たしかに米国を苛立たせているのも事実である。

 人民日報は周章狼狽の態度を隠し『中国進出日本企業3万5000社のうち、撤退表明の日本企業は全体の5%にすぎない:』と強がりを述べている。
 上海の日本人倶楽部の分析では「政治路線の変化にともなく移転ではなく、人件費高騰を、その理由としている日本企業が多い」とした。こんなところにも中国への忖度が付随している。
     
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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台湾ボイス『TaiwanVoice』林建良 x 藤井厳喜 - YouTube  👇 オススメです 🐧

「自分だけが巨大化する癌細胞の略奪行為には際限がない」
  軍拡、勢力拡大、資源争奪などに狂奔する中国の浅ましさ

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林建良『中国雁との最終戦争』(勉誠出版)
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 あらゆる疫病の元凶はシナ大陸からである。不衛生、毒性の土壌、不潔な住民。毒素の強い食べ物、汚染された河川。疫病をつねに培養してきたうえ、それを諸外国へ輸出してきた。武漢ウィルスの前にもアジアをどん底に叩き込んだSARSがあった。
 中国国内でとどまってパンデミックとならなかった奇病など枚挙に暇がない。疫病大国=シナである。
 著者の林建良さんは医師である。
 ゆえに医学の見地を取り入れながら、人類の敵でもある中国共産党の生物兵器に関しての知識が専門的である。
 その訴えたいところの要旨を掲げると、「正常な細胞間には自分に必要な栄養だけを摂取するという共存共栄の秩序がある。癌細胞はその共存共栄の考えを持たない。(だから中国共産党は癌なのだ)」
 しかも悪性の癌細胞ほど拡散速度が、その伝染速度がはやいため、周囲の正常な細胞をも食い荒らして生存する。つまり「自分だけが巨大化する癌細胞の略奪行為には際限がない。軍拡、勢力拡大、資源争奪などに狂奔する」中国の様はまさしく悪性の癌である。
 そしてアメリカは、この悪性癌を取り除く決意をした。日本は悪性の癌の拡大にさえ、まだ気がついていない。
 さて本書の随所にさりげなく挿入されている逸話に評者(宮崎)は注目した。
 たとえば人民元という自国の通貨を信用していないのは共産党の幹部達だが、子女を欧米へ『留学させ』、賄賂で得た金を香港でロンダリングしてケイマンなどのタックスヘブンへ送り、欧米に怪しげな会社を作り、しこため金を貯め込む。自分さえ良ければ国家がどうなろうが、ほかの民衆が明日飢えて死のうが「関わりのねぇことでござんす」。
 習近平の自宅には3億4000万ドルのキャッシュがあると『ブルームバーグ』は、2012年6月29日に報じた。
 習の娘はハーバード大学へ留学したが、『身元保証人』はエズラ・ボーゲルだった。『海外逃亡した政府高官は二万人以上にのぼり、不正に持ち出したお金は10兆円を超えているという』(34p)。
 中央委員の92%の直系親族が欧米の国籍を取得している。
 「中国の省部級幹部の子女のうち75%が英国の永住権あるいは米国籍を所有しており、孫の代になるとその91%が米国籍」だ。
 ブッシュ・ジュニアの三男はニール・ブッシュ。
 香港に於ける中国のやり方を擁護し、制裁するトランプ政権を批判するというパンダ・ハガーぶりを示したが、かれはハニートラップニ引っかかったばかりか、江沢民の息子が64億ドルの資金で設立した「上海総合投資公司」の重役に迎えられ、200万ドルの株を貰った(124p)。
 バイデンの息子のハンターと、そっくりのパターンである。
 読み終えて、シナの暴虐を改めて思った。
     
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(読者の声1)中国の真のGDPについてですが、日本戦略研究会フォーラム(JFSS) 澁谷司アジア太平洋交流学会会長は

 の中で、以下のように述べられています。
 「2020年5月28日、李克強首相は、全国人民代表大会の記者会見で「中国には月収1,000元(約1万5,000円)の人が6億人いる」と爆弾発言を行った。この数字は国内ばかりでなく、世界にも衝撃を与えた。その際、李克強首相は同時に「2019年、中国人の平均年収は3万元(約45万円)」だとも指摘している。
 この数字は、「6億人の月収が1000元」同様、インパクトがあった。なぜなら、中国の人口が14億人だとすれば、国内総生産(GDP)はたった約630兆円にすぎないからである(ちなみに、昨年、我が国のGDPは約554兆円だった)。
 とあります。
この意味するところは、中国の総所得は45万円/人x14億人=630兆円であり。GDPの三面等価の原則(生産=分配(所得)=支出)を考えると、GDPは630兆円であるということになります。公式発表は1550兆円ですが、日本とそれほど変わらないというのが実態のようです。   (HM)


(宮崎正弘のコメント)小生の計算方法は公式数字の三割を水増しとし、さらに統計局の数字のトリックをさしひくと、おそらく最大でも900兆円、最低で700兆円としました。
 中国は面子にかけても本当の数字を公表しないでしょうから(いやそもそも誰も本当の数を知らない)、膨大な嘘の数字は並び続けるでしょうが。。。

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(読者の声2)  瀬島龍三氏について以下に感想です。
(1)ソ連との抑留協定論について
 ソ連崩壊後元ソ連の将軍は、戦争では勝者が敗者と協定すると云うことはない。従わなければ処刑するだけだ。だからソ連軍と日本軍の抑留協定などあるわけがないと述べています。抑留協定論はスターリンとソ連軍というものが何か分っていない発想です。
(2) スパイ論
 ソ連はスパイになったものを早期帰国させました。実際戦後のソ連スパイ発覚事件では飛び降り自殺した外務省職員がいました。しかし瀬島氏は長期抑留でした。これはスパイではなかった証拠です。彼が帰国できたのはスターリンの急死で米国の日独捕虜帰国の要求が強くなったためフルシチョフが折れたのです。
そうでなければソ連で殺されていたでしょう。
(3)瀬島氏の異例の出世
瀬島氏は帰国後伊藤忠商事に務め,その後政府の顧問になるなど異例の大出世をしました。これを見たソ連が口惜しがり、あれこれ謀略情報を流したのでしょう。
(4)軍人の戦争責任論
 よく言われますが意味不明の用語です。敗戦の原因ならパキスタンの大統領が原爆を作れなかったことと述べています。開戦事情では,スターリンが独ソ戦に備えて東部国境の日本を支那大陸の戦争に引きずり込んだ支那事変と、満洲欲しさの米国ルーズベルトの対日敵視が原因です。大東亜戦争は日本の自存自衛の戦争でした。このような米ソ指導者の巨大な戦略構想の上にあった戦争について、一軍人の責任を問うのは、まったくあり得ない発想です。
(5) 敗戦軍人論
 小生は瀬島氏の行革の講演をウィーンで聴いたことがあるだけですが、分りやすく明晰だったことを覚えています。本来シベリヤ抑留の苦労を慰労するのが筋なのに敵意を持つのは異常です。妬みでしょう。瀬島氏はその後シベリヤ墓参にも参加し、犠牲者の慰霊をされています。
 抑留帰国者の感慨「十年の苦闘の末に残れるはただ一遍の誠なりけり」前田忠雄陸軍中佐。   (落合道夫)    (そうかなぁ〜!?🐧!?💦)

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(読者の声3)日本文化チャンネル桜の特番。「宮崎正弘の地球の歩き方」です。

わずか六分のトークですが、ご高評を頂きました。
   (チャンネル桜)

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(読者の声4) 菅義偉総理についていろいろな見方があるようです。あるブログで菅総理のブログが紹介されていました。

 2010年からほぼ週一のペースです。民主党政権時代には台湾を二度訪問、韓国に対しては竹島問題で原則論を展開、『来週「竹島の日」絶対に譲らない強い姿勢』。

 携帯電話の料金問題とともにNHK改革についてもたびたび触れている。2012年5月28日のブログでは次のように述べている。
『私は総務大臣在任中から、受信料引き下げやNHKの内部改革に取り組んできました。当時から改革への抵抗はすさまじいものでした。
 NHK出身の会長では改革が進まなかったことから、民間の経営感覚を取り入れることが必要だと考え、NHKの運営監督や会長を選ぶ権限を持つ経営委員に富士フイルムの古森社長を推薦しました。その際に、改革に抵抗する幹部は、古森氏が経営委員長に選ばれないように、「富士フイルムはNHKにテープを納入している」と騒ぎ立てるなど、数々の妨害工作をしました。
 全く関係のないことをさも問題のあるように騒ぎ立てるのは、改革に反対しNHKを支配したい人々の常套手段なのです。
NHKは多すぎる職員数や高コスト体質が指摘されるなど、改革はまだまだ道半ばです。数土氏の辞任によって、改革の取り組みが停滞しないよう、厳しい目で監視してまいります』

