❝すべてはすべてである❞ゲーム
❝すべては湘南である❞……?
『ね大西』
「ん」
『熱海って湘南なの?』
「熱海?なんで?」
『湘南って言ったら神奈川じゃん。静岡まで行ったら違くね?』
「何w 地元民のプライド?」
『違うけど』
「でも別に、同じ相模湾に面してんじゃん」
『湘南=相模湾沿い、なの?……じゃあ伊東とかも?』
「伊東ってどこ?」
『熱海の下。まあ湘南か。じゃあ下田は?』
「……」
『てか、相模湾ってこれどこまで相模湾?もう距離的には館山とかも湘南になってくるんだけど』
「……」
『大西的にはどこまで湘南なの?』
「……どうでもよくね?w」
『えー、決めようよ』
「………」
『…………』
「……………」
『………………』
「…………なんか」
『うん』
「僕の、さぁ、持論みたいなのがひとつ、あって」
『なに』
「❝すべてはすべてである❞っていう。つまりさ、あらゆる概念は、拡張していけばいずれ森羅万象を包含するんだよ」
『……ほんとか?』
「少なくとも、僕らが日ごろ扱う形而下的な概念って、デジタルな境界とか定義とか、所与じゃないじゃん?」
『どういうこと』
「ハゲのパラドックスだよ。あれは数で拡張できるからわかりやすいけど、別にあらゆる概念で同じようなことできると予想していて。だから、僕的には、自明に全宇宙が湘南であって、そのテの議論には参加したくない」
『ちょっと待って』
❝すべては酒である❞
『あらゆる概念?』
「そう。何でもできる。……例えば君がいま飲んでるその酒あるだろ?」
『おん』
「すべては酒なんだよ」
『は』
「……酒ってさ。アルコールが1滴でも混じってれば全体が酒じゃん。つまり、いま酒を飲んでる君の体液って、酒になってるよね」
『おう。おう』
「ところで果実酒とかって果肉、つまり固体が混ざってんじゃん。発泡酒は気体が混ざってる。つまり、全部が液体である必要はないんだよね。だとしたら君の体液を含む君全体がお酒であって、君を含むこの居酒屋の個室も一杯の枡酒であって。そうやって拡張してけば結局すべては、宇宙っていうひとつのお酒なんだよね』
『……ま言ってみればね』
「言ってみれれば勝ち」
❝すべてはセーターである❞
『え、じゃあさ、俺がなんか適当に概念言ったらそれ宇宙にできる?』
「まぁ、たぶん……一般名詞なら」
『じゃあねー、………セーター』
「ぜったい僕見て言ったじゃん」
『そうw』
「セーターって何だっけ、……編み物でできたトップスならセーター?」
『だと思う』
「そっか。……まぁまずトップスってのはハゲと同じ要領で、丈がこっからここまでっていうのは無いから、ネックレスからワンピースまで含まれるよね」
『初手が怖いなw ……でも首は通らないとだめだよ』
「……首って人間のじゃなくてもいいよね、ほら、犬用のセーターとかあるから。これもこの動物からダメとか言えないはずなんで、線虫用のセーターとかでもよくて」
『待ってw』
「編み物である以上穴は空いてるから、すべての編み物はセーターでありうるよね」
『そうなっちゃうなー。じゃああとは❝すべては編み物である❞が言えればいいわけだ』
「編み物もさぁ……繊維が絡まってれば編み物でしょ?」
『怒られるよ?』
「知り合いにタンジモトヒロってニットアーティストいるんだけど、すごいぐちゃぐちゃな立体作ってて」
『怒られるよ?』
「まあ、で、けっこう色んなもの繊維でできてるじゃん。木とか、紙とか……カーb
『いやいや、でもさすがにすべてではないじゃん?水とかさ、空気とか』
「……超ひも理論っていうのがあって」
『あっもう大丈夫です』
❝すべては了解である❞
『これ面白いね、俺もできるかな』
「できるよ」
『じゃあ何かお題くれ』
「了解」
『………』
「……あ、了解、っていうお題」
『おいww お前、形而下って言ってなかった?最初』
「まぁ……すべては形而下だから」
『ヤバこいつ』
「はい、❝すべては了解である❞ね」
『了解、って何だっけ……調べるか……』
「大事」
『……あー……了解って理解みたいな意味あるね。俺たちは、この椅子を座るものだと了解している。そういう了解がある。みたいな』
「あるね」
『……なんか哲学的だけどさ……俺たちにとっての椅子の本質って、座るものだっていう了解にあるんじゃないかな』
「いいぞww それで?」
『つまり、俺たちが認識してるのって、そのもの自体ではなくて、そのものに対するいろんな側面からの、了解、なんだよね』
「わかるよ」
『だとしたら……主観的には世界って自分の認識してることがすべてだから、すべては了解ってことだよね』
「いけんじゃん」
『……いけたわ。すげえ詭弁だった気がするけど』
「すべては詭弁」
『これゲームにできそう』
「まぁ……すべてはゲームだk
『思ったんだけどさ、具象から具象にも行けるよねこれ?どっちもすべてなんだから』
「ほう」
『ランダムに概念2個もらって、一方は他方であるって言う。納得させられれば成功』
「ランダム単語ガチャ使うか」
『あ!それフォロイーが作ったやつw 一般名詞以外も出るから、その時は引き直しで』
「おけ。君からね」
❝白菜は句読点である❞
「面白いなw」
『んー……句読点はまぁ、ある流れの中の休符っていう一般化ができるよね?終止符を打つ、とか言うし』
「はいはい」
『ここで、鍋からつまむ具の流れの中で白菜というのは』
「箸休めかぁ」
『合格?』
「まぁそういうことにしよう」
『ちょっと語彙レベル上げようぜ。お前やって』
❝ホーホケキョは若気の至りである❞
「意味がわからない」
『意味なんてない』
「とりあえず人間の行動は全部若気の至りで」
『歩幅バグってんな』
「ホーホケキョの本質は春の訪れだという了解にあるから」
『定理にしないで』
「もう全部できそうじゃない?」
『そうだなぁ』
「語彙レベル最高にしてみる?」
❝フォールスコンセンサス効果はアサフェティダである❞
『何が?』
「どっちも何?」
『アサフェティダはそういう植物で、フォールスコンセンサス効果は……自分と周囲だけの合意を世論だと思い込むこと。らしい』
「false consensus か」
『まずすべての生物はアサフェティダでしょ?』
「もう何でもありだな」
『えっと、生物の要件は……』
「なんかそもそもさあさっき僕らはすべてが編み物であることを了解したわけだから」
『でもそれってフォールスコンセンサスだよね』
「確かにじゃあこの記事ってアサフェティダってこと?」
『白菜を入れろよ』
「許してよ、ホーホケキョってことで」
『何が?なんか宇宙回ってきてすべて的なすべてすべても書けなくなってきた……これって宇宙の風?」
それはライティング』
「え、神様が計算機に散歩される、揮発性のステアリング鳥類? くしゃがら跋扈してきた……
』お前のものは爆発だ、って言うしね。マヂカルラブリーは狂言」
てか、タラバガニって厳密には野菜だから『……これってナイルの賜物?」
「『いや、ハラスメント
」男は女だし、全員障害者」
しかも芸能人だしね『
『よく考えたら、お前って俺だよね』
私? それって「これを読んでいるあなたのこと?
これを読んでいるのは僕ですよ
「あなた』がこれを書いた
変な記事ですね
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自分語りをしている部分
大西拓磨のこと好きな人向けの情報。近況、思い出話、グロいポエム、新コンテンツのβ公開(テストプレイ募集)とか。
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