イルミナ準備号 まえがき
冬コミ(C97)で『イルミナ』準備号を発行しました。
お手にとっていただいたみなさま、ありがとうございました!
「ストリップと社会と私を考えるZINE」を名乗るこの雑誌が何を目指しているのかお知らせするために、「まえがき」をここに公開します。
まえがき
ストリップのきらめきへ!
私たちにとって、ストリップは光。そのきらめきは「社会」と「私」とをともに照らすものです。この社会のなかである種の抑圧を感じながらサバイブしようとしている私たちにとって、それは足元を照らす街灯のようでもあり、これからの道を示す灯台のようでもあります。一方で、ストリップやストリップ劇場もまた、この社会に存在するものです。時代の移り変わりのなかで、そのときどきの法や流行に制約を受けながら、この芸能は形を変えて生きつづけてきました。
この雑誌は「ストリップと社会と私を考えるZINE」です。
ここで言うストリップとは、主にストリップ劇場で行われている、「踊り子」と呼ばれる女性が登場するショーのこと。戦後まもなく行われた「額縁ショー」から始まるといわれ、国内外の様々な芸能の要素を取り入れつつ独自の様式と文化を築いてきた芸能です。もっとも数が多かったころには、全国に200館以上のストリップ劇場があったそうです。
劇場には年齢制限があり、一八歳未満は入場できませんが、性別の制限はありません。特にここ数年で、劇場に女性客がいることはすっかり当たり前になり、各種メディアでも取り上げられるようになりました。裾野が広がるのはうれしいことですが、そのようなメディアでしばしば登場する語り口――たとえば「女性でも楽しめる」、「女性ならではの見方」――に、私たちは満足していません。「男」や「女」では区別されない、もっと個別で個人的なものに焦点を当ててくれることこそがストリップの魅力だと考えているからです。
ストリップのことが気になっている、もしくは一度観たことのある人が、この魅力的な世界にもう一歩踏み込む手がかりを作りたい。ストリップとの出会いを、ただ一回の「人生経験」で終わらせるのはもったいない。そう考えてこの雑誌をつくりました。もっとたくさんの人に「私にとってのストリップ」を語ってほしい。それを語ることは、きっと自分について、しかも普段誰にも語らないような部分について語ることです。語ろうとするなかで、いままで知らなかった自分に出会い、手探りで言葉を見つけていくこともあるかもしれません。
そして「ストリップと私」を考えようとするとき、必然的に「ストリップと社会」や、「社会と私」を考えることになります。私たちは、いまのこの社会にはない、新しい言葉を手にしたい。ストリップを語り、社会を語り、私を語るために。互いに語りながら言葉を見つけていく、広場のような雑誌でありたいと思っています。
2019年12月 うさぎ
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書店委託もこれからしていくつもりです。手配できしだいお知らせします。
なお、電子版は検討中です。
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