 今回の学術会議委員の任命拒否と同根。アメリカの対中対決姿勢と日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)会議開催、全てが連動しているのでしょう。
コロナで話題のアビガン承認遅れも厚労省内でのサボタージュかもしれませんね。
  (PB生、千葉)

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(読者の声5)本年11月3日に米国の次期大統領が選ばれます。その選出プロセス等を踏まえ安全保障の側面も含めて、広く今後の日米関係等に関し、長く在日し今や日本人以上に日本を愛する米国人お二人と、新進気鋭の日本人米国研究者そしてトランプ関係の著書もある新進気鋭の日本人米国研究者そしてGII代表がパネルディスカッション形式で立体的に分析をして頂きます。
貴重な機会ですので、多くの方々の御来場を待ち申し上げております。
 パネラーは次の方々です。
 ●ロバート・エルドリッヂ氏:1968年、米国ニュージャージー州生。リンチバーグ大卒(国際関係論)。1999年、神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程終了。政治学博士。2001年、大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授。09年、在日海兵隊基地外交政策部次長就任。15年、退任。『沖縄問題の起源』『尖閣問題の起源』『オキナワ論』『トモダチ作戦』『トランプ政権の米国と日本をつなぐもの』、その他、著書多数。第8回中曽根康弘賞などを授賞。
 ● ケント・ギルバート氏:1952年、米国アイダホ州生。ユタ州で成長。1980年、経営学修士号(MBA)、法務博士号(JD)取得。法律コンサルタントとして来日。弁護士業と並行しタレント活動を行う。『新しいナショナリズムの時代がやってきた!』『日本人が知らない朝鮮半島史』『中韓が繰り返す「反日」歴史戦を暴く』『「与える」生き方』『私が日本に住み続ける15の理由』「新しい日本人論』『プロパガンダの見破り方』『粋で鯔背なニッポン論』『素晴らしい国・日本に告ぐ』他。
 ●松本佐保氏:神戸生。聖心女子大学卒業(歴史学)学士。慶應義塾大学大学院文学研究科・修士号。英国ウォーリック大学大学院・博士号(PhD)。イタリア政府給費留学生としてバチカン機密文書館でローマ教皇研究を行う。現在、名古屋市立大学大学院・人間文化研究科教授。『バチカン近現代史』『熱狂する神の国アメリカ』『バチカンと国際政治』他。
 ●吉川圭一氏:1963年、東京都生。筑波大学で修士号取得。参議院議員秘書、ペマ・ギャルポ事務所特別秘書等を経て2002年グローバル・イッシューズ総合研究所設立。代表取締役。11年、日本安全保障・危機管理学会ワシントン事務所長兼任。著書『楯の論理』『911から311へ 日本版国土安全保障省設立の提言』『311以降 日米は防災で協力できるか?』『日本はテロを阻止できるか?』『救世主トランプ“世界の終末”は起こるか?』、講演歴多数。

【日 時】 11月 5日(木)午後6時~8時 (受付午後5時30分~)
【会 場】 憲政記念館 会議室 (千代田区永田町1/国会正面向側)
【参加費】 2,000円 (当日受付にてお支払ください。)
【定 員】  60名  ※席の間隔をあけております。マスクの着用をお願いします。
【要申込】必ず以下の申込フォームからお申し込みください。

【共催】一般財団法人尾崎行雄記念財団。グローバル・イッシューズ総合研究所  


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月6日(火曜日)
        通巻第6662号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~日米豪印の4カ国外相会議、本日、東京で開催
  領土係争のインド、南太平洋の安全保証重視の米豪。日本は?
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 10月6日、日米両国にオーストラリア、インドを加えた4カ国の外相が東京に集合し、共通に認識する「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向け連携の強化を討議する。

 インドはとくに中国が侵略した領土問題で、日本の尖閣諸島問題を絡めて共同声明にどう盛り込むかに力点を置くだろう。
 インドの世論をみると「共産主義が間違いの元凶、インドから共産主義を叩き出すことがベストだ」とする強硬論が目立つ。

 豪の関心事も南太平洋の安全保障であり、これらに米国は人権、ウィグル、香港などの問題を絡めて来ると予想される。

 この日米豪印の4カ国外相は、2019年9月に米ニューヨークで初会合を開いた。
2020年はチャイナ・ウイルスの感染から鎖国状態となっていたなかで、日本で開催される初の閣僚級国際会議となる。

ポンペオ氏と茂木敏充外相、オーストラリアのペイン外相、インドのジャイシャンカル外相が出席する。
また菅義偉首相は就任後初の米国務長官との会談が予定されている。

 もっとも関心を寄せるのが、中国と台湾である。台湾は連携強化が台湾の安全保障に直截に結びつくからだ。しかし中国は包囲網突破の拠点として日本の活用を狙っているから、米豪印の強硬な中国対策と日本との温度差が縮まるか、現状維持か、注視している。
     
  ♪
樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@  【知道中国 2143回】     
  ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港25)

        ▽
 「不怕飢餓 不怕烈日(飢えも烈日も恐れない)」「剥削 剥削! 再剥削! 便是香港的繁栄!(搾取、搾取! 再搾取! これが香港の繁栄だ!)」である。この種の政治的惹句が大袈裟になることは致し方がないが、昨年来の香港の街頭で若者が掲げる「時代革命」「光復香港」との違いに、やはり半世紀の時の流れを痛感せざるを得ない。

さて中国系デパートの中間管理職の彼はインドネシア生まれ。幼い日に「9・30事件」に巻き込まれ、一家離散の末にインドネシアを脱出し香港に落ち着いたという。家族のその後は不明のままだったようだ。

 1965年に発生した同事件は、当時は中国を除き世界最大の党員を擁していたインドネシア共産党(アイジット議長)が文革の影響を受け武力で政権奪取を狙った。これをスハルト将軍を指導者とする陸軍が制圧したことで、結果的に政権が容共姿勢の「建国の父」と呼ばれたスカルノ大統領が退陣し、スハルト大統領が誕生し、1998年までスハルト長期独裁政権が続いたことになる。

 事件の経緯・真相に就いては謎が余りにも多く、一方的にスハルト陣営を断罪したところで問題は解決しない。事件に関わったすべての勢力--
スハルト陣営、インドネシア国軍内非スハルト勢力、スカルノ政権、インドネシア共産党、中国、さらにはアメリカ、あるいは旧宗主国のオランダにとって、おそらく1965年9月30日に集約される動きは「不都合な真実」の集大成であるはず。ならば「クサイものにフタ」という鉄則を翻し、パンドラの箱を開けるようなバカはいない。これまた国際政治の鉄則と言うものだろう。

 とはいえ事実としてはインドネシア共産党員を中心に犠牲者の山が築かれ、強烈な排華運動が起こり多くの華僑が犠牲になり、インドネシアを脱出し中国に戻った華僑も数知れず。
中国側は専用農場を設け、彼らの対応に当たったといわれる。当初はインドネシアの反動独裁政権の犠牲者として大歓迎したが、文革の渦中でもあり、彼らの面倒を見る余裕はなかったはずだ。彼らに用意された専用農場の多くが山間僻地の痩せた土地に立地されていたことなども重なり、見ず知らずの土地で過酷な生活を余儀なくされたわけだ。

 中国系デパートの中間管理職の彼は、どうやら中国に向かうことなく香港で育ったらしい。1980年代末に不治の病に罹り親族もいないままに異土に等しい香港で亡くなったが、第一日文の仲間が交代で手厚く看護し、最期を看取った。

 彼は自分の体験に基づいて、香港暴動後の数年間の香港左派の日常活動を語ってくれた。彼の記憶と、その後に手に入れた資料を基にして、1968年から70年にかけての「香港の文革」を素描してみたい。

 九龍の庶民の街である旺角の西隣に位置する大角嘴は、当時は小さな町工場と商店と港湾作業員の、いわば庶民・労働者の街だった。昼前の街を歩くと、港の仕事が一段落した労働者たちが歩道に屯し、ある者はしゃがみ込み、ある者は立ったまま、シャツを胸まで捲り上げて腹を露にした例のスタイルで、人群れの真ん中に置かれた大き目の茶碗を注視している。一瞬の静寂の後、賽子が2つ投げ込まれる。チンチロリンだ。

 そんな街の一角にあったレストラン金山楼で、1968年の国慶節に左派系労働組合の香港女服工会による国慶節祝賀集会が開かれている。
会場を記録した写真を見ると、レストラン入口の上部には、10m×5mほどの巨大な毛沢東の立ち姿の看板が掛かっている。足下の巨大な真っ赤な太陽の中央に記された「忠」の字がの周囲には、多くの向日葵が配してある。向日葵は太陽の陽光を浴びてこそ活き活きする。太陽である毛沢東の御恩を忘れるな、である。巨大看板の右端には上から下へ「最光栄的偉大的正確的中国共産党万歳」、左端には「世界人民心中最紅的毛主席万歳」と大きな文字。周囲に林立する五星紅旗
     
