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劇場は今――コロナ禍で浮き彫りになる性風俗差別

 四月上旬、横浜ロック座の前に設置された看板には「臨時休館のお知らせ」と書かれた貼り紙だけがありました。いつもなら出演中の踊り子の顔写真が貼られている看板を眺めていると、中から掃除機の音が聞こえます。劇場の従業員の方々の顔を思い浮かべ、先々への恐怖心がより鮮明になったように感じました。ちょっと不愛想だけど、しっかりと劇場を運営してくれる横浜ロック座の人たち。このまま再開できなかったら、ここで働いている人たちはどうなるのだろうか……。
 二〇二〇年、新型コロナウィルスの到来により、世界中が危機的状況に追い込まれました。これは日本、そしてストリップ業界も例外ではありません。劇場も休業や、営業の変更を余儀なくされ、そこで働く人々もさまざまな転換を迫られました。
 このコラムでは、コロナ禍での業界の変化と合わせ、危機的状況で浮き彫りになってきた性風俗業への差別について簡単にまとめていきたいと思います。

◆ストリップ劇場のコロナ禍での変化

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