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イルミナ号外(2021.5)

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ストリップと社会と私を考えるZINE『イルミナ』号外 特集:広島閉館に寄せて(写真・表紙デザイン:中本那由子)
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記事一覧

イルミナ号外 まえがきとあとがき

まえがき この冊子を手に取ってくださった皆さんは、今どこで、どのような気持ちで生活しているでしょうか?  ストリップ劇場に行ったことがありますか。行ったことがあるけど、今は行けていないでしょうか。あるいは、今も劇場に行っているのでしょうか。  昨年からはじまった行動制限により、観劇に行くことは今までよりずっと緊張感のある行為になってしまいました。  楽しげな香盤や遠征を見送り、感染者数に一喜一憂し、劇場や働く人々の状況を心配し……。  1年以上が経った今でも状況は改善されな

広島閉館に寄せて

 中国地方唯一のストリップ劇場である広島第一劇場(1975年開館、広島市中区薬研堀)が今年の5月20日をもって閉館する。6月には建物も取り壊されるという。  路面電車の「銀山町」駅から徒歩しばらく、繁華街を抜けたところに広島第一劇場はある。すぐ近くにはいつも行列のお好み焼き屋「八昌」。この劇場を舞台にした映画『彼女は夢で踊る』は広島での先行公開後、昨年全国公開された。  2016年に閉館が発表されてから何度かにわたって閉館と営業再開が繰り返され、期間限定の営業が延長された

「セックスワークにも給付金を」訴訟

4月15日「セックスワークにも給付金を」訴訟の第1回口頭弁論が終了 『イルミナ』創刊号でお伝えした「セックスワークにも給付金を」訴訟。その第1回口頭弁論が4月15日に東京地裁ではじまった。  2‌0‌2‌0年、国は新型コロナウィルス対策として、持続化給付金および家賃支援給付金の支給を決定。しかし、「国民の理解が得られない」とし、この給付金を性風俗事業者に支給しなかった。国のこの判断に対し「憲法が保障する『法の下の平等』に反し違憲である」と申し立て、大阪のデリバリーヘルス事業者

広島閉館に寄せて:劇場の思い出募集

広島がホームの方も、遠征で通った方も、一度だけ行った方も、映画でしか知らない方も。あなたにとっての広島第一劇場の話を、ぜひお聞かせください。 最終締切は8月としていますが、いただいた投稿はnoteに随時掲載していきます。また、一部は『イルミナ』次号(2021年11月発行予定)にも掲載させていただく予定です。 いままでの寄稿はこちらに掲載しています。 【募集要項】 ・文字数 本文400字以内 ・必要事項 お名前(匿名可)/15字程度のプロフィール/タイトル ・締切 202

広島閉館に寄せて*公募編①

『イルミナ』号外発行後に寄せていただいた広島第一劇場の思い出です。 ご協力くださったみなさま、ありがとうございます。 劇場への道のり  遠征前、広島第一劇場は映画「彼女は夢で踊る」の舞台という位置付けに過ぎなかった。  5月14日11時50分、広島駅。開演前の入場は諦めていた…つもりだった。気がついたらタクシー乗り場へ駆け出していた。車内では刻々と進む時計の針から目を離せなかった。12時を少し回った頃、劇場に到着。既に照明が落とされた場内で急いで席を探し、腰を下ろす。数秒後