   ♪
(読者の声1)中国の周辺国への侵略を米中対立と言い換えるマスコミには厳重な抗議を!
 9月17日クラック国務次官が訪台し3日間滞在した前後、中国は台湾の領空侵犯を何度も繰り返した。これに対しテレビのワイドショーのコメントでは「米中対立に新たな火種」といったいい方をしている。
 しかし、この事件は中国による台湾の領空侵犯であり、台湾への恫喝であって、隣国である日本はそのことを真剣に憂い、このようなことがないよう解決策を探り実施していく必要があるということが本来の報道の姿勢である。
 「新たな火種」の原因がどこにあるかを無視して、「対立そのものが悪」という一般論にすりかえる論法を許してはならないと思う。被害者側も原因を作っているという極めて卑劣な議論の進め方である。
 こういったすりかえ論法はいかにももっともらしいが、よく考えれば米国の高官が台
湾を訪問しようと中国が領空侵犯をしてよい理由にはならない。
 だが、巧妙にいわれるとスパッと切り返すのが難しい。うまい切り返しが即座にできる方法をだれか教えていただければと思う。
 このようなマスコミの論調には抗議を続けていきたいので、読者の皆様にも抗議をお
願いしたいと思う。彼らの心の内面の倫理的優位はかなり落ちてきており、もう一息でマスコミの論調は変わると思っている。
   (NA生、台湾の声より)

  ♪
(読者の声2) 貴誌10月5日付「読者の声」において、(HM生)という方から、小生の投稿についてと思われる御意見に接しましたので、釈明させていただきます
 まず、何回か本欄を汚し、少しシツコ過ぎるかなぁとは思っておりましたので、そのことにより不快感を与えたとすれば、その点についてはお詫びいたします。しかしながら、御不快なら、無視するなり、削除されたらよいことでしょう。小生としては、むしろ、「反応」をいただいたことをありがたく思っております。
 なお、「無名の清貧老人」とあえて称したのは、竹中氏が「悪名は無名に勝る」と述べておられることを踏まえたためで、最近は、なんら恥じることもなく、忖度する立場でもないことから、本名を名乗って投稿しております。 なお、小生は、1946年生まれですから、宮崎正弘氏、森田必勝氏と同世代で、後期高齢者も間近となった「老人」です。 

 (HM生)氏は、小生の意見を全く受け入れられないようですが、意見が多様であり、それを表現できる場があることは、それだけ社会が成熟してきた証でしょうし、私としては、むしろ歓迎すべきことかと思っております。小生の意見を受け入れられないなら、できれば、自らの意見を、より具体的に開示していただければと思料いたします。

 ご意見をいただいたので、一応、小生の意見を述べさせていただきます。
 「日本国のみがこの30年間GDPが増加せず、一人当たりGDPが2位から26位に転落した、この長期にわたる停滞を生じせしめた主たる因子は、・・・・であって、
竹中氏がそれに責を負うべきとは何ら考えません」と述べられていますが、私は、竹中氏が、「それに責を負うべき」などとは申しておりません。 率直に言って、
竹中氏は、そもそもは独立法人の一職員に過ぎず、それほどの「大物」とも思えないし、むしろ、「この程度の人物」が、一国の経済政策に大きな影響を及ぼして
きた(この点をもHM氏は否定されるのでしょうか?)ことを、一国民として(私は)情けなく思っているところです。しかし、この30年近くの内で、時には経済財政担当大臣として、時には総務大臣として、また、閣外にある時期においても、相当の期間、政府の公的委員会に参画してこられたのですから、その「責任の一半」はあるのではないか、と述べたはずです。(HM生)氏は、このことさえも否認されるのでしょうか?
 また、何度も引用しておりますように、藤原正彦氏は「(竹中氏は)学界と政界を遊泳した『一代の詐欺師』との感を深くする。この人物の巧みな弁論術にここ十数年、政治家、マスコミ、そして国民が欺されてきた。彼は今も安倍政権に食い入っている。何故にかくも多くの人々が、かくも長期間、かくも簡単に欺されてきたのか。真贋を見抜く力を失った国民、これは民主主義の根幹に関わる問題(である)」と述べておられますが(2013年、第12回新潮ドキュメント賞選評)、(HM生)氏は、この藤原正彦氏の意見については、どう考えられるのでしょうか?
 また私は、竹中氏から連想する人物として瀬島龍三氏を挙げ、瀬島龍三氏は、敗戦、シベリア抑留問題の責任の少なくとも一半を負う立場であるにも関わらず、明確な反省と釈明を行っていないと思います。瀬島氏の戦後の「活動」について、「瀬島氏にも生活があるのだから、商社の幹部を務めることまでは理解できる。しかし、敗戦軍人であるにもかかわらず、一国の政策にまで関与することは許せない」と評した戦中派の方がおられる(保坂正康『瀬島龍三参謀の昭和史』文春文庫273頁)ということを紹介いたしました。
 この瀬島氏にしても、階級は終戦時で中佐であり、日本の開戦、敗戦に「責を負うべき」などと言っているのではありません。しかし、瀬島氏が、開戦時、戦争中、日ソ終戦交渉において、相当の役割を演じておられることからすれば、少なくとも「責任の少なくとも一半を負うべき」だということは至当なのではないでしょうか? この点、竹中氏に共通するものを感じるのです。

 また菅新首相についても「基本的には、政治家の評価に『経歴』が関係するべきではないと思います。黒い猫であろうと白い猫であろうと、適切な成果を出してくれればよいのです。・・・・ いずれにせよ、一国民としては、菅新首相がどのような経綸を発揮されるのか、注目するよりほかないでしょう」と述べているはずです。 
 ただし頭から否定しているわけではありませんが、私の受ける印象として、浜矩子氏が「菅義偉新首相の映像がテレビ画面に登場する度に、我が母が吐き捨てるように言い放つ言葉がある。官房長官時代からそうだった。その言葉は『奸佞(かんねい)』である」と述べておられることに「共感」する、と言っているのであって、(HM生)氏が、「菅首相も他の首相候補よりずっと期待の持てる、現況では唯一の期待の星です」と言われるなら、それはそれでよいのではないでしょうか?
 以上、小生の言を、「執拗、陰険な言い回し」とも述べておられることもあり、できるだけ簡単に、とりあえず、釈明させていただきました。
  (椿本祐弘)


(編集部から)以後は繰り返しになりそうですので、この論争はこのあたりで打ち止めとしてください。

  ♪
(読者の声3)貴誌前号書評にあった日本多勝一氏の『中国の旅』で、中共の反日展示施設の現状を知りましたが、中国共産党は時々の対日政策の都合で展示を変えるので、国民も信用しないのではないかと思います。
日本人は一切否定がよいでしょう。南京事件については30万人の処刑には、アウシュビッツ収容所以上に巨大な収容設備が必要ですが、全くないので科学的に否定されます。
先般、石平氏のユーチューブ講座を見ていたら、彼が北京大学の哲学科に在学中、南京出身の同級生がいたので、南京大虐殺について聞いたところ、当時父の親戚が市内に何家族もあったが、日本軍に殺された人は一人もいなかった、と答えたという。
これは避難市民が直ぐに南京市内に戻ってきたという事実からも頷けます。日本が南京を占領したのは、講和を進めるためでしたから、市民保護は当たり前のことでした。
  (落合道夫)

  ♪
(読者の声4) 菅首相が、政府機関「日本学術会議」が推薦した新会員候補のうち、6人の任命を見送った事について、当の学術会議、マスゴミ、野党(立憲が挙って反対の主張を展開してきております。
 本来であれば、問題にならないことを問題視して、毎度のことですがここぞとばかり政府を批判しております。小生、以前からこの日本学術会議は中国、北朝鮮と通じる反日的な団体であると認識、理解してきております。
 日本の歴史、伝統、文化、それに日本の未来にとって問題があると認められる場合には、拒否するのは当たり前の事であり、これに対して学術会議は菅首相に説明を求めるとしているようです。(午後7時のニュースで首相が説明しておりましたね。)
 もしそうだとすると日本学術会議側も推薦した理由、判断基準を我々国民に分りやすく説明、示さなくてはならない。この問題で騒げば騒ぐほど一番困るのは、日本学術会議であり、立憲ではないのかと思う。
政府機関であるならば解散も一考すべきであると思う。年間10億円の税金が投入されているのですから。(鈴木秀寿)

