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【開催報告】駒澤大学「新入生セミナー」①:プレゼンテーション・ワークショップ

駒澤大学の学部1年生向けの必修科目「新入生セミナー」で2週にわたって講義をしてきました。
受講生は両日ともに50名弱でした。
この記事では、第1週目におこなったプレゼンテーション・セミナーについて、報告します。

導入するための3つの問い

プレゼンテーションのセミナーやワークショップをする際、導入として3つの質問を投げかけることをよくします。

「プレゼンの経験はありますか?」

「プレゼンは得意ですか?」

「『プレゼンが上手な人』と聞いて、具体的に思い浮かぶ人物はいますか?」

1つ目の質問は、受講生の経験を聞くことによって、受講生がプレゼンの具体的なイメージを思い起こさせるために聞いています。
「プレゼンとは何か?」と聞いても、学生はうまく説明できないかもしれません。
それでも「経験があるかどうか」と聞かれれば答えることができるわけなので、プレゼンに対する何かしらのイメージは持っている(つまり全く知らないわけではない)と考えることができます。
あらかじめイメージを頭に思い浮かべておいてもらうことで、こちらの説明がより理解されやすくなるのではないか、と思っています。

2つ目の質問は、プレゼンのどこが難しいと感じているかを聞き出すための前提として聞いています。
この質問には、ほとんどの学生が「いいえ」と回答します。
今回も数えるほどの学生しか「はい」とは答えませんでした。
「いいえ」と答えた学生には「ちょっとでも苦手意識が薄れて、やってみようと思えるようになる」ことを、「はい」と答えた学生には「さらに自信を持てるようになるためにできることを見つける」ことを、それぞれ目標にしてほしいと伝えます。

3つ目の質問は、「『上手い』と人に思わせるプレゼンには、一体何が備わっているのか」を考えてもらうための質問です。
いわゆる「プレゼン」に当てはまらないものでも、テレビの出演者や学校の先生など、「話し方が上手い」「説明がわかりやすい」と感じた人を思い出してもらい、「その人の何が『上手い』と思わせるのか」を考えてもらいます。
このとき、注目してほしいポイント(話し方、視線、スライドのデザイン、など)については特に指定しません。
その代わり、グループで意見交換をしてもらい、その過程で、人によって評価するポイントが違うことに気づき、新しい視点を得ることができるように仕向けます。

グーチョキパーアンケートの様子

今回の講義では、「グーチョキパーアンケート」という手法を応用して3つの質問を投げかけました。
3つ以内の選択肢に「グー」「チョキ」「パー」を割り振り、該当する答えの手の形にして一斉に手を挙げる、という手法です。
今回は「はい・いいえ」の2択だったので、「グー(いいえ)」と「パー(はい)」で回答してもらいました。
こうすることで、必ず全員が手を挙げる(=参加する)ことができます。
ちなみに、私はこの手法を『KP法』(川嶋直、みくに出版)で知りました。
道具も必要なく、明日からすぐに使える手法なので、ちょっとしたアンケートを取りたいときにとてもおすすめです。

何が「上手いプレゼンだ」と思わせるのか?

講義の後半は、上手い人のプレゼンを実際に見てもらい、どこが「上手い」と思わせるポイントなのかについて意見を共有してもらいました。
YouTubeで公開されているこちらの動画(とくに前半部分)を見てもらいました。

なお、ここでご紹介した三輪開人さんは、「プレゼンラボ」というチャンネルをYouTubeで開設されています。
1本の視聴時間は10分以下と短く、ポイントが簡潔に解説されており、おすすめです。

プレゼンテーションの成功を握る3つの鍵

講義の最後に、「プレゼンテーションを成功に導く3つの鍵」と私が考えるものを紹介しました。
プレゼンの成功を握る3つの鍵、それは「メッセージ(一番伝えたいことは何か)」「ターゲット(聴衆は誰か)」「ゴール(プレゼンの結果、何を目指すか)」です。
プレゼンテーションを上手く見せるテクニックはさまざまありますが、これら3つがいい加減では、「わかりやすいプレゼンテーション」には決してならないと私は思います。

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