  ♪
(読者の声5)ここしばらくアメリカ史関連の本を読んでいたのですが、アメリカは人工国家とはいえ、キリスト教とは切っても切れない関係。
 近年ではメイフラワー号による清教徒の上陸からのアメリカ史がかなり脚色されたものであり、その反動からか建国の英雄まで否定する流れも多いようです。なかには清教徒というカルトにより建国されたという論調まである。
実際にマサチューセッツではクエーカー教徒が追放されたり死刑になったり、ボストンでは魔女裁判が行なわている。初期の清教徒はクリスマスすらカトリックの祭りだと排斥したほど。
 聖書にない大陸ということからアメリカをニューエルサレムとする見方もあればキリストの力の及ばないサタンの地だというサタニズムも盛んになる。
次々に預言者を名乗る者が現れては消え、出エジプト記をなぞるようなモルモン教徒の大移動までありました。
 アメリカのキリスト教がどれほど特殊なのかセシル・チェスタトンが100年前に「アメリカ史の真実」という本に書いています。
第一次世界大戦前後の話ですが、その本の記述によると『絶対禁酒主義』として「全州の半分は「禁酒」を行い、私たちイギリス人には常軌を逸していると思われる法律が成立した都市もあった。喫煙を禁止し「浮気者監視官」という特別女性警察隊が設置された」
 イランの革命防衛隊みたいな話ですが、もう一歩すすめばナチスドイツになりかねません。宗教は来世のことならどんな思想でもかまいませんが、現世のことにはあまり関わってほしくないというのが正直な気持ちですね。
  (PB生、千葉)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月5日(月曜日)
        通巻第6661号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国共産党員の米国移民は認めないとトランプ政権
  すでに250万の移民、110万中国人にグリーンカード。遅くないか?
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 10月1日、米国移民局は「国防権限法」に従い、こんご、中国共産党員の米国移民を認めないこととする、と発表した。
 2018年までの累計で、すでに米国へ移住した中国人は250万余。メキシコ、キューバについで多い。全移民の5・5%を占める。2018年単年度だけでも6万7000人の中国人がグリーンカードを取得した。

当初、トランプ政権は「中国共産党員の『入国』を認めない」としていたが、ヴィザ申請時のチェックで、共産党員を識別することは不可能であり、その後の検討の結果、『移民』を認めないとレベルダウンしたことになる。

ところが中国側の反応はポジティブなのだ。
「才能ある人々を中国国内に留めることが出来る」と表面上、素知らぬ風情を示威した。ところが実際には、共産党幹部の多くが、ひそかにグリーンカードを得ており、習近平政権は、この現実に業を煮やしてきた。

過去三十年ほどの間に、夥しい共産党員が米国に移住し、また永住権を得ている。チャイナタウンに店開きの法律事務所は、永住権、移民の手続きを代行するところであり、ずっと繁盛してきたのである。

また習近平の娘は米国留学、政敵だった薄煕来の息子はハーバード大学から、そのまま米国に暮らしている。胡錦涛の番頭だった令計画の実弟、令完成も米国へ亡命したままである。
     
  ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆ 
  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国全土の「反日記念館」をじっくりと撮影旅行してみた  
  フェイク写真ばっかりだが、れれっ、本多勝一の写真も撤去されていた

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日本多勝一『中国の旅』(依代之譜)
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 最初から抱腹絶倒なのは筆名が洒落ていることだ。
 日本が勝つという寓意が籠められているかのようである。なにしろ嘘八百を並べて中国の代理店となった朝日新聞記者、中国では今も英雄かとおもうと、或る反日記念館では飾ってあった本多勝一の写真は撤去されているという。
 著者は中国全土の「反日記念館」をじっくりと撮影旅行したのだ。ご苦労様!  
 評者(宮崎)も北京の軍事博物館を、石平氏と観察に行ったとき(十年前は、ふたりして中国を大声で批判しながら北京を歩いても、なにもなかった)、玄関にミサイル、戦車、戦闘機をどかんと飾って、別の棟へ行くと、中国の過去四千年の戦争史、なかでも圧巻が、じつは日本軍の兵器なのだ。世界広しと雖も、戦前の帝国陸海軍の兵器をここまで多彩に揃えている歴史館はない。もちろん、日本にもない。
 北京軍事博物館見学の感想を石平氏がぽつりと言った。
 『要するにこの展示では戦争が悪いとは一言も書いてありませんね』
 さて「日本多」氏、2000年頃から十年ほどかけて、中国全土の反日記念館の主なところを巡回し、撮影を続けてきた。
場所によっては時間間隔をあけて、二回、観察に行った。たとえば平頂山や南京の記念館は新装、改装されて、展示内容にも変化があった。南京ではアイリス・チャンが中庭に金ぴか像、内部の展示は外国人「ジャーナリスト」の証言のパネル展示ばかりである(かれらが宣教師宣伝隊や、蒋介石に雇われたスパイだったことには一言も触れていない)。

 遼寧省の入り口、大連はもちろん、二百三?地、東鶏冠山、ベトン基地、そして水師営が目的地となる。
東鶏山北保塁が保存され、観光スポットになっている。日本は敵将のコントラチェンコ少将を悼んで、ここに石碑を建てた。
著者は言う。
「敵将をも讃える武士道精神の発露、という国を超えたいい話なのですが、中国の人の考え方は奥が深い。碑の横の説明看板にはこうああります。『戦後、日本軍はそのだ寛大な度合いと戦功を誇示するため、ここに石碑を建てた』
 じつは評者らも、ここで中国人ガイドと論争になった。敵をもあっぱれと追悼する精神は中国人にないこともわかった。だからシナの民は靖国神社に魂魄があつまるという鎮魂の儀礼は理解できない。
 評者は訊いた。「ところで日本人の戦死者の墓はどこにありますか?」
 ガイドの目がテンになった。なにしろ墓を暴く人たちが、敵の骨を埋める筈がないではないか。


 ▼「水師営」の会見場は完全なレプリカ、隣の食堂が経営

 水師営は、大正5年に祈念碑が建立されていたが、「昭和二十年、侵攻してきたソ連軍は、石碑はダムに沈め、家屋は破却、ナツメの木も切り倒してしまった」。
 いま再建されているのは隣のレストランが、日本人観光客を当て込んで再建したものだ。
すべてがレプリカ、弾丸跡も偽物、ナツメの木は高さから見て近年の植林と分かる。『古色から文字のニュアンスに至まで巧妙に再現している』(9ページ)。
 さらに著者は奥地へ行く。
大連のさきに軍事都市として秘密のベールの蔽われていた旅順が公開されたのは十数年ほど前、評者もまっさきに行ったが、この旅順には安重根が処刑された刑務所跡地もある。
 奉天(瀋陽)では張作霖爆殺事件現場、「九一八記念館」。瀋陽に近い撫順刑務所跡(ここで日本軍兵士が洗脳され、かのシナの政治宣伝日本支部ともいえる「中帰連」が誕生した)。 
 撫順は露天掘りの石炭の町だが、ここに皇帝溥儀も収監された。その部屋が展示されている。
 新京(長春)には皇居(皇帝溥儀の仮御所)は偽満州国の展示がある。
 中国が必ず「偽満州国」「偽皇居」というのは満州建国を認めない立場だからだ。
「正史」に書いていないことは認めない。なんたって権力を握ったら、歴史を全部改竄し、正統性をとなえるのが「正史」だから、真実も異論も排斥する。
傑作は「偽軍」である。えっ? 何のこと、係員に説明しても、答えられない。そんな風に教え込まれているからで、つまり日本と戦ったのは共産党だと言い張る。抗日戦争を戦った主体は蒋介石だったが、そのことは伏せて、国民党軍は「偽軍」となるわけだ。
 哈爾浜では七三一部隊の『陳列館』があって、出鱈目な人体実験とかの展示がある。あまりに不潔な衛生環境で、疫病対策を講じていたのが同部隊だったのだが、真実はどうでもよいらしく、共産党の宣伝にひっかかってアジビラを書いたのが森村誠一だった。
 錦州にも戦役記念館がある。天津にも平津戦役記念館。そして、極めつけ、首都北京には「人民抗日戦争記念館」がある。しかも、これ日本政府が財政支援したのだ。
 真っ赤な偽物『田中上奏分』が展示され、数々の虐殺写真は、「シナ官憲に処刑された満州匪賊のもの」「シナ兵に殺された日本人の解剖写真」も、日本軍の仕業とされている。
 すでに中国が『証拠』としてあげた写真がすべて嘘であることは証明されているので、これ以上の説明は、すくなくとも、このメルマガの愛読者には不要である。
 撮影の旅は南京へと続くが、所謂『南京大虐殺記念館』、評者も昔のものと、新装なって大々的に再開したときと二回、見学したが、この著者も前後二回、南京へ飛んでその比較をしている。
 驚いたのは雲南省の奥地、インパール作戦で引き揚げる日本軍が戦った拉孟、騰越にまで足を延ばしていることだ。後者二つも、樋泉克夫氏、高山正之氏らと評者は見学にいった。そのことは他にも書いたので割愛する。
 ともかく中国全土、著者はこまみに歩いて撮影をつづけてきた。本書の根幹をなすのは貴重な写真である。
 評者も、このほかに孫呉、黒河、愛軍記念館から満州里、広州では孫文の臨時政府記念館も行った。錦州戦役記念館だけは、訪問したときは休館日だった。

 主な内容は次の通り。
 ◆大連/アカシアの大連・鉄路鍋炉安装工程公司・金州城外南山戦跡◆旅順/二〇三高地・東鶏冠山北堡塁・望台砲台・水師営会見所・旅順監獄・旅順万忠墓
紀念館◆奉天/満洲某重大事件・「九・一八」歴史博物館◆撫順/撫順炭鉱・平頂山殉難同胞遺骨館・撫順戦犯管理所◆新京特別市/満洲帝国・満洲映画協会
◆哈爾濱/侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館◆錦州/遼瀋戦役記念館◆天津/平津戦役紀念館◆北京/中国人民抗日戦争紀念館・抗日戦争彫塑公園・中国人民革命軍事博物館・中国空軍航空博物館・北京航空航天大学 北京航空館・北京坦克博物館・中国民兵武器装備陳列館◆上海/上海海軍特別陸戦隊本部・八百壮士英雄抗日事跡陳列室・上海淞滬抗戦紀念館・上海龍華烈士紀念館◆南京/侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館・南京渡江勝利記念館・南京神社◆西安/西北工業大学 西安航空館◆騰沖(騰越)/テン緬抗戦博物館
●B5版 表紙込100 ページ・本文モノクロ 1500円
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2142回】             
  ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港24)

     ▽
 前年に中国で発生した文化大革命に狂奔する大陸の「革命群衆の熱気」に煽られた香港左派が、1976年5月に新興工業地帯である新蒲崗のホンコン・フラワー工場の労働争議に介入し、警察との衝突事件を引き起こした。これをキッカケに過激な街頭行動へ。

 当初、左派労組が中心になって闘争委員会を結成し、交通・公共機関の大規模ストライキに発展したが、7月を機に殖民地当局は力に制圧に転じたことで、香港左派は戦術をエスカレートさせ爆弾テロで対抗した。

 当時、香港左派の背後に「広東王」と呼ばれ、広東省を拠点に中国南部で絶対的影響力を保持していた陶鑄や共産党広東省委第一書記(当時)であった趙紫陽の存在を指摘する見方もあった。彼らは共に毛沢東が敵視した劉少奇に連なる「実権派」とされていた。
また1979年になって『人民日報』は「香港暴動は、周恩来打倒と周が指揮する統一戦線工作破壊を狙った四人組の策動であり、周の反撃によって暴動は収束した」と報じている。

いずれの説が正しいかは不明だが、香港での大きな政治的運動が中央政府部内の権力闘争に連動していることは、疑問の余地はないところだろう。
爆弾テロなどによって51人の命が失われ、800人を超える重軽傷者を出して香港暴動は幕を閉じた。

 じつは香港左派は社会面、資金面、組織面、さらに思想面でも極めて複雑に入り組んでおり、共産党政権が対外開放・社会主義市場経済路線に踏み込んで以降、複雑さは増すばかり。反中過激左派まで活動しているほどだ。
これに共産党上層の権力闘争が加味し、さらには海外の様々な勢力による反中工作が加わるわけだから、いよいよ以って魑魅魍魎の迷界に突入せざるをえなくなってしまう。だからこそ日本式単純明快さでシロクロを決することに前のめりになってしまったら、事態の真相を見誤ることになりかねない。

やはり自らの抱く思想信条・政治思考(嗜好)というモノサシを一端は脇に置いて、漢族の奇妙奇天烈極まりない政治に目を向けるべきだ。それは2014年秋の雨傘革命にも、さらには昨年6月の逃亡犯条例問題以降の過激な反中街頭闘争においても見られるのである。

 1970年秋、私が香港留学生活を始める直前の10月10日の国慶節、香港島と九龍の間のヴィクトリア港に臨んで立つ招商局(前身は1872年に李鴻章発案で創業された。中国政府所有の複合企業。現在は招商局集団)の16階建てビルの4階から10階までを覆う巨大な毛沢東の上半身像が掛けられていた。

 人民服を着て右手を上げた巨大な毛沢東が、香港経済の繁栄の象徴であるヴィクトリア港に集まる船舶を見下ろしていたというわけだ。
その下には「中華人民共和国万歳」「偉大的領袖毛主席万歳」「慶祝中華人民共和国建国二十一周年」の巨大な看板が掲げられていた。

 招商局の最上部には、巨大な「毛主席万歳」の5文字が掲げられ、その上には巨大な4本の五星紅旗が翻り、中央部には巨大で、真っ赤な星が鎮座ましましていた。
おそらく系列企業のビルだろう。周辺のビルの屋上にも巨大な「毛沢東思想万歳」の文字が掲げられ、その上部には巨大な五星紅旗が林立していた。何から何までが巨大であった、とか。

 たしかに香港の、それも極く一部の「珍奇な光景」ではあるが、これもまた当時の香港の姿でもあった。
1971年冬には、香港左派系労働組合の支援を受けた失明労働者の待遇改善運動があった。香港島のビジネス街の中心で行われた彼らの座り込みデモを見に行ったが、彼らの背後に張られた巨大な横断幕は白地で、そこには墨痕鮮やかに「不怕飢餓 不怕烈日」「剥削 剥削! 再剥削! 便是香港的繁栄!」と書かれていたことを思い出す。

 第一日文での熱心な質問をキッカケに親しくなった中国系デパートの中間管理職から、70年代後半の香港左派の活動、いわば「香港での文革」を教えてもらうことになる。
     
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(読者の声1)トランプ大統領のコロナウィルス感染についてですが、これが最終的に選挙戦にどういう影響を与えるかは、後1週間くらい状況を見ないと分からないと思います仮に、症状が軽く回復してしまうと、トランプ陣営は、これを有利なネタとして利用するでしょう。
コロナに感染したことは、直ちにトランプ不利と見るのは早すぎるとおもいます。コロナからカムバックしたトランプは、非常に強くなってカンバックすると思います。     (関野通夫)


(宮崎正弘のコメント)「安倍ロス」の次は「トランプ・ロス」とならないように希望したいですね。
共和党の集票マシンが都市部で動いていないことが気になります。

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(読者の声2) 貴誌の、「無名の清貧老人 」による(読者の声)は友人達への回覧に際しては、削除させて頂いています。この方の執拗、陰険な言い回しは常に怒りに満ちており、とても読むに耐えず、それこそ吐き気を催すからです。
特に最近の竹中氏への陰湿な連続攻撃は目に余るものがあります。日本国のみがこの30年間GDPが増加せず、一人当たりGDPが2位から26位に転落した、この長期にわたる停滞を生じせしめた主たる因子は、前半は日銀(金融緩和せずに円高を放置したこと)、後半は財務省(消費増税などの増税)であって、竹中氏がそれに責を負うべきとは何ら考えません。
菅首相も他の首相候補よりずっと期待の持てる、現況では唯一の期待の星です。「無名の清貧老人 」とは それを誇りとはしていない自虐的な言葉であり、 妬みの存在を強く感じます。
この方は私の同窓の方のようですが、看過し続けるに耐えず、思い余って筆をとりました。    (HM生)               ( 👈 竹中平蔵の応援団登場〜🐧💦 )


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月4日(日曜日)
        通巻第6660号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~トランプ大統領のコロナ感染で選挙戦は霧の中に迷走
  ウォール街はバイデン勝利を盛り込み、市場に異変が起きている
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 大統領以下、ホワイトハウスにクラスター!
 まさに「オクトーバー・サプライズ」だ!
 軍の医療センターに急遽入院のトランプ大統領は「すこぶる元気」とツィッターに発信しており、「経過は良好」と医師団も記者会見しているが、政権の機能が痲痺状態にあるのも現実である。

 オッズメーカー(ODDMAKER、賭けサイト)が米国には幾つかあるが、ラスベガスのサイトはバイデンがかなり有利、「ボーナス」という有力サイトでは、直近(10月4日、午前四時、日本時間)の予測はバイデンが61%、トランプが39%と、12%の開きが出た。

 米国市場に異変が起きている。
 従来は世論調査をあてにせず、投資家、ファンド筋などはトランプ勝利を前提にした投資戦略を基盤として、ポートフォリを組んできた。つまり貿易、予算、保険、税制が不変という見通しで、企業分析と産業展望を展開してきたのだ。

 もしトランプ再選が失敗した場合、ポートフォリオの組み替えが必要となるのは税制、保険制度、そして資源産業になる。シェールガスはふたたび規制されることになる可能性が高いからだ。
 まして民主党政権になると、予算の重きが国防より医療関係などに割かれるため軍需産業の株価に影響が出るのは中学生でも分かる未来図だが、貿易で、対中強硬策が弛緩するとなると、商社や、乙仲、倉庫業、運輸など末端に至まで、影響がでる。

 ウォール街はこれまでトランプ再選を盛り込んできた。大手メディアの世論調査があてにならないこと、とりわけ左派、リベラル系のテレビと新聞はバイデン支援だから、なおさら偏向した内容で、選挙戦を伝えてきた。
 もとよりウォール街は共和党支持者が多いが、近年の株式市場の特性が、IT関連、とくにGAFAが時価総額の大半を占めるという状況変化にともなった民主党系のファンドが急増していた。

 選挙戦の実態はといえば、都会はともかくとして草の根では根強いトランプ支持、とくに中西部からディップサウスにかけてのエバンジュリカルの猛烈なトランプ支持集会を、メディアは意図的に報道せずに無視してきた。
 「報道しない自由」という手段は左派メディアの特質的なやりかたで、いまさら指摘するまでもない。
 
 また共和党集会にある異様な熱気が、民主党集会にはまったくない。この空気は画像や活字だけでは分からない。
 それゆえ、バイデン有利としか報道しないアメリカのメディアの報道(日本の報道はその鸚鵡返しに過ぎない)を読む限りにおいてはトランプが再選されると考える人は少ないだろう。
2016年もそれで読み違えた。こんども、その読み違えがおこり、不死身の再選があると、投資家、ファンド、金融関係シンクタンクの多くは、静かに予想してきたのだが。

 コロナが再び選挙戦の主要な争点となりつつあり、のこすところ一ヶ月、共和党選対本部は抜本的な戦術の練り直しを迫られている。間に合うか?
     
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(読者の声1)9月30日(水曜日)付第6656号の読者欄「石川県、半ボケ」様のご投稿「京都大学の上久保靖彦先生と文芸評論家小川榮太郎さんによる新著、『新型コロナ』(ワック)を拝読しました」
この感想を読んで、早速、購入し一気に読了しました。
これまで、媚中派WHO、日本政府に巣食う半端な「専門家」、マスゴミなどに散々振り回されてきた我々が、やっと本物の科学者によって解明された「人類未知の真理」にたどり着くことができた!という深い感慨を覚えました。
誠に痛快な本だと思いました。
「本年12月で収束」「マスク、三密、清潔は無関係」「とにかく大勢の人と接触すべし」「PCR検査は有害無益」「ワクチン接種は却って重篤化のリスク」など、いまの常識の正反対のことが、論旨明快にわかりやすく書かれています。
 その学問的根拠も厳密な数式によって証明され、中立の科学サイトに公開されているのに、狭い分野の自称専門家たちは多分野の知見を学際的横断的に統合した複雑な数式を理解できないために、「単なる仮説」とディスって無視していますが、当のご本人は「アインシュタインの方程式も、最初理解できたのは5人だった」などと平然としているところに大物ぶりを感じます。
 上久保先生は10年後あたり、ノーベル生理学医学賞を受賞するのではと感じました。
それにしても、このメルマガの凄いところは、読者の方々による「この本良かった」という情報が、非常に鋭いところです。このたびは大変な好著をご紹介くださいまして厚く御礼申し上げます。
(江東区、YE生)


(宮崎正弘のコメント)じつは小生も通読して書評を用意しかけたのですが、当該の投書をいただき、それを活用させていただきました。
 コロナを大袈裟に芝居化しているのはトランプを引きずり降ろす陰謀だという説もあります。

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(読者の声2) 竹中平蔵氏は、パソナグループの入社式で、小泉純一郎元首相からかけられたという「悪名は無名に勝る」という言葉を紹介して、笑いを誘ったといいます。
 https://www.asahi.com/articles/ASNB25SJ4NB2PLFA003.html
 ここで、竹中氏が言う「悪名」とは、いかなる意味なのか。
 たとえ一般民衆に直ちには受け入れられない場合でも、自分の信念に迷いがなければ、信念をつらぬくべきであるというようなものなら、(直接民主主義的には問題があるとしても)是認するべき余地はあるでしょう。
 また、行政マンの世界では、適時に嘘を吐くセンスや清濁併せ呑むことに対して「ワル」といった愛称が付けられ、それは、最高の誉め言葉とされるとも言われますから、政治的言動として、「悪名」なり「ワル」という評価も、必ずしも一方的に非難されるべきではないのかもしれません。
 しかしながら、竹中と言う人物は、国会で「真っ赤なウソ」を述べたり(『竹中平蔵市場と権力』「暴かれた私信」文庫338頁)、その「ウソ」は、ポジティブに評価できるレベルを超えたもののように私には思えます。
 そもそも、この人物が権力に擦り寄った時期は、日本経済が停滞から衰微をたどった時期と一致しています。その点をどのように解析しているのか、納得がいく釈明を聞きたいものです。まさか、自分が主張する「構造改革」が不十分だったからだ、などとは言わないとは思いますが・・・
 参議院での否決の結果として衆議院を解散するというような強引なことをしてまでも、強行した郵政民営化なるものが、約15年を経過した今、その莫大な実行コストに見合う効果を出しているのか。
 同様に、経済政策としての妥当性、合理性からというよりも、政治的目的を優先して断行されたと(私には)思われる不良債権処理、UFJ銀行を破綻に追い込んだ強引な金融政策(究極の『規制』ではないか?)など、についての自己検証は済んでいるのだろうか?
 竹中氏は、大臣就任中、慶応大学の学生を前にして「自分のやっていることが正しいと、心から思っています。多くの批判があるが、揶揄するものばかりで批判にもなっていない」と述べて、聴衆から拍手を受けたといいいますが(『竹中平蔵市場と権力』「暴かれた私信」文庫231頁)、パソナ入社式での挨拶でも、自らを批判する声が今もネットであるとしたうえで、「フロントランナーは傷を負うが、最初に動いた人に色々な意味で評価や利益が来る。そのことを肝に銘じて」と述べたといいいます。
 しかしながら、政治問題、経済政策において、100%正しい「解決」などということはあり得ず、「妥協」「対決」などが不可避だとしても、それだからこそ、その「結果」の「評価」については、謙虚で自省的なものでなければならないと私は考えます。
 この人物の言動には、それらが全く見られないことが、「無名」の清貧老人である私にはおぞましく感じられるのです。
   (椿本祐弘)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和2年(2020)10月3日(土曜日)
        通巻第6659号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~本当に「政治は一寸先は闇だ」。トランプ大統領が入院
  選挙は休戦状態、はたしてバイデンが有利か?
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 日本ならさしずめ同情がおきて、トランプは優位に立つだろう。
 けれどもアメリカは反対である。KAL機の事故で死亡した下院議員に代わって立候補した未亡人は落選した。
1983年、オホーツク海上空でソ連のミサイルにより撃墜された大韓航空機に搭乗していたのはマクドナルド連邦議会下院議員だった。未亡人が替わりに立ったが、傲慢だといわれたため落選した。

 日本なら考えられないことだろう。浅沼稲二郎の未亡人は、同情票を集めて悠々当選した。
大平首相が急逝したとき、弔い合戦とも云われた総選挙は自民党が圧勝した。

 アメリカ人は忠臣蔵の涙が分からないように、あるいは中国と同じように、水に墜ちた犬は打て、なのである。
だから他人には絶対に弱みを見せない。風邪を引いていても、ファインと云う。それゆえにトランプ大統領はマスクなしで選挙運動も、ホワイトハウスの日常も、記者会見もこなしてきた。それが裏目にでた?

 大統領選挙まで、あと一ヶ月。
 ワシントン近郊の軍病院に入院したが、ツィッターなどで選挙運動を続けるし、入院中も指揮を執るとしているが、共和党選対は周章狼狽気味である。
 この土壇場での入院騒ぎは、アメリカ的心情から云えば、バイデン有利である。せっかく失業率が回復し、バイデンを猛追していたときだけに、退院後、いかなる戦術で巻きかえすか。
     
■ 新番組「宮崎正弘の生インタビュー」(林原チャンネル)の予告編です
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新番組「宮崎正弘の生インタビュー」予告編です

  10月5日(月曜)午後六時半~初回ゲストは高山正之氏

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(読者の声1)貴誌前号の宮崎さんの東証の停止に関する巻頭言に、私も直感的に同じ思い(某国のサイバーテロの予行演習)がひらめきました。
サイバー攻撃ではないと東証は言っておりますが、怪しいものです。日本人の国防意識はこんなものです。特に、こういう時のためにスタンバイしているはずの予備機が働かなかったというのは言語道断です。
ついでにトピックスとなった杉田水脈さん攻撃の話です。
彼女は、特定個人を攻撃したわけではなく、たとえ、それがポリティカリーコレクトではなくても、そういうことを一切許さない社会というのは、言論に厚みのない、言論統制社会ではないかと思います。
こんな世の中にはしたくない、その程度の言論の自由は許されるし、それをなくすということは、言論の世界を左翼に乗っ取られることを意味しています。気を付けないといけません。
(関野通夫)

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(読者の声2)宮崎先生が、森田必勝と友人だったとは驚きです。若くして散華とは、戦後生まれの人間には思案の外です。余程、三島に心酔し、親しくしていたのでしょう。まさに寵臣の殉死です。
 私も三島文学の愛読者でした。市ヶ谷突入はてっきり、戦争反対と叫んだのだと思っていたが、真逆だったので、非常な衝撃を受けたのを覚えています。当時は、司馬遼太郎を始め、知識人は猛批判し、軍事には全く触れず、三島文学の完成などと濁していました。
 高度経済成長時代に軍事力推進は無理です。第一、三島に恩賜の銀時計を与えた昭和天皇自身が、非軍備の平和を強く望んでいたからです。
 だが、私は50年後には、市ヶ谷駐屯所に三島の銅像が建つだろうと、漠然と思っていました。その銅像は演説する三島の後ろには、『関の孫六』の刀を捧げ持つ森田が立つことでしょう。
  (斎藤周吾)


(宮崎正弘のコメント)市ヶ谷の事件現場は東京裁判の場所でもあり、保存されています。
銅像ではなく記念碑が、某駐屯地には建立されています。
 小生の三島、森田関連の経緯につきましては、『正論』今月号の拙文をぜひご参照下さい。また三島事件とは「むしろ森田必勝事件ではなかったのか」と題して直木賞作家の中村彰彦氏との対談を来月号の『WILL』(10月26日発売)で行います。


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)10月2日(金曜日)
        通巻第6658号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~東京証券取引所のシステム、終日ダウン
  某国のハッカー戦争準備、攻撃の予行演習ではないのか
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 10月1日、まさに某国は国慶節。日本は中秋の名月。 
 早朝、東証システムの不具合が発見され、バックアップシステムも作動しなかった。
 どこの国でも自動的にバックアップシステムが作動する筈で、まして東京証券取引所は米国のようにNy,ナスダックなど分散型でもなく、一極集中なのである。

 日本経済の命脈が一瞬機能しないということは日頃のシステム防衛への意識が低く、取り組みが遅い証拠である。
 まして終日取引停止の発表が11時45分にまで持ち越されるという失態。致命的なミスである。これは証券取引で三兆円の取引が蒸発したなどという金銭の問題ではない。国家安全保障の問題である。
 
 某国のハッカー戦争を準備するための、攻撃の予行演習ではないのかと筆者は直感的に思った。
インターネットという新語が登場したのは1996年だった。おりからハリウッド映画『ネット』は、謀略集団が、ウォール街を攻撃し、ハッカー、ウィルスなどのデジタル戦争で、市場が壊滅的打撃を受けるという、その時点での近未来予測映画だった。将来の戦争のパターンを描くスターウォーズのように、全米では大ヒットした。

 不気味な想定は、すでに何回も現実のものとなった
 過去五年の例を挙げても、2015年7月にNY証券取引所は、三時間にわたってシステムダウンに襲われ、2016年7月にはシンガポール証券取引所、18年1月にはベトナムで、19年8月にはロンドン、そして、この八月にはニュージーランド証券取引所がサイバー攻撃を受けた。

 これまでに日本でも官庁や大企業のHPが襲われ、またシステムを乗っ取って、身代金をビットコインで要求する犯罪集団が、北朝鮮、露西亜などから行われた。日本にハッカー対策本部ができたのは、それ以後である。

 甚大な被害に遭遇しながらも、日本の対策は鈍くて、時代遅れ、今頃になったデジタル庁などと騒いでも、十周ほどの周回遅れである。
デジタル庁は管所政権の目玉だそうだが、「庁」というのは二流官庁で、上に総務省か、なにかの行政機構の下部機構となる。
しかし、国家安全保障に直結する問題なのだから、本来なら防衛省直属でなければならない。

 スイスのIMDの調査に拠れば、日本のデジタル競争力は、じつに27位である。
米国、シンガポール、デンマークなどがトップで、8位が韓国、11位が台湾、16位が中国、21位がエストニア。これらの国々の遙か後塵を拝して、これほどの周回遅れも、日本人の時代感覚の鈍さの所為なのか?

     
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@  【知道中国 2141回】            
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港23)

    △
 「毛主席万歳」にしても「ぢ」にしても、共に香港においては必要なくなった。だから巨大看板を“撤去”したと考えるなら、「毛主席万歳」の方は兎も角も、好意的に考えて香港では痔疾に悩む人がいなくなった。
あるいは少なくとも減少に向かっていた。それならばそれで、ヒサヤ大黒堂が香港に刻んだ功績は特筆大書しておくべきだろう。

 モノはついでと言うから、当時の香港における日本企業のイメージを綴っておきたい。
 当時の日本製品の進出振りは凄まじく、街を走っているタクシーや庶民の足でもあった乗り合いミニバス──14人乗りだったから通称は「十四車(サップセッ
・チェー)」──も、無骨で居住性が悪いドイツ製から軽快なトヨタやニッサンに変わりつつあった。日本では馴染みの「トヨタ」や「TOYOTA」だが、香港では漢字で「豊田」。旧字体で「豐田」、あるいは大陸の簡体字を使って「?田」の表記もあった。だが、これではどうにも「トヨタ」のイメージが湧かない。日本が誇る自動車のトヨタはトヨタでありTOYOTAではあるが、決して豊田、ましてや豐田ではないだろう。

 街で見掛けた日本企業の看板で最高傑作だと思ったのが、「National 國際牌」だった。現在は「パナソニック」と代わったが、当時は「ナショナル 松下電器」のブランド(牌)で世界の白物家電業界に旋風を巻き起こしていた。「ナショナル」なら常識的には「国家牌」とすべきだろうが、敢えて「National 國際牌」である。そこには「國際」の2文字に世界の家電業界をリードしている自負と、さらに影響力を拡大するぞと言う野望が込められていたように思えた。半世紀昔、日本の製造業の心意気は世界を呑み込む勢いだった。

 閑話休題。
 当時の体験も含め、香港における文革に就いて考えてみたいのだが、モノの順序として香港が経験した暴動の姿を簡単に振り返っておきたい。
それというのも、香港で見られる暴動は、その時々の中国における政治を微妙に反映していたたからである。

おそらく中国政治と香港との微妙な「相関関係」は、2014年秋の「雨傘革命」においても、2019年6月からの逃亡犯条例反対運動においても考えられるはず。いや、そう考えない限り香港の問題は解けそうにない。独裁 VS 民主、強権 VS 自由といった単純な図式で割り切れるほどに、漢族の政治は単純明快ではないことを心得ておくべきだろう。

 第2次大戦前については2129回(香港11/九・初八)に記しておいたので省略し、ここでは大戦期前後以降をみておく。

 第2次大戦が勃発するや、連合国側に与した?介石はルーズベルト大統領の支援を受け、イギリスに香港返還を求める。だが、チャーチル首相は「第2次大戦で獲得した国境線は崩さない」とするスターリン首相とガッチリと手を組んで拒否した。しょせん大国とは身勝手で強欲なものだが、?介石にとって不都合だったのは頼みのルーズベルト大統領が急死してしまっただけではなく、後任のトルーマン大統領とソリが合わなかったことだ。かくて?介石の意向を無視し、香港は米・ソ・英の3大国の手でイギリスにも戻されてしまう。

 かくて日本占領(1941年12月~45年8月)が終わるや、イギリスは宗主国として香港に舞い戻ったのである。

 以後、中国では国共内戦を経て共産党政権が成立し、毛沢東独裁が強化されるに従って多くの避難民が香港に逃れる。1958年に始まった大躍進政策が失敗したことから「大逃港」と呼ばれる大量難民の香港流入が発生した。

 やがて1960年代に入り経済基盤も固まり、落ち着きを見せ始めた頃、「香港暴動」が起きる。火元は当時の香港経済の象徴でもあったホンコン・フラワーの工場だった。
     
   ♪
(読者の声1)林原チャンネルからお知らせです。10月5日から、生放送で、宮崎正弘さんの番組が始まります。
 http://hayashibara-ch.jp/
題して「宮崎正弘の生インタビュー」。午後六時半から一時間ほど。初回のゲストは辛口コラムニストの高山正之氏です。
 以後、弐回目は11月9日、加瀬英明氏「アメリカ打倒両選挙を終えて、今後の世界と日本を展望する」(仮題)。三回目は12月7日、産経新聞論説委員長の乾正人氏と招いて「2021年の日本と世界の政治展望」(仮題)の予定です。
 なおリアルタイムで放送後、ユーチューブでも公開されます。ご期待下さい。
  (林原チャンネル)

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(読者の声2)貴誌前号に「仏領ニューカレドニアで再び「独立」を問う住民投票が行われる。もし「独立」となると「中国の植民地になる」と現地に不安の声}
なる記事が掲載されております。
 嘗て日本人鉱山技師らが赴任した土地、ニューカレドニアのニッケル鉱石は、現在も日本が輸入しているものだとばかり思っていたが、今やザンビア同様、中国が買い占めているのですね。 中国は南太平洋の島々を金をばら撒き、植民地化し、太平洋進出を目論んでいる。オーストラリアが神経質になるはずです。
(坂本生)

  ♪
(読者の声3)昨日発売の『正論』今月号は『三島由紀夫五十年』の特集でした。五名ほどの先生方が三島論をかかれていますが、とりわけ宮崎先生の「今なお生き続ける三島が問うたもの」は力作、歴史を振り返って散華の美意識に触れておられる。
また三島先生とともに切腹した森田必勝『楯の会』学生長が宮崎先生の友人だったことも初めて知りました。これまでとはまったく異なる三島由紀夫事件の解釈、はてしなく参考になりました。
   (FH生、千葉)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」   令和2年(2020)10月1日(木曜日)
        通巻第6657号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜仏領ニューカレドニアで再び「独立」を問う住民投票が行われる
  もし「独立」となると「中国の植民地になる」と現地に不安の声
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 「天国にいちばん近い島」とか。行ってみると俗化したリゾート、確かに海は綺麗だが、日本人の観光客も「コロナ禍」の前からめっきり減った。
 ニューカレドニアは今もフランスの植民地である。

2018年にもニューカレドニア独立を問う住民投票が行われたが、57%がフランス領に留まるとした。フランス軍がおよそ八千名、駐屯している。
このときは住民投票の直前にわざわざマクロン大統領がパリから飛んできて、フランス領土に留まるメリットを説いたほどだった。

植民地としてのニューカレドニアの法的地位はタヒチと同様であり、通貨はフランス・コロニアル・フランである。ユーロではない。
レストランに並ぶワインは殆どがフランスからの輸入。だから高い。人口僅か27万人。ひとりあたりのGDPは38000ドルと日本並みなのは、ニッケル鉱山と観光客の御陰である。そのニッケルのバイヤーは中国で、ほかの全輸出品より、中国向けニッケル輸出(108億ドル)の金額が多い。

 再び住民投票でフランスからの独立を求める動きが本格化している。
 背後に中国の工作がある。「もし独立となったらフランス軍は撤兵するだろう。その力の真空を埋める国がある。ニューカレドニアには中国の植民地になる不安が拡がっている」と現地の声が拡がる(サウスチャイナモーニングポスト、9月30日)。

 国際空港から主要なリゾートまでクルマで一時間かかるが、リゾートホテルには鉄板焼きやら寿司バアもあった。近年はどっと押しかけて中国人ツアーで、中華料理も増えた。

 ▼おそるべき速度ですすむ中国の外交攻勢、札束に弱い現地指導者たち


 南太平洋に浮かぶ島嶼国家は14ヶ国。このうち台湾と外交関係にあるのは、四カ国に減った(パラオ、マーシャル群島、ナウル、ツバル)。
2019年には中国の圧力と浸透工作でキリバスとソロモン群島が北京と結び、台湾と断交にいたった。このためトランプ政権が激怒し「TAIPEI法」を制定した。同法には断行した国々に制裁を加えるとする条項があり、また当該国の首脳がワシントンを訪問しても面会を断られる一幕があった。

 南太平洋でもっとも人口大国はパプアニューギニアである。APECが開催されたとき中国が国際会議場を建設して寄付した。中国資本のショッピン街(チャイナタウン)もあり、カネに弱い性格を象徴する。ラバウルは、この島嶼国家に所属する。

 同様にフィジーも首都スバに拓けるチャイナタウン、郊外の「南太平洋大学」には「孔子学院」がすでに設立されている。中国語の新聞がでるほどに中国人移民が多く、マグロの漁場利権などが狙われている。

 バヌアツでは不動産投資の殆どが中国であり首都の商店街はチャイナチャイナチャイナとなって、この国のパスポートは不動産投資で取得できるため、夥しい中国人がやってくる。日本大使館は貸しビルのなか、中国大使館は三階建ての御殿のごとし。

 台湾と外交関係のあるマーシャル群島においてすら中国に買収された議員らが、台湾との断交を議決しようとして、女性大統領が取りやめさせた。

 大東亜戦争のおり、ガダルカナルの死闘はいまも語り継がれている。ガダルカナル沖合は深海、海底には十数隻の日本と連合国の軍艦が沈没したまま。じつは筆者、二月にここへ撮影に行く予定をしていた。コロナ災禍で中止となった。

 さて、このガダルカナルのあるソロモン諸島、その最大の島はマライタ州である。そしてソロモンから「独立」すべきとする住民運動が起きている。ソロモン諸島の人口は67万人、マライタ州は14万人である。
 マライタ州の言い分は「首都ホニアラの政権が、一方的に台湾と断交した」とし、この拙速外交に激怒して、本格的な独立運動がマライタ洲で始まったのだ。台湾に親しみを覚える住民のほうが多いからだ。

 チャイナタウンがあり、中国からの借金でビルを建てた首都ホニアラの親中派政権は、カネで外交を売ったのだ、とスイダニ州首相は非難した。中央政府のソガバレ首相の決定は「民主的ではなかった」。

 南太平洋諸国の中国傾斜という異変に危機感を抱いているのは台湾ばかりではない。米国、オーストラリアは領域に中国の影響力拡大を危惧し、投資ならびに軍事援助などを増大させる。
    
   ♪
(読者の声1)アメリカ大統領の討論会を見ていると、バイデンは認知症がなく、紳士的である。それに対してトランプは、余裕がなく個人攻撃に徹している。
トランプは、認知症のバイデンを混乱させようとの戦術だろうが、バイデンにとって想定内なのでしっかり受け答えしていた。
 どうしても大統領を続けたいトランプに対し、あわよくば、というバイデンのスタンスの違いのようにも見える。日本人ならバイデンの姿に共感するだろうが、アメリカ人はどうか。
 どちらが優位か分からなくなった。次回の討論会まで持ち越しのようだ。
  (斎藤周吾)


(宮崎正弘のコメント)アメリカ人から見れば攻撃的で積極的な人をリーダーとし見なします。紳士的だったバイデンは、日本人から見れば評価されるでしょうが、平均的アメリカ人はバイデンをみて、「あんな消極姿勢では?」となりがちです。

  ♪
(読者の声2)菅新首相についての私の感想、評価について、何回か本欄を汚させていただきました。いささかシツコイかもしれないので、もうここらで終了とも思ったのですが、私が内心で思っていて表現するには至らなかった感触を、ズバリ述べている評論に出会いましたので、紹介させていただきます。
 『サンデー毎日』10月11日号に浜矩子氏が「奸佞(かんねい)首相のマキャベリ的国家像」という一文を寄せ、「菅義偉新首相の映像がテレビ画面に登場する度に、我が母が吐き捨てるように言い放つ言葉がある。官房長官時代からそうだった。その言葉は「奸佞(かんねい)」である。奸佞は、『心がねじけていて悪賢いこと』を意味する」
と述べておられます。
 この浜矩子という人物のこれまでの評論には同調できないことが多かったが、上記については、まったく同感ですね。
 私は、竹中平蔵という人物の言動について、瀬島龍三氏を連想すると述べましたが、保坂正康氏は『瀬島龍三 参謀の昭和史』(文春文庫、1991年)で、
「私は瀬島とのインタビューの折りに、『瀬島さんは、昭和史の年表を開いて、そのときどきの自らの役割をきちんと書きのこすべきではないでしょうか』という質問をした。
すると瀬島は、永田町の方角を指さして、
『自分もそうしたいんだが、あっちの方がやめさせてくれないんだよ』
と、答えた。首相官邸や国会が、まだ自分を欲しているというのである。そのときの瀬島の表情は嬉しそうであった。」
 と述べています。(275頁)

 私は本欄で「(竹中氏は)学界と政界を遊泳した『一代の詐欺師』との感を深くする。この人物の巧みな弁論術にここ十数年、政治家、マスコミ、そして国民が
欺されてきた。彼は今も安倍政権に食い入っている。何故にかくも多くの人々が、かくも長期間、かくも簡単に欺されてきたのか。真贋を見抜く力を失った国民、これは民主主義の根幹に関わる問題(である)」という藤原正彦氏の言を引いて、この「一代の詐欺師」(竹中)は、「今や、菅政権にまで食い入ろうとしている、いや、菅新首相は、自ら取り込まれようとしている。呆れるほかない」と述べました。
 竹中平蔵氏も、やはり総務大臣時代の部下であった菅新首相が、真っ先に自分との会見をセットしたことで、「自分はやめたくとも、首相がやめさせてくれないんだよ」と嬉しく思ったのでしょうか。
 私は「狂気の宰相」(西尾幹二氏の言)=小泉純一郎、「一代の詐欺師」(藤原正彦氏の言)=竹中平蔵、奸佞(かんねい)=菅首相の顔をTVなどで目にすると、吐き気をもよおしてきます。
  (椿本祐弘)

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